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「セーヌ川の書店主」は幸福な瞬間があったことに気がつける処方箋

「セーヌ川の書店主」は幸福な瞬間があったことに気がつける処方箋

#セーヌ川の書店主  は、今までで、幸福だった瞬間を思い出すことができる本です。この本の主人公は、本を処方箋のように人におすすめするという特技があるが、まさにこの本自体が処方箋となっている気がした。巻末には、さまざまな「症状」に効果的な本の紹介があるので、本好きさんは一度読んでみて!また、プロバンスの美しい料理もこの本のアクセントになっている。巻末にレシピが載っているので要チェック!

パリのセーヌ

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「車輪の下」詰め込み教育、ダメ。絶対。(ちがう)

「車輪の下」詰め込み教育、ダメ。絶対。(ちがう)

ヘルマンヘッセの「車輪の下」読了しました〜。

ざっくりあらすじを解説すると、大人たちの圧力で車輪の下に轢かれてしまった(潰れてしまった)少年の話。

ヘッセが言いたかったことは、「ストップ詰め込み教育」では絶対にないと思うし、ましてや、嫌なことから逃げて、休んで、そのあと成功した!みたいな成功体験話でもない。現代人はそういった教訓めいた本を好むけど、そういった内容を期待して読む人の想像とはちょっ

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「海と山のオムレツ」南イタリア料理の描写がすごい!

「海と山のオムレツ」南イタリア料理の描写がすごい!

#海と山のオムレツ  は、南イタリアのご馳走が沢山出てくる。夕方にかけて読んでいたら、とてもとてもお腹が空いてきた。この小説の料理の描写は凄まじい。

南イタリアの村に生まれた主人公が、食べ物の記憶と共に大人になり、イタリアとドイツを行き来しながら幸せを噛み締め成長する。

イタリアというより、オスマン帝国から逃れたアルバニアの人たちが住み着く村であり、言語はイタリア語ではなく、アルバッシュ語を使う

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「ミッテランの帽子」フランスのお洒落な小説

「ミッテランの帽子」フランスのお洒落な小説

働いておらず、時間があるため本をたくさん読んでいる。今年すでに105冊目だ。今回はその中から1冊のおすすめ本を紹介する
#アントワーヌローラン #ミッテランの帽子  
この著者はおしゃれに、物語を作るのがすごく上手だと思う。

〈ストーリー〉
・フランス大統領の帽子を被った人に、どんどん良いことが起きていく話。

・あらゆるシュチュエーションで、帽子の所有者が変わって行くところも面白い。

〈感想

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「ストレス脳」誰も不安からは逃れられない

「ストレス脳」誰も不安からは逃れられない

「恵まれたニート」なのに、なんか不安。焦燥感。お金もあるし、時間もある。ストレスを感じる同僚も上司もいない。来月にはポケモンの最新作が発売されるし、推しを目当てに遠出する楽しみなイベントもある。

(ここでの恵まれたニートとは、時間もお金もあり、仕事をしていない状況を指す。筆者は現在、訳あってその状態にいる。)

なのに一体どうしてだろう?考え続けている間に、一冊の本にであった。「ストレス脳」とい

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