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空間を演出するために大切にしているたったひとつのこと


私は空間にエンタテインメントを届けたり空間そのものを演出するという比較的特殊な仕事を行なってきました。


その空間はシティホテルのバンケット(多目的空間)であったり、自治体のシンポジウムを行う街のホールであったり、時には九州を代表する豪華列車のラウンジカー(食事を取ったりお酒を飲むいわゆる食堂車)と言われる空間であったりします。


お客さんは企業さんであったり新郎新婦さんであったり、市民であったり旅をしているご夫婦であったり様々です。

その中の演出のひとつに企業の周年の式典の場を演出するという仕事があります。


企業が創業50年を迎える。

100年を迎える。

そのハレの場を私たちは演出させていただく。


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この時に大切なのはそこにある想いと向き合うということです。

創業50年というとピンと来ないかもしれませんが法人が50年存続する確率は1%を切ると言われています。


100社に1社も存続することが出来ない。

50年企業を存続させるということは並大抵のことではないのです。
まして100年となったら...



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だから私はそんな企業さんの創立式典を担当させてもらうこととなれば、その企業さんの50年あるいは100年の想いにぶつかっていく位の熱量で向き合いたいと思います。

50年であれば創業から二代目社長へ100年企業であれば創業者はもう他界されています。


亡き創業者の想いまで遡り式典を演出することが出来るか。

そこまでの想いを持って取り組ませてもらっています。


まずその想いに接することが出来るように現社長が持つ仕事への情熱や経営に対する哲学のようなものを伺い、その社長の先代のお話、そしてその先代に仕えた社員の方や先先代を知る方、ご親族などまで遡りお話を伺います。


そのヒアリングを終えた頃にはどんな小説よりもドラマティックなストーリーが出来上がっています。

50年、100年続く企業には大きな苦難も来ますし、奇跡的な大逆転の話があります。


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そして何より代々の経営者の大きな決断があります。

それをひとつのドラマと捉え、私はそのドラマをどのように演出するかを思考するのです。


その一例としてある100年企業の式典の演出を担当した際はプロの講談師と100年企業の100年の物語を現社長やその奥様、先代や先代を支えてきた幹部の方の話などをインタビューし、ひとつの物語として組み上げ講談にして物語を噺家に語ってもらったこともあります。

ドラマ仕立ての映像作品にして上映することもあります。

企業の創立式典に限らず全ての仕事において私がハレの場を創る、空間を演出する際には相手、その空間でスポットライトが当たる対象の想いをいかにカタチにするか。


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最も大切にしているのは相手の想いです。

しかし、それに負けず劣らず大切にしていることはその相手の想いを凌駕するような気持ちで自らの想いをその演出に乗せていくことです。


想いをカタチに

この言葉には相手の想いがあります。

しかし、それ以上に私たちの想いを乗せてカタチにしていく。
誰かの物語を当人以上の思い入れで紡いでいく。

そんな強い覚悟を込めて演出という仕事に向き合いたいと思っています。


”想いをカタチに”は私が空間を演出する際、そして仕事に向き合う際、大切にしている私の信条です。



私自身の“想い”をカタチにした「伝統の音を世界へ」の記事はコチラ ↓






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