コミュニティをデザインするとは?
こんにちは!シェア買いアプリ「カウシェ」です。
今回は、シェア買いアプリを提供する「カウシェ」 × Web3時代のファンプラットフォームを構築する「Gaudiy」とのコラボnoteです。
コラボのきっかけは、両社の事業における「コミュニティ形成」という共通点。
GaudiyのエンタメIPを起点としたコミュニティ事業と、カウシェのお買い物を起点にしたコミュニティ形成を見据えた事業では、どのような違いがあるのでしょうか。
両社が考えるコミュニティとはなにか、「コミュニティをデザインする」とはどういうことなのか、ぜひ最後まで読んでいただけたら嬉しいです。
このnoteで分かること
それぞれの企業が目指すコミュニティの形
「コミュニティをデザインする」とはどういうことか
スタートアップにおいて、デザインがどういった部分で重視されるのか
自己紹介
それぞれにとっての「コミュニティ」とは?
そもそも、一般的に言われるコミュニティの定義とは何でしょうか?
要するに「共通の目的や利益を求めて交流を行う場やつながり」と考えられます。
これを踏まえた上で、カウシェとGaudiyではコミュニティをどのように考えているのでしょうか?
カウシェの定義
Kana:カウシェはソーシャルECと呼ばれるジャンルで、「シェア買い」という、誰かと一緒にお買い物ができるサービスを運営しています。そのため、カウシェには、お買い物を通してお客様同士のつながりが存在しています。
その上で、カウシェの目指すコミュニティはどちらかというと「クラスタ」に近い形かもしれません。
お買い物という目的を通じて小さな単位の「お買い物グラフ」を形成し、それが次第に大きくなり、お買い物クラスタを形成していきたいと考えています。
Gaudiyの定義
TORAJIRO:Gaudiyは「共感するものや目的にファンが集い、その実現や価値向上のために自律分散的に活動し、個々の価値貢献に対してフェアにインセンティブが還元される」世界における、コミュニティの上に経済圏が成り立つファンエコノミー(コミュニティ)を目指しています。
根本としてGaudiyには「人は誰しもイノベイティブである」という哲学と、「ファンと共に、時代を進める」というミッションがあります。
僕らのコミュニティでは「ファン主体で活動を行える場」を作っているため、ファンクラブのような形式とは違うN対Nのオープンなコミュニティと言えます。
Kana:ここで言う「目的にファンが集う」の「目的」の根幹って、どういうものがあるんでしょうか?
TORAJIRO:ユーザー自身の参加目的は、IPのジャンルやユーザーセグメントによっても異なるのですが、大まかに分類すると「同じファンという共通点を通してコミュニケーションしたい人(外交的)」と「好きなIPの世界観に没頭したい(内向的)」に分類できます。
それぞれの層に共通するのは「同じIPが好き」という点なので、コミュニティとしての目的の根幹は「よりIPを盛り上げること」だと考えています。
コミュニティを作ることは簡単ではない
過去の実体験エピソード
過去にもコミュニティを創り出すための施策を行ったことがある二人。
もちろん最初から成功だったわけではなく、失敗を重ねて今に繋げています。
——お二人は過去にどんな施策を行っていたのでしょうか?
Kana:私は前職のプロダクトで、とある目的を持った見知らぬ人同士が集まって10人程度のクローズドなグループを作り、チャットで目的達成を目指すというサービスを作ったことがありました。
1ヶ月程度の検証期間を経て、良い結果が出たためリリースすることになったのですが、いざリリースしてみると上手くいかず、「検証の時とユーザーの熱量が違うね…」となって。そこで何が違うのかみんなで話をした時に、検証とリリース後のプロダクトに以下のような差分があることが分かりました。
リリース時点ではこれらの観点が抜け漏れたまま運営してしまっていました。そのため、ユーザーひとりひとりがバラバラに行動し、目的達成に向けて盛り上がらなかったのです。
場とそこに所属する人の性質によって、以下のような区分けができることが分かりました。
オープンかクローズドであるかという軸
関係値があるかないかという軸
この経験を踏まえて、場の作り方と、そこに所属する人の性質を意識して設計しなければならないことが分かりました。
TORAJIRO:実際に使ってるユーザーの方は、ある人がカウシェで何かを買うとなった時に、友達がシェアしてるとか、その人がTwitterやLINEで呼びかけるみたいに、「関係値あり」の方を使うイメージがあります。それを踏まえて、なぜカウシェ内で見知らぬユーザー同士で繋がる必要があるんでしょうか?
Kana:そうですね、勿論カウシェの外でSNS等を通じて友人・知人にシェアして買うこともできます。そのうえで、なぜカウシェ内にソーシャルグラフを形成する必要があるかというと、
①友人・知人にシェアするのをハードルに感じる人もいるということ
②カウシェ内部でつながりを作ることで、そこでできたつながりがカウシェに留まる理由作るのではないかということ
という2点の理由があります。このため、アプリ内でも仲間を集められるようにしています。そして、後者に関してはまだまだ改善を続けている段階です。
——TORAJIROさんはいかがですか?
