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#現代詩
トリシュナーの声 No.10
求めている訳ではない
だけど拒んでいる訳でもない
これが駆け引きなら
受けてたとう
負け試合は性に合わない
だからといって挑んだけれど
理解はしていない
「好きだから付き合って」
そう言われたのが始まり
恋愛と言うものを理解していないだろう
そう何度言われただろう
正直に言えばその通りだ
好いた
好かれた
そんな幻想に囚われる方が
負けた気がしていた
でもどうして
トリシュナーの声 No.9
胸が熱くなった
ただの吊り橋効果だろう
心の誤差じゃないか
分かれよ、自分
昔から
「結婚は人生の墓場だ」
と言い聞かせただろう
なのに
いまの自分はなんだ
見ず知らずの異性にぶつかって
人として当然のように
手助けしただけで
脈拍を高めてしまっている
一目惚れだと
恋愛思想に染まったやつは言うだろう
だが
俺は信じない
俺はこれを
愛を知ったと思わない
トリシュナーの声 No.8
目標がある
夢がある
だから見ないようにしていた
本当は心惹かれたことなんて
何度もある
好きを認めて
その気持ちと共に歩く未来を描く
それは
とても幸せだろう
相手も同じ気持ちで
幸せの形を産み出せたなら
それは
とても微笑ましいだろう
でもそれは
望んだ幸せだろうか
夢がある
でも生半可では
できないことだと理解している
だから今は
愛を知らないフリをする
トリシュナーの声 No.7
ぬくもりがおそろしい
やさしさにとまどう
「もう恋なんてしない」
一度つらく苦しい恋をして
澱みのような涙と一緒に消えていった
あのときから
一人で生きていく決意をした
一人で生きていく努力をした
もう何が起きても
立ち上がれるくらい
生きていくと決めて進んでいた
なのに
不意に触れた人のぬくもりに
涙がこぼれそうで振り払った
こわい
どうすればいい
本当は
包まれたい
溺れるほどに
トリシュナーの声 No.6
愛は平等だ
誰が言ったかはしならい
でも時よりそれは真実だと思う
愛と言う液体があったなら
人それぞれ量も質も違う
心と言う概念の中にそれらを注ぐ
それも本当にあるかわからない
だけど
人は満たされた瞬間
幸せを感じるらしい
わからない現象だ
愛し合い
満たされて
幸せになる
人間とは
なんと難しいことをしているのだろう
そんな愛に興味がある
だから
愛を知ろうとする
トリシュナーの声 No.5
「君が大人になったら
付き合ってもいいよ」
子どもの私をなだめるように
あなたは言った
あなたは歳の離れた近所の人
私のことを気にかけて
いつも遊んでくれた
あなたといることが幸せで
同じ歳の子なんて眼中にもなく
子どもながらあなたに告白をした
困ったように言った約束が
忘れられずに
あなたに似合う人になろうと頑張った
育ったところさえ離れて頑張ってたのに
「あの子、結婚したのよ。」
親か