河瀬大作

NHK → 株式会社Days 代表。よりよい世界をつくる。プロデューサー「突撃 カネオくん」… もっとみる

河瀬大作

NHK → 株式会社Days 代表。よりよい世界をつくる。プロデューサー「突撃 カネオくん」「ズームバック×オチアイ」「おやすみ日本」。「FUKKO DESIGN」代表理事。「design-DesignMuseum」理事。https://daysinc.jp

マガジン

  • プロデューサー 仕事の流儀

    「突撃 カネオくん」「あさイチ」「おやすみ日本」「アナザーストーリーズ」など数々の番組を手がけてきたプロデューサーの仕事術。考え方を変えれば世界はかわる。嫌われる勇気と愛される理由。明日からのあなたの仕事を面白くするために。

  • シンラジオ 鈴木おさむ×河瀬大作 アーカイブ

    bayfmで毎週火曜16-19時でオンエアしている鈴木おさむさんの「シンラジオ」。週替わりパートナーとして参加している回をアーカイブ。トップの写真は、写真家の幡野広志さんにご出演いただいた時に撮っていただいたものです。

  • 暮らすように旅をしたい

    時には世界の果てまでも。見知らぬ場所に行き、見知らぬグルメに舌鼓をうち、見知らぬ人に出会う。傍にはいつもカメラ。そんな旅を記録していきます。

  • FUKKO DESIGNはこんなことしてます。

    • 80本

    被災地の復興支援を考える団体「FUKKO DESIGN」の活動記録です。

  • 東京日々日記

    人の笑顔のために、日々はたらくプロデューサーの日々日記。写真を撮りながら、旅するように。

記事一覧

固定された記事

もし火事にあったなら、読んでほしい。

 誰にでもおきる可能性があります。あるサイトによると、住宅火災が起きる確率は、0.024%なんだそうです。確率はあくまで確率。火事の当事者になれば、その瞬間から人生が…

河瀬大作
3年前
1,487

ランニングなんて続けられない。

 継続は力なり、ってわかっているけれど、ずっと続けることって、ほんと難しい。いや不可能だと思う。走れない理由は山のようにある。暑すぎる。寒すぎる。眠すぎる。ダル…

500
河瀬大作
7日前
6

あの頃、彼と出会っていなければ、ぼくの人生は全く違っていただろう(無料記事)

 人には、人生を変える出会いがある。  それは恩師だったり、ライバルだったり、伴侶となる異性だったりする。星野リゾートの社長、星野佳路さんは、ぼくの人生を大きく…

河瀬大作
12日前
27

汗をドバドバかきながら食べた、秋田のレバニラが忘れらない。

 旅の印象を決定的に左右するもの、それは食事である。なにを食べたかで、その土地の印象はガラリと変わってしまう。この夏、旅先で食べたモノのなかでは、秋田で食べたレ…

河瀬大作
2週間前
136

はだかの王様

 4年前のことだが、あるプロジェクトを手伝ってほしいと呼ばれ、打ち合わせに参加した。参加者は4人。その部署を統括する部長が、ひとり熱弁を振うミーティングだった。…

500
河瀬大作
4週間前
21

東京で、父とうなぎを食べた。

 父と母をつれて、うなぎを食べにいった。愛知に住む2人が、十数年ぶりに東京に出てきたからだ。かなり奮発した。目が飛び出るような値段だった。だんだん食が細くなって…

河瀬大作
2か月前
192

なぜ、あの人の仕事は面白いのか。

 仕事柄、いわゆる”モノを作る人”にたくさん出会う。今、ぼくの仕事はプロデューサーなので、自分でモノを作る訳ではない。企画を立て、予算を確保し、スタッフを集め、…

500
河瀬大作
2か月前
28

どこで働くかは、ちゃんと考えたほうがいい。

 GoogleやMicrosoft、Metaなど、世界を席巻したグローバル企業が、軒並み難しい状況にある。ネット企業の成長に限界はないとことが「幻想」だったという当たり前のことに…

