KatsuTobe|DITY

(株)DITY創業者/代表取締役CEO|大学に9年、McKinseyとBCGで戦略コン…

KatsuTobe|DITY

(株)DITY創業者/代表取締役CEO|大学に9年、McKinseyとBCGで戦略コンサルを15年、教育分野での起業、メガベンチャーSHIFTの執行役員と人生の回り道をくり返した後、DITYを創業しました。"日本のテクノロジー活用度を高める" をミッションに日々取り組んでいます。

最近の記事

意思のないDXに見込みはない

目的がはっきりしない依頼 大企業を相手にコンサルティングを行なっていると、何に取り組みたいのかよく分からない相談を受けることがあります。DX関連でいえば、「制約はないのでデジタルで収益を大きく増やしたい」とか「溜まっているデータを活用して何でも良いので新しい事業を作りたい」といったような依頼です。 目的がはっきりとしない状態を解きほぐし、顧客企業がやりたいことを明確にしていくことも、コンサルタントの重要な価値の1つです。むしろそのような時こそコンサルタントの腕の見せ所か

    • DXの戦略議論の正しい進め方

      DXの成功に向けた5つの要件 過去4回の記事で述べたように、DXの取り組みが成功している企業には共通点があります。これは、下の図に示した5つの要件をそれぞれ正しく押さえているということです。 本記事では、以前の記事で述べた「経営陣のスタンス」と「実行者のマインドセット」「テーマ選定」「成果物の位置付け」に続き、最後の5つ目の要素である「検討の進め方」について詳しく説明していきます。 情報量より消化率 私はかつて、大手コンサルティング会社において、多様な業界のクライアン

      • DX戦略策定で作るべき成果物

        DXの成功に向けた5つの要件 過去3回の記事で述べたように、DXの取り組みが成功している企業には、DX戦略の策定において、正しい体制で正しい取り組み方をしているという共通点があります。これは、下の図に示した5つの要件をそれぞれ正しく押さえているということです。 本記事では、以前の記事で述べた「経営陣のスタンス」と「実行者のマインドセット」「テーマ選定」に続き、4つ目の要素である「成果物の位置付け」について詳しく説明していきます。 「意思を込めた戦略」を作る 多くの企業

        • DXの取り組みの正しい定め方

          DXの成功に向けた5つの要件 過去2回の記事で述べたように、DXの取り組みが成功している企業には、DX戦略の策定において、正しい体制で正しい取り組み方をしているという共通点があります。これは、下の図に示した5つの要件をそれぞれ正しく押さえているということです。 本記事では、以前の記事で述べた「経営陣のスタンス」と「実行者のマインドセット」に続き、3つ目の要素である「テーマ選定」について詳しく説明していきます。 上流のシンプルな論点に注目する DXとは、デジタル技術を活

        意思のないDXに見込みはない

          DXの実行者が持つべきマインドセット

          DXの成功に向けた5つの要件 前の記事で述べたように、DXの取り組みが成功している企業には、正しい体制で正しい取り組み方をしているという共通点があります。これは、DX戦略の策定において「経営陣のスタンス」「実行者のマインドセット」「テーマ選定」「成果物の位置付け」「検討の進め方」 の5つの要件をそれぞれ正しく押さえているということです。 本記事では、前回の「経営陣のスタンス」に続き、2つ目の要素である「実行者のマインドセット」について詳しく説明していきます。 事業家マイ

          DXの実行者が持つべきマインドセット

          DXに取り組む経営陣の正しいスタンス

          DXの成功に向けた5つの要件 私はこれまで、経営コンサルタントとして数多くの企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みを支援してきました。その経験から、DXの取り組みが成功している企業には共通点があると感じています。それは、正しい体制で、正しい取り組み方をしているということです。 結論からいうと、DXの成功には「経営陣のスタンス」「実行者のマインドセット」「テーマ選定」「成果物の位置付け」「検討の進め方」という5つの要件を押さえてDX戦略が策定されているこ

