入院

10年前から体調が悪かった。
はじまりは激しい頭痛と共に右目が開かなくなったことだった。
色んな病院を周ったけれど原因はわからなかった。

次第に体が動かしにくくなっていった。
疲れやすく長く活動できなくなった。
3年前に大きい病院でいろいろな検査を受けたけど原因はわからなかった。

それからも体調は悪化を辿って、1日動いたら次の日には動けなくなる状態になった。
サングラスをかけて、杖を使わなければ歩けなくなった。
もう一度大きい病院で診てもらったけれど、検査結果はあいまいで恐らくストレスが原因だろうと言われた。

それでもどうしても、引っかかっている事があって他の病院を紹介してもらった。
日本でも限られた病院でしかできない単繊維筋電図検査を受けた結果、ようやく身体に異常があることが認められた。

あきらめないでよかった、と思う。
他人ほど上手くターンできない自分を責めなくていいんだと安心した。

近いうちに、単純血漿交換治療を受ける。
快復する保証はまだ無いけれど、はじめて前進したんだ。
それだけで深い穴から這い出たような気分で。
これまでの経験から、これから必要なのは期待が外れても耐えうる精神状態を作ることだと思う。

立ち向かって、勝つのではなくて絶対に負けないと心に決めた。




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