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「○、~」のないキャラクターの方がいいと思う

「あ、そうなんですか」
「えっ、知らなかった〜」
「ほう、それは興味深いねぇ、詳しく聞かせてもらおうか」
「そ、それはさぁ、違うって言ってるじゃん?」

吃音セリフ

 これらは全て吃音だ。そうであると言いたい。どもりとか感嘆の声とかいろいろな表現はあるが、とにかく「○、~」。この構文で紡がれるキャラクターのセリフは全て、吃音で始まっていると言ってしまっていい。
 これは、少なくともキャラクターにおいては必要のないものだと思う。個人的に。なぜなら、魅力的でないからだ。実際の吃音がどうとかいう話ではなく、単にこれは、キャラクターのセリフとしては良いものとは言えないだろう。

 なぜ魅力的でないかというと、1つにはテンポが悪いからだ。つまり言葉が入ってきにくい。聞こうとしているのに余計な1文字目が入ろうとしてくる。でも聞きたいのはそれじゃない。セリフだ。感情のこもった内容である。「○、~」はそれを邪魔してくる。
 また、「○、~」には意味がない。一見したところ「おどおどした性格」「つい言いかけたという失敗」「思わず出た吐息」などを表現できるものだと思えるものの、それらはセリフにおいて、他の表現でもできることである。あるいはキャラクターの言動、設定、見た目、状況、状態などを示すことで、それは伝わる。
 むしろ、「○、~」のような短い表現で、それを示そうとするのは無理な話だと理解すべきである。「○、~」は簡単に表現できるがゆえに、多用されがちだ。でもそれはキャラクターを魅力的にしないし、掘り下げてくれるわけでもない。

 無駄な「○、~」はなしにした方がいいと思う。個人的に。でもそれが正解だと思っている。キャラクターを魅力的にするための1つ。「○、~」はいらないと、できる限り使わないように心したい。

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