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古本の表紙の名称
古典籍の表紙の色・模様(文様)は、茶道で使われる布(裂)の柄の用語で表します。
高級な本や出自が良い本は、本の表紙が布製の場合が多く、その時は「金襴表紙」や「緞子表紙」と織り方の種類も書くことがあります。
このnoteではよく見る色・文様の名称をまとめました。
よくある色
表紙の色は先頭に「○○色地」と記す
読本の流行以降(江戸後期)の刊本は、縹色(が褪せた)表紙が多い
丹表紙は室町~江戸前期の本に見られるが改装も多いので注意
萌黄色は明るい黄緑だが、退色した状態でも言う
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よくある地
背景の柄は「○○地」と表す。その後に「○○文様」。
(例)格子地刷毛目地に宝尽し文様
市松地に唐草文様
布目・○○刷毛目
【布目】布を押し付けたような網目模様
【刷毛目】「○○刷毛目」という。○○=縦、横、斜、波、格子など
卍字繋ぎ・雷文繋ぎ・工字崩し・七宝繋ぎ
【卍字繋ぎ(紗綾形)】崩れているが「卍」がどこかにある
【雷文繋ぎ】中華の食器にありそうなやつ
【工字繋ぎ】「工」の字が組み合わさっている
【七宝繋ぎ】中央にダイヤの円マーク
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蜀江錦・麻の葉・市松・立湧
【蜀江錦】中国風の飛鳥時代に輸入された柄
【麻の葉】ねずこの着物文様
【市松】炭治郎の着物文様。細かいのは石畳
【立湧】大きい縦の波線
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色々な花菱
【花菱】花が菱形になっている
【花入り菱】中に花の模様がある
【繁菱】菱形をびっしり並べる
【三重《みえ》襷】クロスの斜線の中に菱形、さらに中に花菱や四菱
【松皮菱】松ぼっくりみたいなやつ
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よくある文様
花・草
花は、牡丹・梅花・菊
草は、唐草・桐・笹蔓小さい丸の組み合わせの梅=梅鉢
唐草は、牡丹唐草、梅花唐草のように花と組み合わさることが多い
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宝尽し
以下のようなアイテムが散らし書きされている。
宝巻:巻物のこと
筒守:巻物が入った筒2つ
打ち出の小槌
分銅:秤で重量を測定するとき、重量の標準として用いるおもり
丁子:唐がらしみたいな植物。クローブ
七宝:幾何学模様
輪違:□を二つ重ねた形。wordの[図の形式]にある[グループ化]が同じ記号
隠笠、隠蓑
金嚢:お財布。巾着の形
宝鍵:鍵
雲
【雲霞】かすみのようなもや
【巻雲】絵に描いたようなもくもく雲。しっぽがあるのは「瑞雲」
【朽木雲】切れ切れに流れる雲
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その他
丸の中に入っている柄は、「○○の丸(散らし)」という
金が使われていたら
【金泥】絵具が金色
【金砂子】金の砂が撒いてある
【金子切箔散らし】四角形の細かい金箔の散らし
表紙全体の加工
【打曇り】上部に色(主に青)を垂らす
【墨流し】マーブル模様。天然石の断面コースターみたいな
【空押し文様】表面に型を押しつけて凹凸にする。凸に艶出し加工をすることも
【雲母刷り】雲母の粉をふるいかけて文様をキラキラさせる
参考文献・お役立ちサイト
■ 表紙文様集成(PDF)
■ 淡交社編集局『茶の裂地入門』淡交社, 1996.
■ きものと悉皆 みなぎ|幾何・割付文様