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ターゲットを絞る。それは創作的ではない

商品には必ずターゲットがある。
そしてそれは、創作物においても同じだ。
自由度の高い創作という行為にしても、それを誰かに買ってもらうためには、ターゲットを決め、適切なものを作らなければならない。

しかし、ターゲットを決めるというのは、本来は創作性を狭めるプロセスである。
なぜなら、ある限られた人にしか響かないものを創るということであるから。その瞬間に、クリエイティブは限定される。

それでもターゲットを絞るのは、その確実性のためだ。
創作という行為は、誰にとっても曖昧で正解がないように見える。だからせめて、対象をはっきりさせ、そこに届けるために創る、ということを私たちはしたくなるのである。

ターゲットを決めるということを、当たり前に考えてはいけない。
それは単に、商品として必要だからそうしているのである。
大切なのは、そうした結果、創作物にとってなにがメリットなのかを忘れないことだ。
つまり、ターゲットを絞ることによって、「限定された受け手に、より強く感動してもらえる」ことが、クリエイティブ的ターゲッティングのメリットである。

そういうことだから、このメリットを達成できるのであれば、ターゲットを絞るなどという制限を課す必要はない。
メリットのためにできる別のことがあるのなら、それを試してみるべきなのである。

それこそが、創作的であるということだろう。
商品だったとしても、クリエイティブは常に自由であるほうが、きっと楽しい。

創るものだけでなく、創ることそのものを、常に創造し続ける態度が必要なのだ。


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