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初めての外国人お宅訪問記

先週、わが家に遊びに来てくれたポルトガル人ファミリーの家にご招待いただいたので、こどもたちと一緒にお邪魔してきた。私たちにとって初めてとなる、日本人以外のお宅への訪問である。

今日の訪問の主目的は、おにぎりの作り方を教えること。だけれどもそれについては、別途じっくり書くことにして(書きたいことありすぎるから)、今日はとりあえず、全体の話をざっくりゆるりと。

日本人が外国人の家に行くとなったら、まず気になるのはやはり"靴を脱ぐのかどうか"ではなかろうか。そして今日の訪問先の家では、きっと脱がないのだろうと勝手に予想していた。理由は特になかったけれど。なので今朝、引き出しの一番上にあった靴下を履いたら、つま先がもう少しで破れそうな感じに薄く擦り切れかけていたけれど、どうせ靴脱がないんだし、と思って履き変えなかった。

しかしだ。友人宅に到着した私が鳴らしたドアベルの音を聞いて、内側から「Hi, Shoko! Welcome!」と満面の笑みで迎えてくれた彼女の足は、裸足だった。オーマイゴッシュ。私の予想は見事に外れ、靴を脱ぐスタイルの家だった。私は恐る恐る靴を脱いだ。よし、まだ破れていない。

その家には、上は21歳から下は4歳まで、男3人女5人のこどもがいる。8人きょうだい10人家族の大所帯。今日、全員が在宅していたわけではないが、それでも十二分に賑やかな家だった。リビングに入るやいなや、娘が「ソファがめっちゃある」と驚いていた。家族全員での団らん時間に、ソファの取り合いにならないようにするためには、ぐるりとソファを配置することが必要なのだろう。それでも十分な広さがあるリビングだったけれど。

こども部屋を見せてもらった。8人もいるので、もちろん1人部屋を持っている子などいるはずもなく、男子は3人で一部屋。女子は5人(下の子は4歳で両親と寝ているので実質は4人)で二部屋。

男子の部屋には思春期真っ只中のお兄ちゃんがいたので見せてもらえなかったが、女子部屋を覗くと、壁にずらりと日本のマンガ(もちろん英語版)が並べられていた。ハンターハンター、鬼滅の刃、僕のヒーローアカデミア、呪術廻戦、あたりはなんとなく知っているけれど、私の知らないマンガがたくさんあった。フィギュアもあった。あぁ、やっぱり日本のマンガは人気があるのだなぁと、ほとんど読んだこともないくせに、なんだか嬉しかった。一番上のお姉ちゃんが日本のマンガに目覚めてくれたおかげで、下のきょうだいもみんなもれなくマンガファンになったようだ。お姉ちゃん、ありがとう。

もうひとつの女子部屋には、ドールハウスがあった。よく見ると、シルバニアファミリーではないか!どうやら、イギリスでもシルバニアファミリーが売られているらしい。マニア垂涎のuk限定ものもあるらしい。知らなかった。ママのマリアは、「これ、本当にかわいくて細部まで精巧に作られていてすごいわよね!でも、パーツが細すぎてすぐにどっかいくけどね!」と言っていた。みんな思うことは同じようです。そして私自身は、シルバニアファミリーを持っていなかった人種です。シルバニアファミリーではないか!とか、旧友に出会ってさも感動した風に書いたけれど、自分自身の思い出の中にシルバニアファミリーはありません。

廊下に満杯の洗濯カゴが置かれてあった。「家族10人もいたら洗濯も大変よね。1日何回洗濯するの?」と尋ねたら「少なくとも3回」と言って白目をむいていた。そりゃ白目もむきたくなるよね。むしろ、目を背けたくなるよね。ほんとお疲れ様です。今日、私たちがお家にお邪魔させてもらったことによって、1回分の洗濯しかできなかったのではないかと、少し申し訳ない気持ちになった。余計なお世話。

お昼ごはんには、一緒に作ったおにぎりをみんなで食べた。みんな美味しそうに完食してくれて、本当に嬉しかった。その詳細はまた別途。

お昼を食べ終わってから、近くにある公園へ行こうということになり、こどもたちがめいめい外へ出る準備を始めた。そして気がついた。
さっきまで、裸足もしくは靴下で室内を歩いていたこどもたちが、靴を履いて室内を歩き回っているではないか。玄関から靴を持ってきて、リビングのソファに座って履いている。そのままキッチンを通り抜けて、庭に置いてあるキックボードを取りに行く。そして、庭からキックボードに乗って玄関へ戻る。ママもそれをとがめたり、気にする様子もない。なんて臨機応変な対応。いわゆる神対応ってやつですか。ちなみに、うちの子たちは、そんな彼らの様子を横目で見ながらも、いつも通り玄関で履いていた。それを見てちょっとホッとする私。自分の家で同じことをわが子がしたら、怒り狂うだろうな、私。

公園でめいっぱい遊んでから家に戻り、みんなでアイスタイム。冷凍庫から出てきたアイスはもちろん業務用的ビッグサイズ。コーンも30個くらい入っていそうなやつ。戸棚を開けた際に、お菓子だけでなく、大量の食品ストックが見えた。大家族の食費が気になる。

アイスを食べ終え、時計を見ると17時半。到着したのが11時半頃だったから、途中、公園に行ったとは言え、6時間もお邪魔していたことになる。大家族の家は、他人の私にとっても居心地のよい家だったのだ。しかしそろそろおいとますることにした。

行きは電車で行ったが、帰りは買い物ついでに車で送ってくれると言うので、お言葉に甘えることにした。こどもたちは家で待っているように言われていたが、下の2人がどうしてもついて行きたいとゴネていたので、一緒に行くことになった。そしてやはり、ソファに座って靴を履き、そのままトイレへ行ってから、車に乗り込んでいた。フリースタイル。

靴について以外の点では、外国人だからと驚くような習慣を見ることはなかった。私が勝手にいろんな違いがあるのかもしれないと思っていただけで、実はたいして変わらないのかもしれない。そんなものなんだろう。

兎にも角にも、楽しく満ち足りた1日だった。6時間も英語で会話し続けていたのかと思い、少し自分の成長を感じるとともに、私のブロークンイングリッシュを優しく受け止め理解してくれたマリアに感謝した。ありがとう、マリア。

そんな充実感に浸りながら、ふとつま先を見ると、靴下が破れていた。いつの時点から破れていたのだろうか。。。