河瀬大作
「突撃 カネオくん」「あさイチ」「おやすみ日本」「アナザーストーリーズ」など数々の番組を手がけてきたプロデューサーの仕事術。考え方を変えれば世界はかわる。嫌われる勇気と愛される理由。明日からのあなたの仕事を面白くするために。
時には世界の果てまでも。見知らぬ場所に行き、見知らぬグルメに舌鼓をうち、見知らぬ人に出会う。傍にはいつもカメラ。そんな旅を記録していきます。
人の笑顔のために、日々はたらくプロデューサーの日々日記。写真を撮りながら、旅するように。
bayfmで毎週火曜16-19時でオンエアしている鈴木おさむさんの「シンラジオ」。週替わりパートナーとして参加している回をアーカイブ。トップの写真は、写真家の幡野広志さんにご出演いただいた時に撮っていただいたものです。
火事にあわれた方を取材し、記事にまとめて発信していきます。集まったサポートは被災した方の支援のために使わせいただきます。
誰にでもおきる可能性があります。あるサイトによると、住宅火災が起きる確率は、0.024%なんだそうです。確率はあくまで確率。火事の当事者になれば、その瞬間から人生が大転換します。何をしていいのか、まったくわからないほど混乱します。そして、助けになる情報はほとんどありません。だから僕の場合、何がどうだったのかをできる限り具体的に記しておきます。家はほぼ全焼でしたが、近隣への延焼はほぼなく死傷者もありませんでした。不幸中の幸いでした。 この記事を読んでくださった皆さんにお願い
先週、東北へとでかける用事があった。週末をひっかければぽっかり1日余裕がつくれる。ずっと気がかりだった被災地に足を運んでみようと思った。よく晴れた土曜の朝、仙台からレンタカーで気仙沼を目指した。 いまから12年前の3月11日、ぼくは東京の自宅にいた。家が壊れてしまうかと思うほど揺れた。それから数時間後、原付でNHKへ向かった。当時、僕はクローズアップ現代のプロデューサーだった。いてもたってもいられなかった。道路は大渋滞していて、電車も止まっていた。家に帰るために大勢の人
最近、どうもやる気がでないのは、あの上司のせいかもしれない。それとも社長がかわって会社の方針が変わったこともあるのかな。いや最近、外食ばっかりで食物繊維が足りてなくて腸内環境が整っていないからかな。 そんな時は、温泉にでも行って「やる気」を取り戻そうとか、ヤクルト飲んで腸内環境ととのえようとか、いろいろ考えますよね。 もちろん外的な要因によって、モチベーションは大きく変わることもあります。でも果たして、それだけでしょうか。 脳科学者の茂木健一郎さんは、「やる気がで
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NHKから独立して半年。なにをする人なのか、わからなくなるくらいいろんな仕事をさせてもらっています。テレビの仕事はもちろんのこと、コンサル的な仕事、プロジェクトのプロデュース、SNSの運営のお手伝い、はたまたYoutuberみたいなことまで、実に幅広いことに関わらせていただいています。 仕事は、いつも突然やってきます。「こんなことを頼んだりできますか?」とお問合せをいただくのです。そのほとんどが友人知人がらみです。心底、ありがたいかぎりです。 先日、ひさしぶりにあ
毎回、話をお聞きしたい人を招いている、bayfmの「シンラジオ」。2022年11月26日の放送は、日本テレビを辞めたばかりの土屋敏男さんがゲストでした。冒頭からとばしまくる土屋さんの出演回はこちらから聞けます。 いきなりですが、そもそもぼくが、bayfmのシンラジオに出るきっかけを作ってくれたのは、T部長こと土屋敏男さんなんです。 土屋さんが、鈴木おさむさんとご飯を食べる予定があり、その場に誘ってくれたんですね。 2021年11月16日、よく晴れた月の綺麗な夜でした
思い立って、京都へといってきた。発作的に行きたくなるのが京都だ。あの歴史と地続きの街に浸るだけで、ゆったりとした気持ちになる。その週末、日本海側で大雪が心配されたが、思い立ったら止められない。あの人にも会えるなぁ。ウォーホル展もみなきゃ。鴨川のランニングも魅力的だなぁ。脳内ではもう京都はんなり散歩状態だ。 えい、と心を決め、新幹線に飛び乗った。 京都は極寒だった。さすが盆地。今年一番の冷え込みだという。街ゆく人はダウンにマフラー、ニット帽子を深々とかぶって完全防備で
