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「魔導具師ダリヤはうつむかない ~今日から自由な職人ライフ~ 9」感想・ネタバレ

どんな本?

魔導具師ダリヤはうつむかない ~今日から自由な職人ライフ~』は、甘岸久弥 氏によるライトノベルで、転生者である主人公ダリヤ・ロセッティが主人公。
ダリヤは魔石や魔物の素材、魔力を使った加工でアイテムを作る『魔導具師』の家に生まれ、婚約破棄されたことをきっかけに自身の商会を立ち上げ、数々の便利なアイテムを生み出して行く。

また、このシリーズはコミカライズもされており、『魔導具師ダリヤはうつむかない~Dahliya Wilts No More~』というタイトルで連載されている。
さらに、TVアニメ化も決定。
この物語は、ダリヤのものづくりと、彼女を取り巻く人々との交流を描いている。

読んだ本のタイトル

魔導具師ダリヤはうつむかない ~今日から自由な職人ライフ~9巻
著者:甘岸久弥
イラスト:駒田ハチ
キャラクター原案:  氏

あらすじ・内容

炎龍や氷龍のウロコに月光蝶の結晶、希少素材でダリヤが作るものは!?
スカルファロット家武具部門と協力し、開発を重ねる女性魔導具師のダリヤ。
ダリヤは魔物討伐部隊相談役として認められ、彼女の叙爵が正式に決定する。
そんなある日、王城魔導具制作部を見学する機会に恵まれたダリヤは、制作部長、副部長同席のもと、月光蝶を使用した魔導ランタンへの付与を体験することに。
「美しい付与は、カルロに似たのだな」
父から受け継いだ技術、そして彼女自身の人柄で多くの人を引き付けていくダリヤを前に、ヴォルフは彼女を守りたいという気持ちを強めていくのだった。
そんな二人を見守る周囲は、ダリヤが叙爵前のお披露目で舞踏会に参加することを好機とばかりに、ヴォルフの背を押そうとあらゆる手を画策するが――!?
魔導具師ダリヤのものづくりストーリー、二人の気持ちが動きだす第九弾、開幕!

魔導具師ダリヤはうつむかない ~今日から自由な職人ライフ~ 9

備忘録

『魔導具師ダリヤはうつむかない 9』は、魔導具師としての成長を続けるダリヤの新たな挑戦と成長を描く物語。

彼女が受け取った送り物は、以前カルロの部屋を片付けた時に出て来たトビヤス宛に贈られた亡き父カルロの魔導書だった。

トビヤス宛とは言え重要な書類であり、ダリヤの心に父への深い愛と尊敬の念を呼び覚ます。

物語は彼女がこの遺産を受け入れ、自分専用の設定で魔導書を活用する姿から始まりまる。

ダリヤは魔物討伐部隊との関わりを深めた結果。
魔物討伐部隊から特別なローブを受け取り、「相談役」という地位に正式に就いた。

魔物討伐隊のランドルフの盾の確認をし、伯爵家の魔法武器部門の長であるヨナスと武具改良の議論をする。

ダリヤは魔導具師としての技術を駆使して、更なる改良を模索する。

ヨナスの方は、伯爵家の魔法武器の部門の長になっており。
ヨナスの実家から伯爵家の武器部門の情報を寄越せと圧力が掛かり、ヨナスは躊躇なく実家と縁を切る事にする。
ただ、地位が平民となるとヨナスの本来の職務、グイードの護衛に支障が出る。

そのために急ぎ貴族との養子縁組をしようとしていたら。
突然湧いて出たダリヤとヨナスの男爵叙爵の内定。
魔導具師としてのダリヤの影響力がさらに広がるのだが、、
この男爵位の内定はヴォルフの兄、グイードも関わっていた。
お互いに辛い経験で麻痺している、ヴォルフとダリヤの間を取り持つために、、

そうして話は、ダリヤの個人的な成長だけでなく、周囲との関係構築にも焦点を当てていく。

イルマとマルチェラの出産双子の出産準備。

イルマのため魔導具を作成した際に壊れた、オズヴァルドの魔導具の代わりとなる素材、ヨナスの竜の部分のウロコを渡す。

オズヴァルドはそれを指輪に加工することに同意。
一方、ヴォルフはオズヴァルドの第三の妻エルメリンダと模造剣を使った手合わせをすることになり、ヴォルフはエルメリンダと母を重ねて見て白熱し、二人は激しい戦いを繰り広げる。
しかし、エルメリンダが負傷してしまい、オズヴァルドが怒り出す。
それが彼の嫉妬だと判り、エルメリンダはご満悦。

その後、エルメリンダへの見舞いの為に花を贈るのだが、、
花屋の店員が下手な気を使い、花に無関心なヴォルフはひと騒動を起こす。

その後、ダリヤとヴォルフは緑の塔で新しい魔剣の制作に取り組み、火の魔石とヨナスのウロコを使用し、「紅蓮の魔剣」と名付ける。
この剣は、火の魔力を使って美しく光るだけの装飾的なもだった。

それをグイードとヨナスに見せるとヨナスが気に入ったのを見て、グイードはヨナスの男爵位叙勲のお祝いに似た剣を贈る事を決める。

また、物語はダリヤの社会的な役割としての魔物討伐部隊の「相談役」としての活動にも話が及ぶ。

彼女が魔物討伐部隊の健康維持に寄与するため青汁のような飲み物を提案するが、、
そこで魔物討伐部隊のトラウマが幾つか出て来て、、
なかなかに壮絶な話を聞かされる。
そんな中で、ダリヤはカルミネ副部長の許可を受けて、王城の魔導具制作部で大型粉砕機の制作に関わることになった。
エリートが集うこの部門で、彼女は自分の役割について緊張しつつも、魔物討伐部隊の健康に寄与できるよう決意していた。
魔導具制作部の見学が始まり、カルミネは騎士団関連の魔導具を開発する一課から案内を開始する。