500
河瀬大作
2か月前
3

プロであるということ。(無料記事)

 先日、ジャーナリストの長野智子さんの番組「テレビなラジオ」に呼んでいただいた。Audeeで配信されている音声コンテンツだ。  過去には、元日本テレビの土屋敏男さん…

河瀬大作
3か月前
27

人生を変える旅。

 人生を変える旅がある。こう書くと大袈裟かもしれない。  身体中の細胞がザワついて、恋をしている中学生のように、気持ちが高まってしまう。その後の人生を変えてしま…

河瀬大作
3か月前
50

忙しいと後回しにしがちだけど、大切なこと。

 仕事にのめり込みすぎちゃうと、いろいろ後回しにしがちですよね。爪を切るとか、お風呂にはいるとか、きちんとしたご飯を食べるとか、本来とても大切なことなのに、めん…

300
河瀬大作
3か月前
22

かわせのおっちゃん。

 その日は朝からずっとソワソワしていた。  ホテルから京都駅へと向かうタクシーのなかで、運転手さんと噛み合わない会話をしながら、最初はなんて声をかけようかとか、…

河瀬大作
4か月前
51

漫画が今、活況であるワケ

 今、漫画が本当に面白いですよね。  チェンソーマン、呪術廻戦、SPY×FAMILY、鬼滅の刃、そして推しの子など、次々とヒットタイトルが生まれている。スラムダンクもア…

河瀬大作
4か月前
191

おもしろい人たちに共通していること。 

 おもしろい仕事をしている人っていますよね。彼らはなぜそんなにおもしろいことを考えることができたりするんだろうって、ずっと考えています。  タレントさんだけじゃ…

300
河瀬大作
4か月前
18

いつの日か、あの対馬を、たくさんのサイクリストたちと走ってみたい。

 今年に入ってすぐの頃、長崎・対馬の観光物産協会の阿比留さんからメッセージが届いた。「春先にロードバイクを乗りに対馬に来ませんか」というお誘い。去年12月にも対馬…

河瀬大作
5か月前
16

見せる努力と、見えない努力。

 最近、「タイパ」という言葉をよく聞きます。タイ料理を食べるパーティのことではありません。「タイムパフォーマンス」、つまり時間効率がよいことをいうらしいです。 …

300
河瀬大作
5か月前
9
もし火事にあったなら、読んでほしい。

もし火事にあったなら、読んでほしい。

 誰にでもおきる可能性があります。あるサイトによると、住宅火災が起きる確率は、0.024%なんだそうです。確率はあくまで確率。火事の当事者になれば、その瞬間から人生が大転換します。何をしていいのか、まったくわからないほど混乱します。そして、助けになる情報はほとんどありません。だから僕の場合、何がどうだったのかをできる限り具体的に記しておきます。家はほぼ全焼でしたが、近隣への延焼はほぼなく死傷者もあ

もっとみる
ランニングなんて続けられない。

ランニングなんて続けられない。

 継続は力なり、ってわかっているけれど、ずっと続けることって、ほんと難しい。いや不可能だと思う。走れない理由は山のようにある。暑すぎる。寒すぎる。眠すぎる。ダルすぎる。忙しすぎる。血と骨を書いたのは、ヤンソギル。

 年をとるごとに、走り始めがつらくなっている。40代後半ぐらいからだろうか、スピードもどんどん落ちていく。早く走れないから無理をする。つらいから走らなくなる。これの繰り返しだ。

 ぼ

もっとみる
あの頃、彼と出会っていなければ、ぼくの人生は全く違っていただろう(無料記事)

あの頃、彼と出会っていなければ、ぼくの人生は全く違っていただろう(無料記事)

 人には、人生を変える出会いがある。

 それは恩師だったり、ライバルだったり、伴侶となる異性だったりする。星野リゾートの社長、星野佳路さんは、ぼくの人生を大きく変えた一人だ。いつも笑顔で、誰に対しても丁寧で、そしてどんな時も明晰な人だ。

