【メンバーインタビュー#7】4つの国、無数の挑戦:好奇心と行動力で切り拓いたグローバルエンジニアの人生
皆さん、こんにちは!
カサナレ株式会社インターン生の廣瀬遥人です。
前回に引き続き、このメンバーインタビューでは、私がカサナレの個性豊かなメンバーにインタビューを行い、仕事への想い、カサナレの魅力、そして未来への展望についてお届けしていきます!
第3弾は、カサナレで活躍する多様なメンバーの中でも、特にグローバルなバックグラウンドを持つウェイさんにお話を伺いました!
様々な国で学び、働き、世界を股にかけて活躍してきたウェイさんの経験は、カサナレの多文化的な環境に良い影響を与えています。
今回は、そんなウェイさんが、カサナレでどんなことを考え、どんな仕事をしているのか、そして、ウェイさんが感じている仕事の魅力、若者に必要な経験、日本の生成AI業界についてなど赤裸々に語っていただきました。
カサナレエンジニアのリアルに触れることのできる記事になっていますので、ぜひご覧ください👀
※インタビュー内での話者は以下で表記
廣瀬:🧑🎓
ウェイさん:🗣️
国を越え、夢を追いかけた学生時代
🧑🎓:それではウェイさん、学生時代のお話を聞かせてください。
少し珍しい経歴にはなるのですが、私は学生時代に4カ国での生活を経験しました。
高校→大学→語学留学
私は元々中国の天津生まれで、高校生になるまで中国で過ごしていました。高校からイギリスに渡り、大学もイギリスで進学しました。
電子工学を専攻して、プログラミングなどエンジニアとしての基礎を学んだのですが、その大学には4年間で修士号まで取得できる特別なカリキュラムがあって、それがすごく魅力的でしたね。
大学3年生になると、周りの友人たちがNVIDIAやArmみたいな有名な企業にエンジニアとして就職することを目指している中で、私は「起業家になりたい」という夢が昔からずっとあって、その夢を追いかけようと決意しました。
電子工学の道も魅力的だったんですが、思い切ってその道からは一度離れ、ビジネススクールで学ぼうと決めました。ただ、ビジネススクール進学への決心が少し遅かったので、1年間のギャップイヤーを取ることにしました。その1年をどう過ごそうか考えた時に、幼い頃から興味を持っていた日本に行くことを決め、早稲田大学に1年間の語学留学をしました。
🧑🎓:高校生から海外にわたって勉強していたなんて驚きです、!
その後、ビジネススクールに進学してからの生活についてもお聞きしたいです!
語学留学→大学院→長期インターン
語学留学を経て、ビジネス全般を学ぶことができるフランスのビジネススクールに進学し、経営学の修士号を取得しました。
私が通っていたスクールはとてもユニークで、卒業条件として、2年間のカリキュラムに加えて、必ず1年間は長期インターンに参加しなければいけないという決まりがあったんです。
正直フランスよりも日本の方が肌に合うなと感じていたので、2年生になるタイミングで、日本でインターンできる所はないかと探し回っていました。
そして運良く、フランスの投資銀行が東京でトレーニープログラムを提供しているのを見つけて、社長秘書として働く機会を得ることができました。その投資銀行ですごく面白いなと思ったのが、日本の衆議院議員のもとで長期インターンを経験できるプログラムがあったんですよ。
この機会を逃すまいと、早速プログラムに応募し、日本でのインターン生活が始まりました。
結果的に長期インターンとして、投資銀行と衆議院で半年間ずつ働きました。投資銀行では、主にデータ分析や報告書作成などの業務を担当し、衆議院では、スケジュール管理やイベントの準備などの秘書業務を経験しました。議員の先生と共に国会や委員会に参加し、政治の世界を肌で感じることができたのは、本当に貴重な機会でしたね。
🧑🎓:長期インターンが必須のカリキュラム、とても面白いですね!
日本では就活が長期化しているので、長期インターンを必須にして学問と将来について考えることに費やす時期を分けて取れる環境があると魅力的だと感じますね。
その長期インターン終了後は、ビジネススクールに戻ったのですか?
