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美術鑑賞の方法

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最低限のルールさえ守れば本来方法なんて無いんですが… 「こんな方法もあるよ」ということで、何らか参考にしたり取り入れていただけるようなら幸いです。
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#随筆

美術好きになることと、音楽の趣味が多少変わることについて。

美術好きになることと、音楽の趣味が多少変わることについて。

 美術鑑賞の際、耳栓代わりにイヤホンをすることはあるけど、基本的に音楽は全く聴かない。大したポリシーがあるわけじゃなくて、単に私の場合、感想文用のメモをしたり頭の中で言葉がぐるぐるしていたりして、そのうち音楽が邪魔くさくなって…というのが実情だ。
 音声ガイドは美術鑑賞に変化が欲しいときに使うが(たとえば過去に複数回鑑賞したことがある画家の展覧会など)、初見では基本的に使わない。

 年齢的なこと

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「作者在廊」

「作者在廊」

 最近ちょこちょこ話題になるギャラリーストーカーの問題。
 私は直接その現場を目にしたことはないけd… いや、2−3年前、ある人気芸術家の個展を見に行った時、在廊していた作家の動きに合わせて、6-7人程度の「群衆」が動いているなと思ったことがあった。作家さんはただ友達や関係者と駄弁っていただけで、その「群衆」が作品を見ていたかは怪しいところ。大騒ぎになっていたわけではないが、あれがギャラリーストー

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コートと美術鑑賞

コートと美術鑑賞

 美術館の展示室内というのは作品保護の観点から、概ね20-22℃ぐらいに設定されている。これは夏としては寒く、冬としては少し暑い。美術館側もそういう鑑賞環境については当然認識しており、特に夏は必要に応じ、ブランケットやストールを貸してくれる美術館もある。

 私は元々暑がりなうえ、冬でも背中や顔にじんわりと汗をかくことがある。展示室にメモ帳・筆記用具を持ち込むこともあり、それ以上に余計な荷物を持ち

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美術鑑賞にGoogleレンズは使える?

美術鑑賞にGoogleレンズは使える?

 展覧会で観賞をする際、「困ってしまう」のが文字資料。

 例えば回顧展であればその人の著書、また同時代に刊行されていた雑誌であったりなんなりがガラスケースの中に展示されていることがある。作品リスト上は、作品番号とは別に「資料1」「資料2」などという番号を振られていたりもする。
 私にも虚栄心というものがあり、いかにもそれらしく腕を組み、マスオさんみたいな知ったかぶり全開の表情でその「資料1」を覗

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美術展の滞在時間について考える。

美術展の滞在時間について考える。

 美術館訪問に関してスケジュールを組むとき、その日訪れるのが1館だけなら、滞在時間の見積もりはそれほど重要ではない。しかし2館3館とハシゴをする場合、特に2件目以降を事前予約をしている場合は、予めおおよその時間を見積もっておく必要がある。

 私の場合、

①コマーシャルギャラリー → 15分
②比較的小さめの美術館 → 45分
※東京だとパナソニック汐留美術館、Bunkamuraザ・ミュージアム

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常設展の歩き方

常設展の歩き方

 ミュージアム(美術館・博物館)の行う展覧会には「企画展(特別展)」の他に、「常設展(所蔵品展)」と呼ばれるものがある。企画展のように特定のテーマ、数週間〜数カ月間といった期限を設けず、いつでも見ることができる展覧会のことであり、その多くはミュージアムの所蔵する作品・資料が展示されることとなる。テーマ性も企画展に比べると抽象的だったり、そこまではっきりとしたテーマが設定されていないことも多い。
 

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美術鑑賞の混雑対策

美術鑑賞の混雑対策

 先日とある展覧会で、コロナ禍前かと思うぐらいのすごい混雑を経験した(なに展かは想像できると思う)。あれだけの混雑は個人的にも久しぶりだったし、観に行った人によっては「混雑のせいで楽しめなかった⤵」というような報告も聞く。毎週何かしらの美術館に通っているようなタイプだったら「まぁ、そういうこともあるかな」と割り切ることもできるが、半年に一回ぐらいしか行かない、もしくは行けないという人であれば、その

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展示室に、何持ってく? - 美術鑑賞のお荷物事情。

展示室に、何持ってく? - 美術鑑賞のお荷物事情。

 美術鑑賞時の荷物の話題を少し。

 美術鑑賞の場合、基本的にはあまりモノを持ち込むことができない。リュックを持ったままだと他の客の迷惑になってしまったり(ぶつかったり、リュックからモノがこぼれたり…)、最悪の場合作品を傷つけてしまうリスクも全く無いわけではない(経験上、結界を超え、作品に触れるすれすれの距離で見たり指差しをしたりしている鑑賞者はまあまあいる)。リュックを前に持てばOKとするところ

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「逆走禁止」

「逆走禁止」

 京都・平安神宮近くにある細見美術館で「逆走禁止」の但し書きを見つけた。
 細見美術館の展示室は地上1階から地下1階、地下2階へと下りていくタイプで、その間はすべて屋外にある階段で移動することとなる。そもそもそこまで大きくない美術館である一方、観光地の性質上、混雑する時期・時間帯もあるものと思われる。その中での「逆走」はお客さん同士のトラブルに発展したり、最悪階段からの転倒事故に発展する可能性も、

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「おすすめの展覧会」の探し方

「おすすめの展覧会」の探し方

 長いこと美術関係のアカウントをやっているからか、突然「今おすすめの美術展はありますか?」と聞かれたり、反対に「○○展おすすめです!」とコメントをいただいたりすることがある。そういうことを言うと展覧会のハードルが上がってかえってマイナスじゃ…とも思うんだけど、SNSを見ていると「○○展おすすめです!」という風なことがけっこう書かれていて、ビジネスとして考えた場合、きっとそういうアカウントのほうが需

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