ダリヤは部門内の先進的な技術と魔導具の研究に興奮し、特にブラックワイバーンの皮を使った装備に強い関心を示し。

担当の青年魔導具師が彼女のブラックワイバーンの装備に関するアイデアに触発され、制作を始めることになった。

ジルドとヴォルフは、その装備を使ったワイバーン誘引の戦略を話し合い、カルミネもそのアイデアに興奮していた。
ダリヤの一言が新しい可能性を開いた瞬間であり、また彼女の知識と想像力が高く評価された。

その後、義手・義足を製作する部屋に入ると。
そこで、より強力な風魔法を望む騎士と、その危険を案じる魔導具師のやりとりに遭遇する。

ダリヤは、騎士の考えに反対し、自分や他者の身体を大事にするよう騎士に訴える。
その後、彼女たちはウロス部長と会い、予算の問題や魔導具制作の効率と安全性についても話し合う。

次に魔導具制作部二課を訪問し、暖房関連の魔導具や調理場用の大型送風機、馬用給湯器など、様々な開発品を見学。
彼らはまた、仮眠ランタンの製作過程を見せられ、ダリヤは付与作業に挑戦する。

魔力が10であるにもかかわらず、精密な付与を行い、他の高魔力の魔導具師たちと比較してもその緻密な技術が認められる。
彼女の努力と才能が周囲に感銘を与える一方で、彼女自身は天才ではなく努力の賜物だと謙遜。
ウロス部長はダリヤの父、カルロ・ロセッティと過去に交流があり、ダリヤの魔導具師としての技術に関心を持っていたが、彼女の婚約を知って訪問を控えていた。

ダリヤの技術やアイデアを尊重し、彼女に協力を申し出る。
ウロス部長は部下たちに補習講義を行い、魔導具師としての真の技術と姿勢を教える。
ウロス部長は過去にダリヤを訪ねる機会を逃したことを後悔しながら、彼女との協力関係を築いていく。

後日ダリヤは、王城の魔導具制作部のカルミネ副部長から届いた大型粉砕機の仕様書と『防水革』の実験報告に満足し、また南の島の魔魚のウロコが入った魔封箱も届き、彼女はその美しさに心を躍らせていた。

しかし、彼女が飼育していたブルースライムが逃げ出し、スカートを溶かす事態に。
そんな時にヴォルフが到着して彼女を助け、スライムを捕獲したが、ダリヤのスカートはダメージを受けてしまった。
ヨナスが急用で塔を訪れたが、ヴォルフとのやり取りを見て、ダリヤとヴォルフの関係について考えさせられる場面があった。

ヨナスはダリヤにグイードの叙爵を祝う「氷蓮の短杖スタッフ」の製作を依頼し、ダリヤはこれを受けることにしたが、魔力喰いの素材のため別の魔導具師に付与を依頼することになった。

ダリヤとヴォルフは、高魔力の付与を行うために商業ギルド長のレオーネ子爵を訪ねる。
レオーネはヨナスからの手紙を受け取り、ダリヤの魔導具制作の依頼を金貨四枚で引き受けるが、条件として、自身の妻ガブリエラをダリヤの叙爵式の女性付添人にすることを求める。

これにより、彼は妻に新しいドレスなどを贈る口実を得る。
また、ヴォルフの兄からの依頼にも触れ、片手剣への炎龍のウロコの付与を行うことになり、ヴォルフはレオーネの娘の嫁ぎ先で扱っているアクセサリーを購入することに同意。

レオーネはダリヤに短杖スタッフの付与について学ぶ機会を提供し、彼女に対しても支援を申し出る。

その後、二人は緑の塔に戻り、夕食を共にしながらダンスの練習やお披露目について話のだが。
ヴォルフは魔物討伐部隊をいつ辞めるか具体的には決めていないが、30歳ごろが多いと答える。

ダリヤと従者のマルチェラは、王城の魔導具制作部棟を訪れ、革新的なスライム成形の戦闘靴や、ブラックワイバーンの鎧を含む様々な新しい魔導具を目の当たりにする。
ダリヤは魔導具制作に関わる職人の生活や意見を尊重し、彼らを「仲間」として開発に加えることを提案し、カルミネ副部長をはじめとする周囲から支持を受ける。
これにより、王城と靴工房の職人たちが協力し、革新的で実用的な戦闘靴の開発が進む。
完成した靴は魔物討伐部隊員の厳しい要求を満たし、春には美しい赤いブーツが隊員たちに届けられる。
その靴底には「職人の女神」と小さく彫られており、製作に関わった者たちだけの秘密となる。

感想

『魔導具師ダリヤはうつむかない 』は、ダリヤの成長を通じて、魔導具師としての彼女の技術は周囲から高く評価されており、彼女の提案やアイデアが新しい可能性を開く場面が何度も描かれている。

彼女の物語はまだまだ続くが、この9巻は彼女がどのようにして自分の運命を受け入れ、それを乗り越えていくかを見事に描いていた。

魔導具師としても人としても成長を続けるダリヤの姿は、強く印象に残っている。

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