トリシュナーの声 No.5
「君が大人になったら
付き合ってもいいよ」
子どもの私をなだめるように
あなたは言った
あなたは歳の離れた近所の人
私のことを気にかけて
いつも遊んでくれた
あなたといることが幸せで
同じ歳の子なんて眼中にもなく
子どもながらあなたに告白をした
困ったように言った約束が
忘れられずに
あなたに似合う人になろうと頑張った
育ったところさえ離れて頑張ってたのに
「あの子、結婚したのよ。」
親から聞いて息ができなくなった
好きな人がいるのは知ってたよ
でも無理だからな
と言っていたのも聞いてた
だから自信もあった
なのにもうこれでおしまいなら
せめてあなたにだけは
愛を知られたかった
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