今後の麻雀界に天才は現れない



5年前に書いた記事について。

多分、ほとんどの人はよく意味がわからないのだろうと思った。
多少内容は被るけど、少し違った角度でnoteでもう一度書いていこう。

なぜ今後の麻雀界に天才は現れないのか?

まず、私の定義する天才は麻雀で驚異的な成績を残すわけではない。
あくまで特殊能力のように相手の手牌を透視する人たちだ。

これはオカルトとか勘とかの類ではない。
実際に天才は全てを見通す。

天才は戦術本を1冊も読んだことが無い

彼らは過去の一度も戦術本を読んだことがなく、全くデジタルな知識がない。
ピンフドラ1は鉄リーだとか、先制リーチに2シャンテン以下はベタオリするとかそういう明らかに期待値的には当たり前の事すら知らない。
故にガチデジタル勢と対峙すると負け越す事が多い。
しかし割と対等に戦うことができる。

それはなぜだろう?
まず、そのような天才が生まれるメカニズムを説明しよう。

天才は無から生まれる

昭和の打ち手のガチ強勢はもれなく、この天才タイプであった。
しかし最近はもう天才が生まれる気配がない。
それは何故だろうか?

それは読めば強くなれる戦術本がとても多いからだ。
もちろん初心者から中級者になるためには近道であるのは間違いない。
しかしそれによって失われる物は何だろうか?
それはズバリ、特殊能力の開眼だ。

例えば相手の癖読みに特化する能力だったり、相手の手牌推測であったり。

昔の天才達は戦術本がないからこそ、独学で勉強していた。
天牌の世界じゃないけど、例えば自分で麻雀牌を並べて研究したり、大半は意味のないいわゆるオカルト的なものではあるのだけど、各自が攻略しようと努力する結果、その中から数%の天才が生まれた。

わかりやすく言うと、もしあなたが麻雀を始めたときに戦術本を一切読むことを禁止され、『麻雀で勝つためには相手の癖を読む事』とだけ教えられて麻雀を打ったとしたらどうなるだろうか?
少なくともよく戦う相手のクセから待ち推測できるようになっているだろう。

今とは違った強さだ。

しかし現在はそのような環境に置かれることがほぼない。
麻雀界を見渡せば、戦術だのAIだの、牌効率だの。
堅苦しいお勉強ばかりだ。

だから今後はもう天才は現れないのかもしれない。

天才の素質があっても戦術本が全ての能力を奪う

戦術本を読む事で、戦術本の内容を暗記することが勝てる道と考えるようになってしまう。
まぁ実際にこれは正しいのだが・・・。

しかし近年、若者プロの中から突如としてスーパースターが生まれることがないのはこれによるものと考える。
結局の所、麻雀は暗記ゲームになってしまっているのだ。

強者の討論はディベートと言ってもよいかもしれない。

今の時代、データやAIも発達している中でそれに反する打牌はただの『下手くそ』認定されてしまうのだ。

そもそも天才ってどんな人たち?


記事の中にも書いてあるが、彼らは全てを見通す。

俺はたまたま天才の近くで勉強させてもらう機会が人生で多かったのだが、彼らは本当に別次元。

まず、長考が一切ない。
まぁもちろん早いリーチが入ったりしたら多少考えるのだが、並みの強者が迷うような終盤で考えることがほぼない。
それは常にすべてが見えているから考える必要もないのだ。

私の思う天才の思考パターン

まず、彼らは相手のツモ切り手出しや切り出し位置を全体像として記憶する。まるで映画のように麻雀の1局を見るのだ。
私たちは映画を見る時に「登場人物の名前や出来事を覚えなきゃ!」と思いながら見る人なんていない。
しかし自然と覚えてる。それと同じ。

そこにはストーリーがあり、全ての登場人物はそれぞれ影響し合う。

例えば
・6m8mと手出ししたから手が整っているのかな
・1sが右から3番目から出てきたけど、右2枚は何かな
そんなふうには絶対に考えない。
ただ眺めているだけ。
彼らはそれを記憶するのは無意識だから、あとから聞いても理論的には説明してくれない。
俺が天才達からよく聞いた言葉は、天才が放銃したときに、
『あ~、147m待ちか~』
とか
『雀頭がないリーチだよね』
とかそういうものが多かった。
これは俺が実際に20代前半の時に言われた言葉だ。
天才が俺に7mで放銃した瞬間に、
『あ~、7mまで待ちが伸びてるのかあ』
と言われた。
初めはあまり意味がわからなかったのだが、14mじゃなくて147m待ちなのかということだった。
もちろん俺は手牌を開ける前だ。
確かにそう読めるケースもあるのだが、彼らは的中率がただの読みとは段違いだ。ほぼ100%当ててくる。

また、もっとピンポイントに『今引いた牌○だよね?』と当てられることも多々ある。ただ、これについてはオカルト染みているし、ガン牌?って言われたら返す言葉もないので説明はしないでおく。

さいごに

今どうしてるんだろう、あの人たち。
私は過去3人の天才から勉強を学ばせてもらったが、彼らは全員もう麻雀をしていない。
1人は女性で結婚して家庭に入ったし、トレーダーとして数億稼いだ後、やっぱり他人に言える仕事しておかないとって言って普通に就職した人もいる。
もう一人は今は何をしているのかもわからない。けどマンション麻雀とかに顔を出していないらしいからおそらく引退しているだろう。

自分で戦術本を出しておいて言うのもあれだが、
今の時代、麻雀を強くなる過程がほぼ1つに決まってしまっている。

戦術本を読んでセオリーを覚える→実践→牌譜検討→読みを覚える

こんな感じかな。

ちょっと寂しい。

【追記】どうやったら天才に近づけるのだろう・・・

私のおススメは、ずばり、全てを80点でやろうとすること。
どうしても1カ所に集中してしまうことが多い麻雀だけど、その意識を捨ててぼんやりと。頭の中で音楽を流すようなイメージでリラックスして。

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