深読みができない人
川口市出身の自称読書家 川口竜也です!
先日知り合いから、私も川口君のように本が読めるようになりたいと伺った。
私のようにとはどんな意味かと聞いたら、文字を追うのではなく、行間を読めるようになりたいという。きっと川口君は国語のテストの点が良かったのだろうと。
自慢ではないが、現国の試験はすこぶる苦手である。著者の考えていることなんて知らんがなと、頭をひねっていた。
かつて現国の試験で「深読みしすぎて間違えた」と言い訳する時があった。
深読みとは”他人の言動・表現などの意味を本人の意図しない所まで深く汲み取ろうとすること”という意味がある(広辞苑 第六版より)。
著者の意図以上に読み込んでしまい、回答を間違えた。試験としては減点であるが、読書をより楽しむという点では、深読みもまた一つの読書の手法である。
先日読み終えたのが、小池陽慈さんの「"深読み"の技術」笠間書院 (2021)。一つひとつの言葉の意味や背景を汲み取る、難解な本に挑むための読み取り方が記されている。
深読みするためには①語彙 ②教科書的な知識 ③学術的な知識 ④同時代言説の知識の4つが必要であるという。
例えば①の語彙で言えば、古文や英文同様、単語を知らないことには文章の意味を捉えきることはできない。だから分からない言葉があれば、逐一辞書で調べてみることが大切だという。
これらのポイントを意識して、著者の意図を深読みする。著書がそのような作品や表現をした「論理」を汲み取る。ここで言う論理とは、著者は下記のように定義している。
現国の試験でも著者の伝えたいことを要約せよという問題がある。これで点数が取れない人の例として、「大切そうなところ」を拾って書き写す。正直私もよくやっていた。
著者がこのような結論を導いたことを、文脈や言葉の一つひとつから導き出す。以前私に「本当に読んだんですか?」とコメントした方も、おそらくこのように読んでいるのだろう。
ただ小池さんの本を読んで、深読みって確かにできればすごく面白そうだけれども、正直面倒くさい。M.J.アドラーの「本を読む本」ではないが、体得するには根気と忍耐力が必要だなと思った。
すべての本で深読みする必要はないけれども、歴史や哲学などの教養に関する本を読む時には、意識してみたいと思った次第。
ただ、深読みのスキルを体得するには、干支を一周してしまう可能性もある。それではまた次回!
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