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2月10日 読書会報告

川口市出身の自称読書家 川口竜也です!

2024年2月10日の午後に開催した「東京読書倶楽部」読書会の報告です!

この日は新規の方が2名、リピーターが5名の合計8名で神保町散策×読書会。

アウトプットが苦手で、最初こそ想定以上に「本ガチ勢」ばかりで場違い感を覚えていたけれども、皆さんの話しやすい雰囲気作りのおかげで、後半は少し話しやすくなりましたと返信をいただきました(*^^*)

人間、生きていると悩みは尽きませんが、だからこそ、小説や文学、あるいは哲学などを通じて、ふっと心が軽くなるような言葉に巡り合うのです。

紹介して頂いた本

読書会終了後に撮影

原田マハ「奇跡の人」双葉社

時は明治の日本、まだ家柄やお家元が重視された時代に生まれた介良れんさんは、目が見えず、耳も聞こえなかった。その子の教育係として招待された去場安は、困難な彼女の境遇から救い出そうと決心する。

ヘレン・ケラーをオマージュした作品だが、時代が違えば当然障害に対する境遇や扱いも異なる。私たちはヘレン・ケラーを知っているからこそ考えられることも、当時はいわゆる「前例」がないわけで。

それでも手を差し伸べるというサリバン先生(去場安)の心境って、どんなのだったのかな。そんな原田マハさん的ヘレン・ケラーの解釈とも取れそう。

西加奈子「舞台」講談社

愛読書が「人間失格」というほど自意識過剰な主人公。亡き父の遺産を元手にニューヨークへ旅するのだが、セントラルパークで有り金とパスポート全て奪われ無一文に。貧乏旅行でありながら自分探しの旅へ。

物語の後半、かつて自爆テロが起きたワールドトレードセンターにて、亡き父の亡霊と邂逅する。完璧人間である父に対して反抗心、劣等感を覚えていた主人公も、父の亡霊との対話を通じてコンプレックスを解消する。

周囲の状況が変わると、自分も変わらなければならない、弱い部分を克服しなければならないと思い悩む時はある。だけど、今は弱い自分であっても良いんだって、そう思うんだ。

古内一絵「山亭ミアキス」KADOKAWA

人間に化けた猫たちが給仕する「山亭ミアキス」には、心に悩みがある人間だけが訪れることができるという。最初こそ、いわゆる化け猫たちに恐れ慄くこともあるけれども、最後にはその悩みも解消されるという。

紹介者自身、自分と同じ境遇の主人公や仲間を探すために小説を読んでいるそうで、残念ながらこの本には私の悩みに合致する人はいなかったが、それでも読後はほっこりしたそうです。

平野啓一郎「私はと何か『個人』から『分人』へ」講談社

本当の自分って何だろう。個人は英語で"individual"だが、これは「分かつことの出来ない」という、神様と個人を前提とした考え方らしい。でも、その考え方に生きづらさを感じる方も多いと思われる。

それ故の「分人主義」。誰かに対峙している時の自分は、それぞれ違うように感じるけれども、その一人ひとりが自分なのであって肯定すべき。

でも、相手によって自分の振る舞い方が変わるのであるならば、自分はどんな状態であるのが幸せなのか、自分が大切にしているものに向き合うのも大事なのかもしれないね。

鳥原隆志「一生使える仕事の基本」大和出版

この本のテーマは「ご縁」。偶然性と必然性が結びついた言葉だが、ご縁というものは意識して作るものでもないし、偶然にできるものでもないと思う。だからこそ、そのバランスが大事なのではないかと。

実際に、イベントで人に会っても深く付き合える人は少ないわけで、自分からご縁を紡ごうと思わないとすぐ切れてしまう。仕事の基本ってのは、細くても深い関係を紡ぐことなんじゃないかと、この本から学んだ。

横山光輝「項羽と劉邦」潮出版社

紀元前の中国は、楚漢戦争時代に活躍した「西楚の覇王」の項羽と、後の前漢の初代皇帝となる劉邦の人生を辿る。性格も境遇、身分も全く異なる2人だからこそ、その人柄に惹かれる気持ちがわかる。

ちなみに、学校で習ったであろう「四面楚歌」や「背水の陣」、「虞美人草」なんかも楚漢戦争時代に生まれた言葉や漢詩。賢者は歴史に学ぶというが、ある程度人間の行動パターンは変わらないかもね。

香月美夜「本好きの下剋上」TOブックス

本の虫である女子大生の主人公は、地震により(念願だった)本棚に潰されて死んでしまう。目が覚めると、中世のような世界で病弱な女の子として転生する。だが困ったことに、その世界には文字(本)がなかった。

この本が好きすぎて、もう10回以上全編通して読み返しているという紹介者。いわゆる異世界転生物の走り出しではなるが、何よりこの本のテーマは「家族愛」であることが、出版社も下剋上できた理由なのではないかと。

2月の読書会スケジュール

2月17日(土) 10:00~12:00
朝活×読書会 → 満員御礼!!!
2月17日(土) 13:00~17:00
文学×ボードゲーム会 → 満員御礼!!!
2月23日(金) 19:00~22:00
飲み有り読書会 BOOK & BOOZE! → 5名募集中!

ご興味ありましたら、コメントや各種告知ページにて是非お待ちしております!

皆様に会えるのを心よりお待ちしております(*^^*)

今日もお読みいただきありがとうございました。いただいたサポートは、東京読書倶楽部の運営費に使わせていただきます。