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#12 深呼吸したくなるアーティスティックな街・台東

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高雄から向かった次の街は、台東。
どこかに行きたいとか、何が見たいというのがあったわけではないけれど、ただ、東の街っぽいし、一応ね!という感覚だけで行くことにした。

これより台湾の東側の旅になる。
台東へは特急列車で約2時間。たまたま最新の車両にあたったので、綺麗だし、快適に過ごすことができた。

台湾は、台北、台中、台南、高雄など、主に西側に都会的な都市がある。
東側は先住民族が今も多く住んでおり、自然豊かでのんびりとした街が集まっているのだとか。

これくらいの川がいくつもあった

高雄から台東は、台湾を一周する路線でも特に海のそばを走る。
窓側の席は座れなかったけど、海がばっちり見えた。

外が晴天すぎてうまく撮れない…

本当に海沿いだからか、海以外の何も見えなくて、ただただ水平線が真一文字に走る車窓を見ていると、電車というより船に乗っているような感覚になった。

無事に台東駅に到着し、駅舎の外に出る。
最初に思ったことは、とにかく空が広い!!!!

台北⇒台南⇒高雄ときて、段々と空が開けてくるような感覚はあったものの、台東にきてそれが一気にガバッと開いたようだった。

とはいえド田舎なのかというと、そういう雰囲気とも違い、駅舎も綺麗で、お土産屋さんやインフォメーション、レンタルサービスなども充実していた。

とはいえ、交通の便は超不便。
ここでは、私のようにかたくなにバスに乗りたいような物好きでない限り、タクシー一択でいいと思う。
バスがわかりにくいし、本数も少ないし、とにかく不便!笑

かなり年季の入ったマイクロバス。

でも、私はそこに挑戦するのが楽しいので、めっちゃ人に聞きまくり、何があるかも調べないままバスで一番近い海沿いのバス停へ。

どうやらバス停っぽい場所で降りると、ほとんど人の気配がない。
え、合ってる?海ある?と不安になりながらも、歩いてみると、あった!
しかもなんか石碑っぽいのある!なんかの場所だ!(テキトー)

そして、平日の中途半端な時間にもかかわらず、浜辺にも遊歩道の近くにも結構人がいる!
まったりスポットなんだなあ。
観察しても、軽装の人が多いし、地元の人もよく来るんだろう。

ひとしきり海を感じたら、中心街が近そうだったので、歩いて行ってみることに。

路上で談笑するローカルの大先輩たち

遊歩道から階段を下りていくと、海の家のような食堂がずらっと並んでいた。

みんな営業しているけど賑わっているわけでもなく、お店の人かお客さんかもわからない感じで、みんな思い思いに過ごしていた。

中心街にたどり着くまで、ほとんどこういう道が続いていて、本当にこの先に街があるのかと一抹の不安も覚えた。
歩行者どころかバイクもほとんど通らない。
ちょっと間違ったらゾンビ映画の始まりみたいな静けささえあった。

だからなのか違うのか、中心街に着いた時、ホッとしすぎたのか1枚も写真撮ってなかった。
とりあえずお腹が空いていたので、宿のオーナーがめっちゃおすすめしてくれたフライドチキンのお店に行ってみることに。

「フライドチキンは台東の名物なんですか?」と思ったあなた。
ええ、もちろん違います。
調べたら、米苔目(米の麺料理)とか肉圓とか臭豆腐とかが有名らしい。
でも、私にはローカルのおすすめは素直に従うというルールがあるので、それがマックだろうとKFCだろうと全力でおすすめされたら私はトライするのだ。

