否定癖

新しく面白そうな映画が出たとしよう。
レビューを見るとどうしても☆5より☆1を意識して、見に行かない理由を探してしまう。

また、自分が一度も参加したことがないようなイベントに誘われた時。
私で言うと、アウトドアのスポーツやバーベキューなどであろうか。
スポーツは怪我の恐れがあるのでまだ合理的ではあるが、大勢の人と触れ合うことや娯楽・趣味に分類されるものを食わず嫌いのように拒否する思考の習慣はどこから来るのだろう?

『吟味する』と言えば聞こえは良いのだが、『チャレンジするストレスを避ける』場合がほとんどだろう。

こういう習慣は、自分に自信がなかったり、貧困層に多い。
ただ、私がまさにそのタイプなのでこの記事は自分への分析と戒めが今回のテーマでもある。

お金が無限にあれば何にでも挑戦するだろう

こういう物事を考える場合、極端な例で考えるのが一番わかりやすい。
もしあなたが資産100億円あったとしよう。
少し気になる映画は見に行くだろう。
また私の場合、苦手なアウトドアやバーベキューのような大勢で集まるイベントもお金があれば参加すると思う。
別につまらなかったら帰ったらよいし、その周辺で他の楽しい場所を見つけたらよい。
そう考えていくと、普段おっくうな思考というのは金銭的要因から作られる思考であるというのも間違いない事実だ。

逆にお金がないと?

逆にお金がないと、出掛ける場所でのストレスが大きくなる。
旅行に行ったとしよう。
食べ歩きするにしても300円~400円を何のストレスもなく出せるわけでもないし、ここでまた『吟味する』手間のかかる思考が発生してしまう。
お金が掛かるのが嫌!と直接的に思っているわけでなく、間接的に諸々のストレスが生じてしまうというわけだ。

私生活でどう活かすか

この思考の習慣は割とやっかいで、何でもかんでも否定していると、否定癖がついてしまう。
本来、否定しなくてもよい事まで欠点ばかりに目がいってしまう。
もちろん何も気にせずお金を使えるような人間なんて1%もいないだろうし、経験のために散財ばかりするのも決してよい考えとも言えない。
しかし新しい経験などは損得関係なしに参加するようにしたいところだ。

コスパという言葉が誕生するような時代

最近よくコスパという言葉を耳にする。
コストパフォーマンスという意味なのだが、これを意識しすぎては本当に人生が豊かにならない。

生産者側の企業が広告宣伝費がコスパに見合うか(費用対効果)という意味で分析し考えるのはごく自然なことであるが、これは私たち一消費者目線で考えた場合、ほぼ無意味なものであると言えよう。

回転寿司で玉子食べるやつは馬鹿のように原価を物差しにしても何の意味もない。私は常々言うが、原価でなく栄養の期待値ならまだわかる。
しかしコスパはだいたい原価率と同義で使われる。

原価200円のイクラが100円の回転寿司で回っていたら?

コスパや原価を意識する人たちはたくさん食べるのだろう。
しかし考えてみると、これは誰にとってプラスなのだろう?
もちろん誰のプラスにもなっていない。
目の前の企業に嫌がらせをしているに過ぎない。
もちろん自分にとってもイクラなど大量に食べて健康に良いわけもない。

コスパと栄養は楽しさと経験

今、少しわかりやすく回転寿司を例に例えたのだが、食ではなく体験においてはコスパは楽しさでなく、経験値で考えるべきだろう。
原価率=楽しさ
栄養=経験
と考えるとわかりやすい。

冒頭の映画の話をしよう。
あなたは映画を見て、あまり面白くなかった。
しかしこの”面白さ”はかなり曖昧なものだ。
映画評論家でもない限り、だいたいの場合『自分の望んだラストになっているか』で測られる。
もしくは『CGのクオリティが低い』などもあるかもしれない。
しかし映画を見て、それが自分の人生を豊かにするかどうかは否定癖が一番の障害となる。
例え自分は納得しなくても、”そこから何を得るか”だろう。
先ほど金持ちの話をしたが、これも貧乏人と金持ちでは受け取り方が違う。

せっかく1800円もお金を出して映画を見たのにつまらなかった
→ふぜけんな、金返せ⇒これが貧乏人の思考
→話のネタにしよう⇒これが成功者の思考

このようにそもそも体験の価値とは自分がどう活かしていくかに尽きる


【ボツ原稿】その他、同じ種類の例

女性に多い恋愛恐怖症のタイプ。
変な男と付き合って時間も精神も棒に振ったような期間が長いと、次から絶対に失敗したくないという心理が働き、出会っても相手の欠点ばかりに目が行ってしまう。これも『吟味する』という点では一概には否定できない。
しかしこじつけの欠点ではいけない。
最悪な元彼と同じ趣味だったようなケースがこれにあたる。経験から学ぶ気持ちがあるとはいえ、かなり少ないサンプルから拒否するには少々もったいないと言わざるを得ないだろう。

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