TORAJIRO:Gaudiyで大変だったのは「IPファン層の違いによるコミュニティの位置付け」ですね。
我々が過去に取り組んだコミュニティでは、1つのIPが複数のメディアや媒体に展開していることで、それぞれの媒体独自にファン層が作られ、ファン全体で見ると層が分断しているという特徴がありました。
Fanlinkではその中の特定媒体(ゲーム)の公式コミュニティとして公開したため、その他の媒体を支持するファン層に対して、少し贔屓しているような印象を与えてしまったんです。
BtoBtoCというビジネスモデル上、IPホルダーであるクライアントとある種コミュニティ運営の専門家として対等に議論できる事がGaudiyとして求められるため、現在はコミュニティ開設前にかなり高い密度でUXリサーチを実施していますが、当時10名程度だったGaudiyにとっては最大規模のコミュニティ開設だった事もあり「ファンの文化圏」を理解する重要性をとても体感しました。
失敗談を踏まえて、「コミュニティをデザインする」とはどういうことか?
コミュニティの熱量を生み出すには?
——先ほどの失敗談を踏まえて、お二人はどのようにコミュニティをデザインされているのでしょうか?
Kana:カウシェは現在、お客様のソーシャル環境に合わせて以下のような2つのシェア買い方法を選べるようになっています。
この2つのシェア買い方法は、どちらもそれぞれ事業的なメリットがあり、今後も体験を改善していきたいと考えています。
今回特に後者の、カウシェ内のユーザーにシェアする場合の機能をご紹介します。
通常のECであれば、SNSのように趣味嗜好でつながることはありません。しかし、カウシェの場合は「シェア買い」をしなければ買えないECになっています。この、「欲しい商品がお得に買える」ということがつながる理由になり、お買い物を通してより知らないお客様同士がステップを経て関係値を深めていきます。
このように、初めは「商品をお得に買える」という利害関係で繋がったお客様が、徐々に関係値を深めていくことで、「その人と一緒に買うことが楽しい」状態を作ることから始めていきたいと考えています。
——TORAJIROさんはいかがですか?
TORAJIRO:前提として、当社の「Gaudiy Fanlink」は同じ好きを共有できる人だけに限定された場所です。SNSでは影響力がない人でも、ファンである共通項を通して繋がり、ファン活動が認められ、貢献に繋がりやすい心理的安全性の高い場となっています。
分かりやすく例えると:
体育館にいきなり学生を集めてみた!でも中々友達を作るのは難しい…
→「同じクラス」として教室に集まれば、「共通項」があるので友達が作りやすい
さらに、ファンコミュニティでは「同じIPのファン」「活動ジャンル」という、好きなものがより深い共通項になる繋がりと熱量が生まれやすいのです。そのため、新しい人に対しても「もっとIPを好きになって欲しい」というポジティブな思考に発展する傾向があります。
最初の方で説明した「外交的」「内向的」のユーザーセグメントを前提に、それぞれのユーザーに対して以下の体験を提供することを意識しています。
デザインにおいて行っていること
2022年はデザイン組織の人数規模が1年で4倍程度になったこともあり、複数人・複数プロジェクトが並行してデザインを生み出していく状態になりました。そんな中で、Fanlinkをデザインするにあたり、Gaudiyが目指すクリエイティブ・デザインの方向性を「デザイン原則」として定義しました。
Gaudiyで提供するFanlinkはホワイトラベルのプロダクトとして提供するため、「Gaudiyのブランド」よりも「IPのブランド・世界観」を表現する方が求められる特性があります。
なので、個別のIPの世界観を最大限に表現しつつ、未来を見据えた拡張可能なプロダクト設計をするという暗黙知だった部分を言語化した原則になっています。
両社のやっていること・これからやりたいこと
これからやりたいこと
——カウシェでは今後どのような取り組みをしていく予定ですか?
Kana:まだまだ不確実性の高い課題はたくさんありますが、以下のような構想があります。
また、カウシェのアプリチームは最近体験ベースで3つのチームに分割されました。コミュニティの基礎となるソーシャル領域を扱うチームは業務委託でお手伝いいただいている @HirotoArakawa さんにご担当いただいています。
——Gaudiyでは今後どのような取り組みをしていく予定ですか?
TORAJIRO:Gaudiyでは大きく3つのことを目標としています。
——ありがとうございます。今回お2人で話してみて、コミュニティ作りの体験設計等について何か共通点は感じましたか?
Kana:共通点は結構あると感じました。やはり「コミュニティを構築する」というところが共通なので、友達作りなどと同じような感覚でコミュニティをつくるためには、こうする必要があるよね、ということが分かったりしましたね。
TORAJIRO:そうですね、サービスの位置付けは若干違うんですが、 ユーザーが来て、どうやってハマってくかみたいなところで共通項がたくさんあったと思います。ゲーム性やソーシャルといったゲーミフィケーションを作って、コミュニティの中で心地良いヒエラルキーを作るなど、そういった部分は自分たちもサービスとして考えているところではあるんです。コミュニティの効果はそれぞれ全然違うと思いますが、両社から出てくるアウトプットが今後どうなるか、楽しみだなと思いました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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Gaudiy
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