 そんな星野さんを招いての、bayfmのシンラジオ。いつもより早く幕張に向かった。星野さんを出迎えたかったからだ。bayfmに着いて、駐車場に車を停めると、後

もっとみる
汗をドバドバかきながら食べた、秋田のレバニラが忘れらない。

汗をドバドバかきながら食べた、秋田のレバニラが忘れらない。

 旅の印象を決定的に左右するもの、それは食事である。なにを食べたかで、その土地の印象はガラリと変わってしまう。この夏、旅先で食べたモノのなかでは、秋田で食べたレバニラが圧倒的だった。正確にいえば、あのレバニラを食した、あの店での出来事すべてがとんでもなかった。

 これまで秋田とはほとんどご縁がなかった。知っていることといえば、きりたんぽとあきたこまちと壇蜜となまはげ。あまりの無知さに、「わるい子

もっとみる
はだかの王様

はだかの王様

 4年前のことだが、あるプロジェクトを手伝ってほしいと呼ばれ、打ち合わせに参加した。参加者は4人。その部署を統括する部長が、ひとり熱弁を振うミーティングだった。やれやれ、これは打ち合わせというよりは、独演会だな、そう思いながらぼくはリュックからパソコンを取り出した。大事なことをメモしようと思ったからだ。
 その人の話を聞きながら、パチパチとキーボードを打っていると、その人が突然、怒鳴り出した。

もっとみる
東京で、父とうなぎを食べた。

東京で、父とうなぎを食べた。

 父と母をつれて、うなぎを食べにいった。愛知に住む2人が、十数年ぶりに東京に出てきたからだ。かなり奮発した。目が飛び出るような値段だった。だんだん食が細くなっているという父だが、この日はぺろりと平らげた。ニコニコしながらうなぎを口に運ぶ父の姿を見ながら、あと何回、こうして一緒に食事をすることができるだろう、そんなことを考えていた。

 ぼくは、ずっと父が苦手だった。頑固で、強い人だった。若い頃はよ

もっとみる
なぜ、あの人の仕事は面白いのか。

なぜ、あの人の仕事は面白いのか。

 仕事柄、いわゆる”モノを作る人”にたくさん出会う。今、ぼくの仕事はプロデューサーなので、自分でモノを作る訳ではない。企画を立て、予算を確保し、スタッフを集め、コンテンツを作る、それが仕事だ。

 どんなスタッフにお願いするかで、プロジェクトの成否は大きく変わる。それがすべてだといってもいい。テレビの場合であれば、ディレクターがその中心だ。それが誰になるかによって、当たり前の話だが、出来上がるもの

もっとみる
どこで働くかは、ちゃんと考えたほうがいい。

どこで働くかは、ちゃんと考えたほうがいい。

 GoogleやMicrosoft、Metaなど、世界を席巻したグローバル企業が、軒並み難しい状況にある。ネット企業の成長に限界はないとことが「幻想」だったという当たり前のことに多くの人が気づいた。
 
 この状況は、ぼくらが「働き方」を考える上で、大切な命題をつきつけている。大英帝国の時代に、株式会社というものができてから、信じられてきた概念が根底から揺らいでいるように思う。

もっとみる
プロであるということ。(無料記事)

プロであるということ。(無料記事)

 先日、ジャーナリストの長野智子さんの番組「テレビなラジオ」に呼んでいただいた。Audeeで配信されている音声コンテンツだ。

 過去には、元日本テレビの土屋敏男さん、吉川圭三さん、そしてNHKの後輩である神原一光さんなどがゲストとして出演している。

 収録は金曜の夕方。その日は都内を仕事で転々としており、移動時間に、土屋敏男さんの回を聞いた。いい具合に力の抜けたトークが心地よい。番組の冒頭、ゲ

もっとみる
人生を変える旅。

人生を変える旅。

 人生を変える旅がある。こう書くと大袈裟かもしれない。

 身体中の細胞がザワついて、恋をしている中学生のように、気持ちが高まってしまう。その後の人生を変えてしまう力を持つ。そんな特別な旅がある。

 印象的な旅は沢山ある。

 作家の浅生鴨さんといったロンドンでは、airbnbに泥棒に入られた。ラスベガスではairPodsをホテルに忘れ、位置情報ではそこにあるのがわかっているのに、取りに帰る時間