長期インターン→交換留学→スタートアップ
いえ、長期インターンが終了しフランスに戻らなければならなかったのですが、やはり日本に残りたいという思いが強かったんです。
そんな中で、東京大学経済研究科との交換留学のカリキュラムがあることを知りました。ビジネス面も高いレベルで学べて、日本にも残ることができる、こんなチャンスはないと思い、すぐに応募して東大で1年間学ぶことになりました。
東大では、経済研究科で授業を受ける傍らで、先輩が立ち上げたスタートアップでエンジニアとしても働いていました。
このスタートアップでのエンジニア経験が、私のキャリアの始まりです。
(この時点で、ウェイさんは25歳だったそうです、。
私と数個しか年齢が変わらず、この経験値。世界の広さ、ウェイさんの好奇心と行動力の強さにとても驚きました。すごい。)
自分らしい生き方を貫く:エンジニア×起業の選択
🧑🎓:学生生活が終わってからはビジネスサイドではなく、エンジニアサイドとして働いていると思うのですが、なぜエンジニアを選んだのですか?
学生生活が終わり、金融業界に進んだのですが、働く中で金融は自分には向いていないと感じるようになりました。それなら、自分のアイデアを形にするために起業しようと決意し、その準備に集中することにしました。
起業に向けて、まずは起業のノウハウを学びながら、自分でシステムを作ってみることから始めようと考え、スタートアップ企業で働きはじめました。そこでは、社内システムや管理システムの開発を担当しました。
ちょうどその頃、生成AIが登場し始め、Amazonの音声認識技術やGoogleのダイアログなどを触り始めたんですが、新たな技術に触れる中で、生成AI分野が未来を作っていくものだと確信し、「この分野でプロダクトやサービスを作っていくことが自分に向いている」と感じたんです。
知見も身につき、自分のアイデアで挑戦したいものもあったので、2020年の12月くらいに自分の会社を立ち上げて独立しました。
🧑🎓:独立した企業ではどのようなプロジェクトを行なっているのですか?
独立してからは、モバイルオーダーアプリ開発やWeb3系のサービス開発など、幅広く手掛けてきました。中でも大きなプロジェクトだったのが、広島電鉄さんと共同開発した「mawaroute」です。
「mawaroute」は、広島市内のショッピングセンターで、AR機能を使って施設内を巡り、トークンを集めるゲームのような体験を提供するサービスでした。
特徴的だったのが、ユーザーが好きなキャラクターを選んでAIとチャットできる機能です。友達と会話する感覚で、おすすめの店舗や商品を尋ねられるという、まさにパーソナライズされた体験を生成AIの技術を活用して実現しようとしました。
UI(ユーザーインターフェイス)にもこだわって、ショッピングモールに入ると、様々なジャンルやキャラクターから選ぶことができるようなインタラクティブな設計にしました。
商業化の難しさからサービスは終了しましたが、2000人近くのユーザーと150店舗にご利用いただき、多くの学びを得ることができました。
🧑🎓:起業に興味をもったきっかけはなんだったのですか?
起業への興味はずっとあったんですが、強く意識するようになったのは大学時代のあるカリキュラムがきっかけでしたね。
通っていた大学では、全学生が自分たちでチームを組み、1年間かけてプロジェクトを完遂するというカリキュラムがありました。私もこのプログラムに参加して、2年連続でリーダーを務めたんですが、その経験が私が起業という道を歩む大きなきっかけとなりました。
すごく遠い記憶なのであまり覚えていませんが(笑) 最初のプロジェクトは、ジオフェンシング技術を活用し、ショッピングモール内の位置情報に基づいた通知システムを開発するというものでした。
開発はもちろん楽しかったんですが、何より、自分のアイデアに共感してくれる仲間たちと一丸となって、ゼロからプロダクトを作り上げていく経験は、言葉にできないほどの喜びと楽しさでしたね。
この経験を通じて、『自分のアイデアを形にし、世の中に価値を提供したい』という強い想いを抱くようになったんです。
そして、起業こそが私の理想の姿であると確信しました。
柔軟な発想力と影響力の強さを感じたカサナレ
🧑🎓:カサナレとの出会いはなんですか?
カサナレとの出会いは、広島電鉄とのプロジェクトが一段落した頃でした。 新しいチャレンジを探していたところ、代表の安田さんから声をかけていただき、生成AIアバターの開発に携わることになりました。
カサナレのチームに最初に感じたのは、安田さんを始めとしたカサナレの持つ強い影響力でしたね。RAG(Retrieval Augmented Generation)のような技術は、私自身も興味を持ち、実際に開発を試みた経験があったんですが、なかなか収益化に結びつけることができずにいました。
一方、カサナレは、すでに複数のプロダクトを展開し、多くの実績を上げていて、そのビジネスセンスに感銘を受けました。
🧑🎓:カサナレでの業務について教えてください!
