人事はサイエンスに依拠する
前回「人事はストーリーを語る」という技術をまずはじめにみなさんと考えてみました。
「ストーリーって何よ」
「人事は結局『ヒラメ』野郎か」
「精神論だし」
といったご批判もあろうかと思われます。
その通りで、非常に難易度が高い技術で、逆に「シラケ」をレバレッジするリスクがあります。
つまり、「ストーリー」はいわば「アート」な手段ですが、それだけで人事がメンバーの信頼を得ることは、私もできないと考えています。
そこで、人事の第二の技術、こちらのほうが重要かもしれませんが、それは「人事はサイエンスに依拠する」という技術になります。
ここで言う「サイエンス」とは狭義には「確率・統計」を指しています。
人事は「とかく人間関係で決まる」と体感的に感じられている方が多いのではないでしょうか?
また、人事は「主観」つまり「好き」とか「嫌い」といった感情で決まるのではないか、といった疑心暗鬼になられている方も多いと思われます。
人事の主観的・感情的側面は否定しないものの、それだけで必要十分条件を満たすことはできませんし、メンバーの理解・納得を得ることはできませんし、何よりも「シラケ」のドライバーになるリスクが大いにあります。
人事の目的は、カイゼンさらにはイノベーションにあるのですから、目的に即した人事を人事が担保することが、要諦になります。
その手段がサイエンスであり、人事はコンテクストだけでなくスタティステックスで、事実を客観的にとらえ、語ることが有効な武器になります。
具体的には、①実績(パフォーマンス)②評判(レピュテーション)③潜在能力(ポテンシャル)の3軸に関して、客観的なデータをもとに人事運用を行うことが、メンバーの信頼の一丁目一番地になります。
また、上記のようなデータをもとに、時にはビジネスリーダーと対峙することも、人事には求められます。
この緊張感というかガバナンスこそが、組織の健康やモメンタムを向上させるために、とても重要なドライバーになのです。
データは集めてアリバイを作るだけでは価値がありません。データを「使い」「解釈し」「簡単に説明し」「理解と納得を得て」「結果を出す」というプロセスこそ、「人事の守破離」ではないかと思うのです。
みなさんは、どのようにお感じなられたでしょうか?
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