          DXに取り組む経営陣の正しいスタンス

          本気DXでもDXごっこでもない第3の道

          DXブームの現況 近年、多くの日本企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みを積極的に進めてきました。古くはSNSやスマートフォンの普及が進んだ2010年前後から様々な領域でデジタル化が進み、2018年に経済産業省が発信した最初のDXレポートをきっかけにDXという言葉が広く浸透しました。その後、2020年の新型コロナウイルスの世界的流行がDXの取り組みを半ば強制的に加速させ、ある種の「DXブーム」を生み出しました。 しかし、ブームの開始から数年が経過した

          本気DXでもDXごっこでもない第3の道

          決めたのに後で異論が出るのはなぜか

          議論を尽くして決めたはずが… 私は、コンサルタントとして日本企業の方々にお悩みを聞くことが多いのですが、業界に関わらず多くの企業で同じような悩みを聞くことがあります。 その中の1つに、以下のような話があります。 「半日かけた集中討議で喧々諤々の議論をして、その時の結論に沿って動き出していたはずなのに、なぜ今更蒸し返されるのか…」 「あの部長は、いつも後になって反対意見を言い始める。自分も会議に出席していたはずなのに…」 「社長が前回までに言っていたことと、今回言い出した

          決めたのに後で異論が出るのはなぜか

          PoCの迷走を避けるために

          PoCの迷走は共通の課題 過去5~6年間、デジタルトランスフォーメーション(DX)がトレンドとなり、多くの企業が新規事業の立ち上げや既存事業の変革を目指してプルーフ・オブ・コンセプト(PoC)を積極的に実施してきました。しかし、大量のリソースを投じながらも、これらのPoCが期待通りの成果を生み出すことは少なく、多くが迷走しています。単なる「貴重なリソースの浪費」になってしまったり、PoC自体が「経営にとっての新たな悩みの種」となることも珍しくありません。 私自身、コンサ

          PoCの迷走を避けるために

          「優秀だけど指示待ち」な理由

          ある経営陣の思い出話 以前、ある日本企業のコンサルティングに携わっていた時の話です。ある日のこと、クライアントのオフィスを訪れ、50代の役員2名と40代後半の企画部長を交えて、会社が将来に向けて目指す姿についてディスカッションをしてた時のことです。議論は盛り上がり、一定の成果が得られた後で、会話は徐々に元のテーマから外れて脱線していったのです。 コンサルティングをしていると、そうやって話が大きく逸れていくことは日常茶飯事ですし、その日の目的としては、ある種そのような脱線も

          「優秀だけど指示待ち」な理由

          なぜ、いつも人が足りないのか

          多くの会社に共通する悩み 新しい技術の開発、社会情勢の変化、競合企業の動きなど、企業が直面する環境は日々変化し続けています。そのような様々な要素が複雑に交錯し、経営判断に影響を及ぼすため、企業が抱える問題はまさに多種多様で、最も重要な経営課題が何かということは一概には言えません。 それでも、企業の規模や業界にかかわらず、経営者やミドルマネジメントが共通して挙げる経営課題が1つあります。それは「人手が足りない」という悩みです。 私は20年以上前から企業へのコンサルティン

          なぜ、いつも人が足りないのか

          実行は重要だが、戦略も重要

          「続ける」と「変える」に対する解決策 前の記事で述べた通り、企業の取り組みには「続けること」と「変えること」があり、企業経営者はそれぞれについて典型的な悩みを抱えています。 「続けること」の悩みは、管理する人(マネージャ)の不足や単なる工数不足であることが多いです。そのため、本来であれば社内の業務を整理して効率化していくことが最優先ですが、それでも足りない場合の一般的な解決方法は採用や外注を通じて「人を増やす」ことになります。他には、生産性を高めるためにSaaSを導入した

          実行は重要だが、戦略も重要

          「変えること」にも目を向けよう

          多岐にわたる企業経営者の悩み 私はこれまで15年以上、グローバルな経営コンサルティング会社でコンサルタントとして働いてきました。それ以外にも個人で活動していた期間がありますので、それなりに長い間、「企業経営者の悩みを聞いてその解決に向けた支援をする」という活動を繰り返してきたことになります。 私は主に、経営戦略や事業戦略、新規事業創出、デジタル戦略といった分野を専門としていますので、経営者から相談される悩みも、ある程度そういった分野に偏っています。しかしそれでも、企業経

          「変えること」にも目を向けよう