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悦び

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未来に対する悦び 日常的に感じた喜び
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#恋愛小説

夕陽の価値

夕陽の価値

今目撃した夕陽が幾ら美しいものであろうとも
陽の落ちる速度があまりにも早いあの夕方、
貴方と共有した夕陽に勝るものはないんだ

桃と空色、入り混じる白色がかった今の夕焼け

濃紺に薄い水色そして橙が滲む寒いあの夕焼け

私の心に巣食う虚無は孤独ではない
見えそうな未来に何もできないもどかしさ
一ヶ所に留まり、
換気されない空気を吸い続ける苦しさ

貴方は今忙しいらしい
私はそれで本当に嬉しい
いつ

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後1ヵ月もない

後1ヵ月もない

私は何をやっているのだ?
此の時の流れの速さに抗えず
得るものより失っているものの方が多いのだ

もうすぐあの人は去り行くというのに
私が手に入れたのは
愛情か?懐疑心か?

若さなど遠い昔に失くした故
新鮮な肉を求る者に私は何も差し出す品がない

しつこいくらいの自己嫌悪
頭の中身も、身体の外観も
あの女より優位に立てる点を
探しているフリをしてる自己欺瞞
本当は私の方が選ばれるべきだという

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