カサナレでの私の主な業務は、UIデザインと、RAGとの連携を担うバックエンド開発です。具体的には、大学のオープンキャンパスや自動運転バスといった様々なプロジェクトにおいて、生成AIアバターのアプリケーション開発に携わってきました。
具体的には、動画の口の動きと音声の同期を調整したり、RAGや外部システムと連携して自然な会話を実現したり、ユーザー認証システムを構築したりといった、生成AIアバターに関連する幅広い業務を担当しています。
🧑🎓:これまでカサナレでの案件の中で、難しかったことはありますか?
自動運転アプリ開発は、大きな挑戦でした!
このプロジェクトは、自動運転車の車内に設置されたモニターにアバターを表示して、乗客のサポートを行うという、これまでにない新たな試みでした。
しかし、開発の中で、モニターを縦向きに設置すると、アプリの関係で表示領域が狭くなってしまうというデザイン面での大きな課題を抱えていました。私も様々な角度から解決策を模索したんですが、なかなか満足のいく結果が出ませんでした。そんな時、西田さん(弊社取締役COO)に相談したところ、アプリ内での動画の向きを最初から横にするという、シンプルながらも画期的なアイデアを提案していただきました。
何でも技術で解決するのではなく、根本の部分を見直して改善できる柔軟性と自由な発想にとても驚かされましたね。
この経験から、技術力だけでなく、固定観念にとらわれず、常に新しい視点から課題解決に取り組む姿勢が、カサナレがこれまで生成AI分野で実績を積んできた理由だと強く感じました。
🧑🎓:今後のカサナレの課題、期待していることは何ですか?
一般的なスタートアップの観点から見ると、カサナレは成長フェーズに入っていると感じています。ただ、成長に伴い、課題も出てきているのが現状です。
特に、新規案件の増加に伴う、人員不足や品質管理の難しさは、今後のカサナレが乗り越えなければならない大きな壁になると思います。
そこで、プロダクトマーケットフィートを実現し、標準化されたプロセスを確立することで、効率的な開発体制を構築できれば、さらなる成長に繋がるのではないかと感じています。
『作る』という経験の楽しさと価値
🧑🎓:これまで様々な国、様々な分野で熱量を持って学んでこれたのは何故ですか?
単純に好奇心が強いからだと思います笑
『今、日本がこういう風になっているなら、ロンドンではどんな生活をしているんだろう?』
『日本ではこういう状況だが、他の国では?』
というような、純粋な好奇心から、色々な国で暮らし学んできました。 その結果、ビジネスとエンジニアリング知識に加えて、3ヶ国語を習得したことで、情報収集の幅も大きく広がりましたね。
現在は、VCのレポートを精読したり、各業界の動向を調べたりすることを日課(趣味..笑)として行っています。特に、YC(Y Combinator)やGoogle News、YouTube、Podcastを頻繁にチェックしていますし、各国のAIやIT情報をまとめてくれるYouTuberの動画なども面白くて見ています。
🧑🎓:いろんな国の情報を見ている中で、日本のAI業界をどう感じていますか?
正直日本は遅い方、というか独特な動きをしていると感じています。
例えばアメリカでは、OpenAIやAnthropic(アンソロピック)のようなスタートアップがリードしていますし、中国でも次々にユニコーン企業が生まれていて、活発な開発競争が繰り広げられています。一方、日本では大手企業が中心となり、AI技術の開発が進められているのが特徴的です。
また、日本では日本語対応に特化し、国内市場に注力する傾向が見られます。これは、国内のニーズを的確に捉える上で重要ですが、その反面、グローバル市場を視野に入れた開発が不足しているという課題も考えられます。
もちろん、ファインチューニングによる多言語対応も重要な要素の一つです。しかし、それ以上に、新たなアプリケーションやビジネスモデルを創出することが、スタートアップの真価を示すと言えるでしょう。
日本には、世界に通用する革新的なAIソリューションを生み出すだけのポテンシャルが十分にあると考えています。今後は、より多くのスタートアップが、グローバルな視点を持って、世界を舞台に活躍するものを生み出そうとする流れが活発化したら面白いと感じています。
20歳の自分に伝えたいこと:これからの自分
🧑🎓:日本の学生で、自分の事業をやってみたいという人に対して、何が重要だと伝えますか?