先日、若いディレクターからこんな悩みを聞いた。 「日常に忙殺されて、やりたいことができていない」 こなさなければならない仕事が膨大にあり、それで手一杯になってしまうので、自分がやりたいことができていないことに悶々としているという。やりたいことって、なんなんでしょうね。特に「仕事」のなかでやりたいことって、難しいですよね。 「あなたのやりたいことはなんですか」 これは企画を立てたり、コンテンツを作ったり、という仕事であれば、常に問われる設問です。 丹念な取
鈴木おさむさんとご一緒させていただいているシンラジオ、12月27日放送のゲストは、堀井美香さん。河瀬のたっての希望でゲストをお願いしました。 堀井さんを知ったのは、TBSラジオの「久米宏のラジオなんですけど」。そのあっけらかんとした笑い声の虜になったのだが、その番組が終わってしまい、それからは堀井さんの出演するラジオを探して聞くように。やがて「生活は踊る」に辿り着き、ジェーン・スーさんとの絶妙のコンビに毎週金曜にワクワクして聞いていたら、こちらもまさかの堀井さんの出演が変
対馬と聞いて何を思い浮かべるだろう。そう、あの壱岐対馬の対馬だ。釜山をのぞむ韓国に最も近い島、それとも司馬遼太郎の「街道を行く」、それとも絶滅危惧種のツシマヤマネコだろうか。 ひょんなことから対馬にいくことになった。きっかけは、EkidenNewsの西本さんだった。 「河瀬さん、対馬には平坦な土地がほとんどないらしいんです。ヒルクライムが好きな河瀬さんには最高の場所じゃないですか。陸上競技関連の仕事で行んですけど、ロードバイクをもって一緒に行きません?」 僕にはい
この季節になると、おじさんがやってしまいがちな言説がある。 「おれたちの若い頃はだなぁ」っていうアレである。 今でこそ、忘年会とかかなり減ったし、上司と飲みにいくなんてことあまりないと思うけれど、昔はこの時期になると、おじさんの武勇伝がそこかしこで聞かれた。本当の武勇伝なら、面白いのだが、普段は部長にペコペコしているようなおじさんが、お酒を飲んで気が大きくなったのか、世界を救ったスーパーヒーローばりの武勇伝を語ってしまう現場に何度もたちあった。 愛おしい気持ちすら湧く
はたらくことには、「身の丈」みたいな考え方があります。この仕事は君には早いよ、とか、もっと経験を積めばわかるよ、とか、上司や先輩からいわれたことありますよね。 でも、これって本当にそうなんだろうか。 もちろんその仕事において、最低限求められるスキルというものはあります。その習熟なしにできない仕事はたくさんあります。 しかしその一方で、「身の丈」のなかにいつづけても成長できません。思い切って大きなジャンプをしたときに、人は飛躍的に成長します。 ぼくは長らくドキ
趣味はなんですか?って昭和の時代にはよく聞かれた。平凡とか明星とかのアイドル雑誌にも、身長体重出生地などと並んで趣味ってのが必ずあって、田原俊彦も中森明菜も、趣味を披歴していた。しかしそんなにバリエーションがあるわけではないから、音楽鑑賞とか、映画鑑賞とか、読書とか、ギターを弾くとか、ほとんど記憶に残らないものだった。そもそもそれは趣味ではなく、教養ではないのか、という根本的な疑問もありながらも、それを無視するほどの勇気もなかったぼくは、趣味を問われるたびに、やれやれと思い
会社に入るまで使ったことがなかった言葉のひとつに、「気色ばむ」がある。荒ぶった感情をあらわにする、という意味だが、「怒る」という言葉とも少しニュアンスが違います。 「さっきの会議で、部長、気色ばんでたよねー」 「ちょっとやな感じだったよね」 「ほんと。やだよね。ああいうの」 こそこそっと、しかもニヤニヤしながら使われることが多かったです。必死になっている様を冷ややかにみている感じのニュアンスの言葉です。 気色ばんだりするとき、人は強い言葉を使いがちです。 強い
FUKKO DESIGN代表理事の河瀬です。火事にあった人の話をお聞きし、まとめる活動をしています。今回は、隣の家からの延焼で、自宅が全焼してしまったご家族のお話です。 noteがつないだご縁 はじまりは、このnoteでした。ぼくの書いた記事に、こんなコメントをいただきました。 このメッセージを送ってくれたのは京都にお住まいの小佐直寛さん。とても心を動かされました。オリンピックも終わり、感染がやや下火になった2021年の秋、おふたりと会うために京都へと向かいま