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IDGs Summit 2022参加レポート(5/7)(Collaborating編)

5つのフレームの4つ目Collaborating。
過去記事ご参考

記事まとめ



Collaboratingの定義

Collaborationg-社会的スキル。

コラボレーティングのパートは、「学習する組織」では、共創的な会話
として語られている領域に当たるかと思います。
会話を4つの象限で表して、変わっていく会話モードで説明したアダム・カヘンさん。グアテマラや南アフリカなどの国内の難しい問題を多様な関係者を募って場を作りファシリテートしてきた伝説のファシリテーターと呼ばれる方です。今回の講演Actingで講演のあったオットー・シャーマー博士のU理論がベースになっています。

ダウンローディング→ディベート→ダイアログ→プレゼンシング
とモードが変わって行くと言われています。
ダウンローディング:一方的に頭の中にあるものを伝えるモード
ディベート:相互が主張する討論モード。ただしここで意見の相違はあれ、相手を認識していることになります。
ダイアログ:相手を認識し、相手の立場で考えられるモード
プレゼンシング:自分、相手の立場を超え俯瞰した視点、未来視点で進むべき方向を探索できるモード

会話にどのようなモードがあるか理解し、関係者で合致(アライメント)させることを「学習する組織」の中では、チーム学習の領域として取り上げられています。ここでは、ダイアログの重要性を説き、効果的なチームでは、ダイアログとディスカッション(ディベート)の間を行き来する動きを習得する、との記載もあります。

http://reospartners.com/wp-content/uploads/2015/07/Reos-Partners-Toolkit-Module-2-Cynics-Believers.pdf

4つのモードの説明と、どうモードが変わるか参考になりそうな記事があったのでリンクしておきます。

参考:ベースになっているU理論の視点と各段階。

出展:https://www.authentic-a.com/theory-u

Collaboratingの中身の項目を見ていくと、上に示したような対話をするスキルや場づくりも含まれるような気がします。
参考になりそうな書籍を下に示しておきます。

アダム・カヘンさんの書籍は何冊か読みましたが、こちら読みやすくてオススメです。

東日本大震災の時に駆けつけたアメリカ人のファシリテーター、ボブ・スティルガーさんのお話。後半はファシリテートでの場づくりの方法論についても記載があります。

同じ文脈で場づくりを含め、まちづくりに携わる者として非常に参考になりました。

https://ttfujino.net/book/book-detail/


サミットレポートCollaborating

14.20 – 15.10 Theme: COLLABORATING
Antonia Eriksson, Spoken word poet

Panel:
Naila Kabeer, Joint Professor at the Departments of International Development and Gender Studies, London School of Economics and Political Science
Åsa Jarskog, Moderator, Global Outreach and Capacity Building, Inner Development Goals

Divine Ndhlukula, Founder, MD of DDNS Security Operations (Pvt) Ltd
Johan von Schreeb, Ph.D., MD, Professor Global Disaster Medicine
Kristian Gründling, Filmmaker

指相撲のワークショップ

司会進行のKatharina Moserさんの指相撲のワークショップからスタート。
どこかで読んだことがある内容だったので私にはネタバレでしたが、会場のほぼ全員がこのワークを知らなかったことは意外でした。

・ワークの内容
これから隣の人と指相撲をやってもらいます。
ポイントは話さないこと。自分のポイントを数えて、出来るだけ多くポイントを獲得できるようにトライすること。
実際に、このようにやりますとスタッフをもう一人読んでデモンストレーション。
それでは、開始してください!

このワークは、相手を負かすように動いてしまうと、競い合ってしまい点数は上がりません。このゲームを協働で挑めば、交互に勝ち負けを入れ替われば両方の得点が競い合った時の何倍にもなります。
自分の利益を考えると相手の利益を考えることだったと気づくのです。

当然、最初のデモンストレーションで競い合っていたり、ガイダンスのやり方に誘導されてしまうのですが、これは構造の持つ影響力だとも言えます。
システム思考を学ぶ際に行う、ビールゲームや経営戦略演習を思い出します。

Antonia Erikssonさんの詩"Goldfish"

暗い部屋で色が薄くなる金魚、口の奥に歯を持つ金魚と女性を対比させ比喩的に表現した力強い詩。この日会場が最も動かされた瞬間だったようにも感じました。
マインドセットをひっくり返してどうコラボレーションするか考えることが重要だとも感じた場面でした。

SDGsとIDGsのつながりをパネルでトーク

ジュンダーの研究者、Naila Kabeer
インドとバングラディッシュの貧困とジェンダーの課題について。
特に女性にフォーカスし、IDGsの内的成長のフレームを使ってメンタルモデルの変容を促している。貧困層やカーストの最も貧しい位置にいる人たちが持っている、自分たちが劣っていると感じるメンタルモデルをお互いにライフストーリーを共有することで自分たちの権利に気づいていった。

ジンバブエのDivine Ndhlukulaさん
女性の警備会社を設立。IDGsもSDGsもリーダーシップが重要でジンバブエで女性に機会を与えたいとやってきた。市民社会で実行することが大事。

WHOの仕事でウクライナから戻ったばかりのJohan von Schreebさん
今の状況で何をしなければならないか。応急手当が必要で患者さんが出血しているのであれば止血する必要がある。中立が大事だが難しい場合もある。自分が提供する援助によって害を及ぼさないようにしている。
尊敬を前提として連帯と真の支援が大事。

支援の話は、こちらの書籍を思い出したのでご参考まで。大事なことしか書いていないのでマーカーだらけになる本です。

映像作家Kristian Gründlingさん
IDGsを進めているコスタ・リカで撮影した映像作品の紹介。もうすぐ公開だそうです。

以上 Collaboratingパートのレポートでした。

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