蚊取り

紆余曲折の上、重症筋無力症(全身型Ⅲa)の診断を受けました。 入院中以外にも更新できる…

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紆余曲折の上、重症筋無力症(全身型Ⅲa)の診断を受けました。 入院中以外にも更新できるようになりたい。 単純血漿交換で身体に1000の人格が宿ることを懸念しています。

最近の記事

生きているということ

体調不良の中、診断がつかなかった10年のあいだ、生きているということについて考えずにはいられなかった。 とにかく言葉にするしかなかったので、ぶつかっても穿つように考える自力はこの時期に身についたんだと思う。 順調にやっていく同世代を見て生まれたアイデアが 「生きてい『 く』ことと、生きてい『 る』ことの苦しみは根本から異なる」 という事だった。 貧しくてもいつも笑顔で生きていく人がいる。 その一方で何不自由ない生活を送っても自ら死を選ぶ人がいる。 生きている事の

    • 鯨の息継ぎ

      東京の病院で重症筋無力症の診断を受けて1年が経った。 今は地元愛媛の病院でIVIg治療を受けている。 大体3ヶ月に1回のペース、これで4回目の入院だ。 今日は治療の副作用で体がだるいから久しぷりにブログを書いている。 体は正直なもので、治療の度に効果を実感できている。 私の学びは遅いもので、回復する度に想像以上に体調が落ちていた事と無理をしてきたことに気づく。 そんなことを繰り返しながら少しづつ、生活が地に足着いてきた実感がある。 社会と身体と思考が繋がっていたという感覚

      • A case of you

        カナダに夢を預けている少女と話した時 Joni Mitchellの曲が頭に流れた。 あなたはまるで私を流れる、苦くて甘い聖なるワイン ダーリン、あなたであれば1ケース分飲み干したって 自分の脚で立てるわ 私ひとりで立てるわ 僕らの身体に流れているのは聖なるワインなんだろうか。 甘みなんて感じないし、勧めても好き好んで飲む人はいないだろう。 ただなんとなく分かるのは、どんなに苦くても、このワインを飲み干さなくては次に進めないのだろう。 気がつくともう口元まで運ばれてい

        • 入院~IVIg編~

          火の鳥は未来編が好きです。 知性を手に入れたナメクジに惹かれるのは、彼らが滅びることを知っているからかもしれません。 ひどいことをおっしゃるな… 病気の私とナメクジを重ねてしまう。 それはそうと血漿交換はかなり即効性のある治療法でしたが、2ヶ月ほどで効果が切れると前回の入院時に言われてはいて、本当にその通りでした… そんな訳で今回はIntravenous immunoglobulin (IVIg/免疫グロブリン静注)という治療を受けるために入院しました。 点滴で行うので

        生きているということ

          退院して

          退院して数日経ってしまった。 去来する想いが多すぎてなんだかうまく描けないまま、下書きが伸びる一方だったので一念発起してちゃんと世に出すぞ。 20220319 入院した時には 「退院する頃にはすっかり春になってるんだろうなあ。」 と思っていたが、この日の気温は前日よりも10℃下がって入院時と同じような気温だった。 退院日に身体検査や先生との面談はなく、案外あっさりとしている。 指定された9時過ぎに看護師さんと忘れ物チェックをして、お世話になりましたとあいさつを交わした。

          退院して

          惑星コンビニ

          コロナ禍での入院生活は行動範囲が制限されている。 自由に出歩けるのはエレベーター前のロビーまでで、他の階には17時以降にしか移動することができない。 出歩くにしても特に目的なんてないから、運動不足を解消するために毎夜院内に2つあるコンビニをぶらぶらと巡っている。 同じようなルーティーンを持っているであろう人達と毎回すれ違って通り過ぎていく。 昼間は大勢の人がいる待合室で、パジャマ姿でぽつんと一人お茶を飲む人。 カフェ席でせわしなく色んな人に電話を掛けたり切ったりして

          惑星コンビニ

          脱・カテーテル〜 血漿交換を終えて

          20220315 予定されていた血漿交換治療を終えて、快復の具合を確かめるテストを受けた。 重症筋無力症の評価はQMGスコアというデータシートに基づいて行われる。 10秒も挙げ続けられなかった脚も45秒以上持続できるようになった。 握力については血漿交換を行うにつれて19 kg→31 kg→35 kgと増加していった。 この調子だとスーパーパワーに目覚めたアメリカンヒーローみたいに力を制御出来ずに、マグカップを持っただけで粉々にしちゃうかも。 力を暴走させない為の枷を

