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統合失調症について

皆さんは、統合失調症をご存じでしょうか?

統合失調症は近年になって、認知が広がってきているので、詳しく知らなくても聞いたことはある、という人はいると思います。

統合失調症は約100人に1人がかかると言われていて、決して特殊な病気ではなく、思っているより身近にある存在です。

精神疾患を持つ人の認知が広がっている今、その人たちを理解するために、正しい知識を知っておきませんか?

統合失調症とは

統合失調症は、考えや気持ちがまとまらない状態が続く精神疾患です。
考えがまとまらないことで気分や行動、人間関係などに影響が出てきます。

発症の原因はまだはっきりとわかっていませんが、脳の機能に問題があると考えられています。

思春期から40歳くらいまでに発症することが多いですが、
薬やリハビリなどの治療で回復することが可能です。

統合失調症の症状

統合失調症の症状として、「幻覚」「妄想」があります。

幻覚は、実際には無いものをあるように感じたりする知覚の異常で、自分の悪口が聞こえる「幻聴」は多くの患者におこります。

妄想は、明らかに誤っているのにその内容を信じてしまい、周りの意見を聞かなくなる状態で、「いやがらせをされている」という被害妄想や、テレビで自分のことを話しているという関係妄想などがあります。

他にも喜怒哀楽の表現が乏しくなって他者の感情に共感できないなど、感情面に症状が出たり、記憶力や集中力・注意力などの認知機能にも症状が出ることがあります。

統合失調症のサイン

統合失調症による幻覚や妄想は、本人にはとてもリアルに感じられるので、病気が原因だとはなかなか気づけません。

自分にははっきり見えるし聞こえるのに、家族や友達、職場の人、医師など周りの人が「そんなことはない」と否定するなら、幻想や妄想の可能性を考えておきたいところです。

周りから見た統合失調症のサイン

統合失調症の症状は本人よりも周りの人が気づきやすく、周りの人が気づくことで早期発見につながります。

統合失調症のサインとして、以下のようなものがあります。

・いつも不安そうで、ずっと緊張している
・悪口やいじめをされた、と言うが、実際には何も起こっていない
・監視や盗聴をされていると訴えてくるが、探しても何も見つからない
・ぶつぶつ独り言を言っている
・命令する声が聞こえる、と言っている

また、
話していても話の内容にまとまりがなくて何が言いたいのかわからない
という会話の障害や

楽しく熱中していたものに興味を示さなくなった
引きこもるようになって、ずっとごろごろしている

など、行動に対する意欲の障害もあります。

これらの項目の多くに当てはまったり、いつもと違って様子がおかしいと感じる場合は、相談窓口などで相談してみてください。

統合失調症の治療

統合失調症の治療では、薬を服用する薬物療法と、専門家と話をしたりするリハビリテーション(心理社会療法)を組み合わせて行います。

薬物療法

薬を使った治療では抗精神病薬をメインに使い、統合失調症の中心になる症状を抑えます。
場合によっては抗不安薬、睡眠薬、抗うつ薬を補助的に使うことがありますが、これらには統合失調症の中心となる症状を抑える効果はありません。

また、服用する薬の量は人によって違い、症状の様子を見ながら薬の量を調整します。

薬の量の判断は、専門医でなければわからないことです。
症状が安定したからと、自分の判断で薬の量を減らしたり中断することは、再発を誘発したり、重症化の危険を高めます。
薬の量が気になる場合は自分で判断せず、担当医に相談しましょう。

リハビリテーション治療(心理社会療法)

心理社会療法では、病気の症状が出ても自分で管理する方法を身に付けたり、社会生活の訓練などを行います。

・心理教育
病気の症状や治療に関することを学び、対処法を身に付ける
家族を対象とした心理教育は「家族教室」と呼ばれ、家族の病気への理解や本人への接し方を学ぶ

・社会生活機能訓練
日常生活の身近なことをテーマにしてロールプレイングなどで学び、社会生活や対人関係のスキルを回復させる

統合失調症の再発を防ぐ

統合失調症は、再発しやすい病気です。
ですが、やはり本人が再発の予兆に自分で気づくことは難しく、周りの人の協力が必要になります。

統合失調症が再発する場合、いつも同じパターンで始まることが多いので、その行動を「再発する前のサイン」と考えて気にかけておきましょう。

家族が気づきやすい統合失調症の再発のサインには以下のようなものがあります。

・眠れない日が続いている
・いつもよりイライラしている
・食欲がない
・そわそわして落ち着きがない
・頻繁に不安や焦りを訴えてくる
・発病時の体験を昨日のことのように話すようになる
・被害的で、疑り深くなる
・急に行動的になり、異性にアタックしたり、デイケアや作業所をやめて仕事を探し始める

以上のようなものが再発のサインです。

また、ここに載っている行動だけでなく、
「いつもと違う」
「何かおかしい」

と感じたら、再発の可能性を考えて、早めに医師に相談しましょう。

就労支援を活用しよう

日本の制度には、統合失調症の人を支える福祉サービスがあります。

症状が落ち着いて「働きたい」という気持ちがあれば、治療を続けながら働くことも可能です。
ハローワークなどでは一般就労だけでなく、障害者枠の仕事も紹介してもらえます。

また、働く自信が持てない人や、続けられるか不安な人は、
障害者就業・生活支援センター
就労移行支援事業所などを利用してみましょう。

これらの事業所では就職するための準備訓練や、職場実習、就職後の定着支援も行われています。

もし働くことを希望する場合は、まず主治医に希望を伝え、施設の専門スタッフに相談してみてください。

就労移行支援カーケルでは、障害やお悩みに対しての対処法を一緒に考えたり、就職に必要な資格取得補助など様々な課題を一緒に解消出来ます。
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