もっとみる
忙しいと後回しにしがちだけど、大切なこと。

忙しいと後回しにしがちだけど、大切なこと。

 仕事にのめり込みすぎちゃうと、いろいろ後回しにしがちですよね。爪を切るとか、お風呂にはいるとか、きちんとしたご飯を食べるとか、本来とても大切なことなのに、めんどくさいって思っちゃう。

 「プロフェッショナル仕事の流儀」の立ち上げをやっていた30代半、寝食を忘れて仕事してました。編集ともなれば、明け方まで毎日のように編集室に篭ることも少なくなかったです。編集室のソファとか、会議室の椅子を3つ並べ

もっとみる
かわせのおっちゃん。

かわせのおっちゃん。

 その日は朝からずっとソワソワしていた。

 ホテルから京都駅へと向かうタクシーのなかで、運転手さんと噛み合わない会話をしながら、最初はなんて声をかけようかとか、お土産をなんといって渡そうか、とか、そんなことを考えていた。

 その日、訪ねるのは、小佐直寛さん、奈々さん家族だ。

 2020年、小佐さんの家は、隣家からのもらい火で全焼した。その直後に、ぼくの書いたnote「家が火事になりました」を

もっとみる
漫画が今、活況であるワケ

漫画が今、活況であるワケ

 今、漫画が本当に面白いですよね。

 チェンソーマン、呪術廻戦、SPY×FAMILY、鬼滅の刃、そして推しの子など、次々とヒットタイトルが生まれている。スラムダンクもアニメとして今年、日本中のおっさんを沸かせた。UFOキャッチャーでもキャラクターフィギュアが大人気。海外でもMANGAファンは増え続けていて、去年アゼルバイジャンに行った時にも、現地の若者との共通の話題はもっぱら、アニメだった。

もっとみる
おもしろい人たちに共通していること。 

おもしろい人たちに共通していること。 

 おもしろい仕事をしている人っていますよね。彼らはなぜそんなにおもしろいことを考えることができたりするんだろうって、ずっと考えています。

 タレントさんだけじゃなくて、テレビのプロデューサーとか本の編集者とか、いわゆる裏方も最近は、メディアに露出したりすることも少なくありません。いまは「オレオレ」の時代なので、出たがりさんもいっぱいいて、そんな人たちも玉石混交なんだけど、本当におもしろい仕事をど

もっとみる
いつの日か、あの対馬を、たくさんのサイクリストたちと走ってみたい。

いつの日か、あの対馬を、たくさんのサイクリストたちと走ってみたい。

 今年に入ってすぐの頃、長崎・対馬の観光物産協会の阿比留さんからメッセージが届いた。「春先にロードバイクを乗りに対馬に来ませんか」というお誘い。去年12月にも対馬でライドをしたのだが、時間が足りず心残りもあった。そして何より早春の対馬、さぞかし美しいであろう。想像するだけで、大腿四頭筋が武者震いする。即レスで「行きます」とお返事した。

 3月末の金曜日、羽田空港はごった返していた。カウンターは長

もっとみる
見せる努力と、見えない努力。

見せる努力と、見えない努力。

 最近、「タイパ」という言葉をよく聞きます。タイ料理を食べるパーティのことではありません。「タイムパフォーマンス」、つまり時間効率がよいことをいうらしいです。
 あらゆる場所で「効率」といわれます。最小の工数で、最大の成果を上げることが良しとされる。それはそれで大事なことです。しかしこれがその人の「見せ方」みたいな話になってくると、ん?と思うようなことがでてきます。

 SNSの発達により、誰もが

もっとみる