          脱・カテーテル〜 血漿交換を終えて

          3回目の血漿交換

          20220314 朝の9時半から3回目の血漿交換。 予定では今回の入院では最後の血漿交換だ。 血漿交換をすると寒さを感じる。 これほどまでに体の中から冷えるという表現が当てはまることもないだろう。 普通に寒いだけだけど。 過去2回のデータから抗アレルギー剤が適切なタイミングで投与される。 それでもやっぱり新鮮凍結血漿を入れた時に少しのアレルギー反応と、低カルシウム血症による痺れが出てきた。 優秀なスタッフさんが迅速に対応してくれる。 交換に使う血漿には血液を凝固させない

          3回目の血漿交換

          風の思い出

          入院した時はまだ街の人も冬用コートで外出していたけど、天気予報を見ると今日の新宿の気温は20℃を超えていた。 病院の中の気温はいつも一定で、今はコロナ禍だから入院病棟からの外出も制限されている。 唯一電話ができるロビーで顔なじみの入院患者が会話している。 「明日退院するんです。また、3か月後にお世話になります。」 想像だけでは追いつけない大変さが彼女にはきっとあるんだろうけど、車いすで移動しながら明るく友達と話す姿が印象に残った。 「生きてい"く"大変さ」と「生きて

          風の思い出

          血漿交換Part2 20220312

          前回の血漿交換後に出てきた手足のしびれは血漿交換に伴う血中カルシウムイオンの低下によるものらしい。 いわゆるこむら返りなどの体のつりと同じような仕組みだそうだ。 夜中はずっと低周波治療を受けているようなしびれがあったけど、朝起きたら無くなっていた。 そのかわり、しびれがあった部分がちょっとこわばる。 呼吸もしんどいので重症筋無力症の症状を一時的に抑えるメスチノンという薬を服用したら少し楽になった。 血漿交換は2日に1回のペースで行われ、間の日には感染症などの問題が無いか血液

          血漿交換Part2 20220312

          いざ血漿交換

          カテーテルを入れてから1日空けて、3月10日にいよいよ血漿交換を受けた。 首が腫れていて寝がえりどころかちょっと動かすだけでも激痛なので、寝ても1時間ごとに目が覚めてしまった。 そんなコンディションでいざ血漿交換へ 車椅子で透析室まで運んでもらう。 こういう時に身体が大きいと不便だ。 以前イチローが大谷の欠点について 「将来2 m近いおじいさんになることくらいしかないですね。」 って言ってたけど本当にそうかもしれない。 ベッドに横になると看護師さんから治療に使うアルブミン

          いざ血漿交換

          首からカテーテル

          3月8日、入院したその日に首からカテーテルを入れた。 これから血漿交換をする際にここから血液が出て行って、赤血球などがある血球成分と血漿に分離される。その後に自前の血漿は捨てられてグロブリン製剤と血球成分が混ぜ合わされて体に戻ってくる。 今回の入院で身体に針が入るのはこの処置だけだろう。 正直体に管を入れることも、血液を交換するという事も全く実感がわかないのでそんなに緊張もしなかった。 入院室のベッドで横になったまま処置室まで運ばれる。 寝転がって動く天井を見るのは初めて

          首からカテーテル

          闘病記を書く人は本当にすごい

          ーほんとうにすごい 闘病記やブログなんて、入院中に時間がいっぱいできるから暇つぶしにやってるんだろうという気持ちが少しくらいあった。 いざ自分が当事者になってみたら全然違った。 時間があっても気力はないし、続けて文章を書くというのは莫大なエネルギーを要する。 1文字ごとに生まれる痛みがあるなら誰もやりたくない。それでも書こうという思いはどこからやってくるのだろうか? ここからは私個人の意見です。 まず1つは「わかって欲しい」 他の人とくらべて上手に生きられない僕にか

          闘病記を書く人は本当にすごい

          入院

          10年前から体調が悪かった。 はじまりは激しい頭痛と共に右目が開かなくなったことだった。 色んな病院を周ったけれど原因はわからなかった。 次第に体が動かしにくくなっていった。 疲れやすく長く活動できなくなった。 3年前に大きい病院でいろいろな検査を受けたけど原因はわからなかった。 それからも体調は悪化を辿って、1日動いたら次の日には動けなくなる状態になった。 サングラスをかけて、杖を使わなければ歩けなくなった。 もう一度大きい病院で診てもらったけれど、検査結果はあいまいで