欲しい服が見つからない。
20代のころに比べて、圧倒的に服を買う機会が減ったことは前にも書いたけど、とはいえ衣類は着れば着るほどどうしても消耗していく。
私は気に入るとずっと愛用するところがあるので、物によっては平気で10年以上着ている物も少なくない。
でも、ちょっと困っていることもある。
流行りのアイテムは、どうしても時間とともに流行遅れになってしまう性質があるから、本当に気に入った時以外はあまり手を出さない。
ただ、どんなに定番の物だろうと気に入っていようと、20代の時の感度で手にした服は、30代半ばになってくるとうっすら違和感が出てくる。
小さなアイテムやアクセサリーならまだいいが、面積の大きいアウターやボトムス、コーディネートのメインとなるような存在感のあるものだと、一段と気になる。
物は好きだし、相変わらず可愛いけれど、ちょっと今の自分には、デザインであったりシルエットであったりがフィットしない。
そんなことを感じ始めてから、ゆるやかに今の自分が求めるアイテムを探しているのだけれど、これがまあ!見つからない!!!
というのも、20代の頃は狂ったように買い物をしていたので、お財布の許す限り次々いろんな服に手を出しては、とっかえひっかえして楽しんでいた。
そうして、荒波を勢いだけで泳ぎ切るような時代を経て、後半に手元に残った数枚のアイテムが今も生きながらえている。
だから、自分が探し求めたというよりは、数々の犠牲の上に結果的に見つけられたという感じ。
もっと言えば、探してこだわって選び抜いて買ったとっておきの服ではない。
結果的に愛用品となったというだけ。
でも今は、そういう服の買い方は時間的にも気持ち的にも経済的にもしたくない。
捨てるために服は買いたくないし、愛用できるアイテムに対する安心感も知ってしまったから、なるべく妥協したくない。
30代に入ってからは、「こういう形のこういう色の、こういうシルエットのものが欲しい」というのが先に出来てから買い物するようになった。
だから、そう簡単に見つかるわけがないのだ。
ビッグシルエットが流行ればどこもかしこもオーバーサイズな服が並び、かと思えば、すべてのスカートがマーメードになったのか?ここは海か?と思ったこともある。
前提として、その時の流行に自分の好みが反してしまうと、いよいよ好みのアイテムは見つけるのが至難の業になってくる。
こういう時、頼れるブランドがあればいいのだけど、地方に住む私にはなかなか難しい。
デパートやショッピングモールには、やはり手堅い大手が入っており、そこと趣味が合わないと詰む。
ネット販売があっても、服に関しては試着がしたい。
でも、着る服が無いわけではないからね。気長に探していこうと思う。
とはいえ、たまに衝動買いもある。いいよいいよ。そんくらいで。
私には着物という強い味方もいるし。
そう思うと着物って、時代ごとに確かに流行はあるけれど、50年以上前のものでもコーディネートで楽しく着られるし、色彩も柄も豊かだし、最高の衣服だな~と実感する。
和服も洋服も、同じくらい愛していきたい。
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