20歳の自分を振り返ってアドバイスするなら、何よりもまず『とにかく自分の手を動かして何かを作ってみること』が大事かなと思います。
英語など言語を習得することも大切な要素ですが、それ以上に重要なのは、自分の手でプロダクトを作り出す経験だと考えています。誰かにとって価値があるもの、お金を払ってでも欲しいと思ってもらえるようなものを作ることです。
売るではなく、『作る』がとても大事だと思います。 自分が作って売れる。 ビジネスパーソンではなく『起業家』になるのであれば、この『作る』という部分がすごく大事だと考えています。
最近、アメリカの高校生Zach Yadegariが生成AIを活用したiPhoneのアプリを作ったというニュースが話題になりました。彼は、17歳でCal AIのCEOを務めており、サービス開始から6ヶ月間で様々な成果を達成しました。
これはすごい良い例だと思います。彼の作ったものは、最新のAI技術を使ってカロリーを計算するアプリを作成して、年間億円単位の売り上げを作ったというものでした。彼のように、若いうちから自分で手で世の中から求められるプロダクトを作ることができると凄いですよね。
学生時代は、良い成績を取ることが大事、先生が言った知識を正しく覚えて正解することが求められてきました。もちろん博士になりたい、研究者になりたいのであればその経験がマストです。しかし将来的に起業したい、ビジネスで何かしてみたいのであれば自分の手で作ってみる、ニーズを理解する、そういった経験をしていくことが一番大事なことだと感じます。
なぜなら、起業家に求められるのは、顧客のニーズを理解し、それに応えるプロダクトを生み出す力だからです。
どんなものでも構いません。とにかく、何かを作り出す経験を積むことが、将来の起業家としての第一歩になると信じています。
🧑🎓:ウェイさんの将来的な夢はなんですか?
将来の夢は、やはり世界中の多くの人が使ってくれるようなものを作るということです。
世界中の多くの人から「これは何としても使いたい!」と思ってもらえるようなサービスやプロダクトを自分の手でつくりたいと考えています。その為に、新しいビジネスの芽を探し求める日々を送っています。その種がどこにあるのか、どこにチャンスがあるのか、ということを多くの情報に触れながら見極める時間を多く取っています。
あとは、個人的に宇宙が好きなんですよね。 宇宙のように可能性を秘めた世界に昔から強い憧れを持っていて、いつか誰もが宇宙旅行を体験できるような時代が来たらいいなと思っています。
昔からある構想ですが、宇宙エレベーターのような革新的な乗り物で気軽に宇宙へ飛び立ち、地球を丸ごと眺める。そんな世界にずっと憧れを持っていて、まだまだ道のりは遠いですが、将来宇宙に行くための何かに自分が関わることができたら嬉しいなと考えています。
🧑🎓:ウェイさん、貴重なお話をありがとうございました!
ウェイさんの多岐にわたる経験と広すぎる視野に圧倒されて、質問するのも途中忘れながら、口を開けたまま聞いてしまいました💦
ウェイさんが私くらいの年齢の時には、もうすでに何かを『作る』という経験をされていて、今みたいに生成AIがこれだけ発達してきている中で何も行動していない自分が恥ずかしくなりました。
それこそ、これまで会った人の中でも、自分で何かを作ったことがある、生み出した経験を持った人は強いし凄いと感じる人ばかりだったなあとお話聞きながら思っていました。 ウェイさんのお話で、私も考えるばかりではなく行動に通してみたいと後押しされました。
この記事を読んでくださる皆様にとっても、挑戦の後押しになると感じるお話でした。 本当にありがとうございました!
次回予告:
自らキャリアの幅を広げ価値発揮を続けるカサナレの星★
カサナレの文化を体現しながら、活躍を続けているメンバーが登場します!
働き方が定型化して、毎日がマンネリ…そんな悩みを抱えているあなたへ。
カサナレでは、社員一人ひとりが主体的に働き、自ら仕事を生み出す文化が根付いています。
次回は、「自分だけの価値」を作り出し、カサナレで輝いているたかみんさんのお仕事に対する考え方や、カサナレで働くモチベーションについて深堀りします。
社長秘書という経験を活かし、カサナレでブランディングやPR・広報の分野で活躍しているたかみんさん。
そんなたかみんさんのキャリア観と、カサナレでの活躍を通じて、カサナレの組織文化や、社員一人ひとりがどのように成長しているのか、を知ることのできるインタビューになっています。
「自分らしい働き方」「自分だけの価値」を見つけたい方、多様なキャリアに興味がある方は必見です!!ぜひご覧ください👀