化学反応で生み出すイノベーションの作り方
結婚式の音楽をキュレーションするWiiiiiMというサイトを立ち上げたのが2015年4月。
このサイトの運営を始めてかれこれ7年になろうとしています。
音楽業界にどっぷりと身を置きアーティストマネジメントに特化していた私が、音楽だけで仕事をし続けていくことに限界を感じ始めてた2010年。
音楽が好きという思いだけで仕事と向き合っていました。
当時の音楽業界では、宣伝・原盤制作・著作権の管理などはCDを中心として考えるのが常識でした。
そんな中で私は、所属レーベル初となる、配信での楽曲リリースを手掛けたのを覚えています。
出来ることはなんでも行っていた当時、音楽業界周りのスキルはなんでも貪欲に学んでいたと思います。
しかし、音楽＝好きを仕事にし続けるためには現在のスキルでは足りない。
そんなことを思い始めていた頃です。
突如、音楽に関わる仕事を当時の私の唯一の部下で相棒のスタッフに任せ、私はオフィスへ出勤することを辞めカフェへと、当時流行り出したノマドワーカーさながら…通い詰める生活を始めます。
私が新たに加えようとしたスキルは「IT」でした。
デジタル化が進む世界で何か自分だけが取り残されているように感じ、プログラム言語のことやサーバーのこと、WEB広告のことなどその当時にITやWEBに関わる書籍という書籍を読み漁り始めました。
当時、私が音楽業界で戦う現場は東京でしたがその組織の本部は福岡にありました。
その福岡で私の音楽事業部門のWEBの更新管理などをしてくれていたスタッフに「本格的にプログラムを学んでWEB・ITのスキルを身につけて欲しい」と伝え素人同然の二人、東京と福岡の地で小さなWEB領域のチームを当時の上司に掛け合い立ち上げさせてもらうことにしました。
素人が立ち上げるWEB領域の部署、最初に何から始めると良いか。
悩みました。
当時、私は音楽と同時に文化人のマネジメントというものにも挑戦している時期で書家（書道家）のマネジメントも行っていました。
この書家の先生と接点があった影響で私は「姓名判断」にとても詳しくなります。
姓名判断というものは漢字の読みや画数など漢字に由来します。
書家と言うと漢字を操る達人ですので非常に漢字の組成に詳しかったのです。
私はこの姓名判断を随分と教わり自分でも少し出来るようになっていました。
この姓名判断を通したメディアを作ってみよう。
こんな思いつきのような始まりが私のWEB事業の”立ち上げ”でしたので今となっては笑ってしまいますね。
しかしこのメディア、少しづつコードを書きながら始めたのですが占い好きの方は意外と多いのか始めてすぐに訪問者なるものがチラホラと現れるようになります。
これが嬉しく、サイト作りを毎日のようにコツコツと。
Googleのアドセンスなどもつけて広告の収入などにもチャレンジしてみました。
ま、広告なんてものは一朝一夕で収入を得ることが出来るのものではないと言うことはすぐに分かるのですが。
しかし、アクセスが少しづつ増えていく感覚はとてもワクワクするものでした。
アクセスが増えるといいなぁと当時、ニュースで話題になっている人を姓名判断で斬ってみたり、思いつきの企画なども盛り込むようになります。
こんなことをしているうちに突然記事がバズるという現象を経験したり広告収入が瞬間的に増えたり、そんな経験もしました。
まずは楽しみながら少しづつ始めたWEB事業（事業などと言えるものでは無いですが）でしたが本格的に会社の役に立つものにしなければならない、そんな時期が近づいていました。
私はWEBメディアを立ち上げるならやはり”音楽に関わりたい”。
その気持ちがとても強かったんです。
本来、音楽業界で音楽のスキルだけを持っていても勝てないという私の焦燥感から新たなスキルをつけることが目的であったので。
その原点に帰り、私の強い思いの対象である音楽、そして会社の事業に関わる結婚式。
私の所属する会社はホテルを主なクライアントとし、ホテルで行われるイベントをプロデュースしています。
そのイベントの中に”結婚式”と言うものがありました。
この結婚式で使われる曲をテーマにwebメディアを立ち上げることは出来ないか。
WEB×結婚式×音楽。
私のスキルの掛け合わせ、そして事業領域の掛け合わせ。
化学出身の私はなんでも掛け合わすことで新しいイノベーションを生み出せると考えてきましたがこの考え方から生まれたのが
結婚式の音楽をキューレーションするサイトでした。
会社でプロデュースする全国の結婚式における選曲データや結婚式を挙げたカップルへ独自にアンケートを行い、多くのデータを集め、それを集計しユーザーに結婚式の様々なシーンにおける選曲を行うことができるサイトとして構築していきました。
半年ほどコツコツと運営している中で、多くの新郎新婦の皆様からの支持をいただき、YAHOO！やGoogleにおいて「結婚式 曲」というキーワードで１位を取得。
気づいたら月間最大１７０万PVを記録する人気サイトに成長いたしました。
ラジオやTVの取材、そして集計データの利用の問い合わせなどが増えていきました。
現在はこのサイト内でオリジナルコンテンツも立ち上げました。
「ARTIST VOICE」と言って実際に結婚式に相応しい曲を私たちが独断と実際のデータを基に選出し、アーティストご本人にインタビューするという企画。
そしてそのアーティストが自他問わずオススメする結婚式ソングを、全国の新郎新婦の皆様にお届けする、という企画です。
多くのアーティストの方（三代目 J SOUL BROTHERSさん、絢香さん、ケツメイシさん、HYさん、HAN-KUNさん、Official髭男dismさんなど多数）に参加いただき反響を頂戴しました。
結婚式の曲というとてもニッチな領域ではありますが、ラブソングをこれほど真剣に選ぶという場は人生においても他になく音楽と真剣に関われるワンシーンなのではないかと密かに思っています。
WEB領域ではおそらく素人同然の私も「音楽」そして「結婚式」という得意領域の掛け合わせで誰かに喜んでもらえるイノベーションを起こせたのではないかと考えています。
まるで”化学反応”のようにAとBを加えると世の中で必要とされるイノベーションは起こせると私は考えています。
このnoteを読んだどなたかのイノベーションをそっと押せる文章となれば嬉しいです。
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