いや、本当にシンプルにチキン!ドストレートだ。
ほんで、台湾チキンあるある・謎の粉まぶし。

たぶん鹽酥雞椒鹽粉っていう、呪文かよっていうチキン用胡椒みたいなのだと思うけどね。
これ超絶美味しいよね。台湾のスーパーで買えるよ。

チキンも、衣がザクザクのガリガリで超好み。
お肉も柔らかくジューシーで、これは確かに美味しい。

お腹も満たされ、さらに中心エリアへ。

かつての駅を改装した、インフォメーションセンター。
なかには観光や乗り物の案内のほかにちょっとしたお土産や、お茶の試飲コーナーなどがあった。

それにしてもおしゃれ。
建物そのものというより、石畳みや街灯を含めたここらへんのエリアは街並み・景観をかなり意識した開発がされている。

しかも、雇われているのかフリーなのかわからないけど、サックスを演奏する人がいて、この光景にサックスの音色である。最高。

1人で大人しく歩く犬。たぶん自分のこと人だと思っている。

隣接する大きな通りでは、ハンドメイドマーケットのようなものが行われていて、活気があった。

サックス演奏がいつ行われているのかはわからないけど、私はサックスが大好きなので嬉しくて、しばらく階段に座ってだんだんと夜に変わる空を見ながらぼーっと聴き入っていた。

台東は街自体がとても小さい。
中心エリアを出ると一気に暗く、人通りも少なくなるので、明るさを目印に歩き回った。

そして、夜市にたどり着く。台湾は本当に夜市の国だ。

街の規模の割には大きめの夜市だと思う。

気になったのは、定番や伝統的なもののほかに、クレープやホットドッグをアレンジしたような、ハイカラで真新しい食べ物の屋台。
台湾で欧米人がやっている屋台なんて、初めてみた。

簡単にいえば、全体的に”おしゃれ”な屋台が目立った。

台東って、アーティストの街なのかな?
小さい街なのに、古さというよりもトレンドを感じるものが多い。

気になって後から調べたら、台湾東部の池上という街を中心に、”芸術の街”と呼ばれていることがわかった。
先住民族が受け継ぐ、刺繍や工芸の技術なども影響を与えているとか。

台東市内だけでこんなにアートを感じられるなら、アート目的で来ればかなり楽しめるエリアだと思う。

「高嶺の花子さん」のMVにも登場する風船ゲーム

もちろん夜市定番のゲームもたくさん。
気になって、何回かやっている人を観察したことがあるけれど、いずれもシンプルそうに見えるのにルールが謎すぎて、挑戦していない。

これは感覚でできそうな気がするね

この写真を撮ったら、すぐに満席になった。
どこの夜市にいっても、大人から子供までこういうゲームに熱中している光景が見られる。

ひとしきり遊んで、バスで宿へ。
行きのバスはボロボロだったけど、帰りはキレイな大型バスだった。

台東で泊まったゲストハウスは、家族経営ということもあり、超フレンドリーなオーナー夫婦を中心にゲスト同士がめちゃくちゃ話せる宿だった。

最近は、おしゃれで綺麗なゲストハウスが増えたけど、共有スペースが狭いかほぼ無い場所も増えた気がする。
それに加えてコロナ渦で、他人とのコミュニケーションが避けられるようになったのが拍車をかけたかもしれない。

ゲストハウスは、いろんな国からくる旅人との交流も1つの楽しみだったんだけど、年を追うごとに減っている気がする。
まあ、今は旅に出ても宿に帰ればSNSなどにあげるのに忙しい人も多いだろうしね。

こういうことを考えると、ああ、年寄っぽいなって。笑

どっちがいいとかはなくて、自分のスタイルで自由に楽しめばいいのは大前提。
話したくない人まで無理やり輪に入れるようなのはむしろ好きじゃないし。

ただ、私はここで台湾内外から来た人たちと、2~3時間いろんな話を、そしてそれはそれぞれの国の政治や宗教、教育、考え方という結構ディープな話が出来てとても面白かった。

台湾ビールで1番好きな種類をチョイス

ちなみに今回はほとんどお土産は買わなかったけど、これが今回1番のお気に入り。

宿のオーナーが、いろんなビール瓶をカットして、やすりをかけて作ったコップ。
宿の共用コップとして使われていたんだけど、あまりにも可愛くて、お願いして売ってもらった。

どこにも売っていないけれど、台湾感全開で、ストーリーのあるお土産。
非常に大満足である。

猫も日中は日陰で休む

自然と芸術が共存する街・台東。
人々の活気に溢れ、めまぐるしく、休む間もなく発展をし続ける台湾のなかで、ゆっくりと深呼吸したくなる場所。

そう思った。

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