知的スクワットの誘い : 黒い箱と抽象概念の話
ブラックボックスと測地学の話をします。 紀元前275年に生まれて、紀元前194年に亡くなったエラトステネスという古代ギリシャの学者がいます。 アレクサンドリア図書館の館長を務めた人物です。 歴史で確認される中では、初めて地球の大きさを計測しました。 紀元前の段階で、数学的な考え方を用いれば、地球の大きさが分かるぞと理解した人がいることは、とても驚かされますし励まされました。
時代がずっと変わって ガリレオの時代やそれ以降、まだ天体望遠鏡が素朴なものだった頃。始めは月の表面が拡大して見えるよって状況から始め、彼らは 紙とペンと数式と理論で 多くのことを「見」ました。科学的な推論を組み立てたわけですよね。
測地学の話にしても、天文学者の話にしても、適切な推論を行えば、遠くまで見えるし遠くまで行けるということを私たちに教えてくれます。
次にブラックボックスの話をします。中に何が入っているか分からないことでお馴染みの、あの箱です。生成系AIの機械学習や回答を出力する過程が、ブラックボックスですよね。
抽象的な話をします。 永遠とか神という概念があります。 ちょっと考えてほしいのですけれども、東京都新宿区なんとか町の何番地にお住まいの神様とか、その斜め向かいに住んでいる永遠さんって存在はいないはずですよね。抽象的な概念なので、そこに具体的に存在したら、抽象的な概念ではなくなるので、いないはずなんです。 私たちは神にしろ永遠にしろおおよそのことは理解はしています。
けれども、例えば 宇宙はダークマダーなど解明されていない問題があるため、宇宙の終わりが来るか分かりません。仮に宇宙が終わったとしても、神や永遠はなくなったら矛盾すると私は考えます。 現れたり消えたりするのであればそれは神ではなくなりますし、始まったり終わったりするのであればそれは永遠とは違うと思うんですよね。あくまで一つの意見です。
このように抽象的な概念といっても、具体的に何かっていうことを私たちは考えないで扱っていると思うんですよね。 考えないでも暮らせるものですし 。抽象的な概念というのは 、今お伝えした永遠や神は、ブラックボックスと似ており、おおよそ分かるけれども分からない部分がある傾向があります。
だから、存在自体を考える形而上学的な考えに慣れておくと、ブラックボックスの扱いに慣れるという効果も期待できます。非常時や未知に対して適切に対応できるはずです。「ここまでは分かる、ここからが分からない」という時に、分からないことも含め、適切に対処する訓練を済ませてあるから、有利です。現在だと 生成系AIのChatGPTなどが いくつもの意味で未知の概念なので、ブラックボックスと呼べるかもしれません 。
さて、ブラックボックスを扱う、抽象的な概念を考えるというのはどんな効果があるでしょうか。解像度が上がるんです 。正解が出る出ないじゃなくて。もう少し具体的に考えると、哲学的なスクワットをやっているようなものなので、考える足腰が鍛えられます。ご想像下さい。寝ても覚めても、移動中も学業や勤務を続けながら、頭の片隅に「永遠は永遠だから永遠で……🧐」と、ずーっと考えるのです。スクワットみたいに、負荷がかかります。
さらに、演繹法を用いること、つまり抽象概念を具体的な事柄に当てはめることで、私たちの思考は深まります。「自由」を「学校の制服を着ること」で考えてみましょう。制服の是非ではなく、制服により何が制限されたかにフォーカスします。まずは、カジュアルな服装出来ませんよね。また、仮に買い食いを禁止している中学生なら、制服でコンビニへ立ち寄りにくいですよね。服装だけでなく、行動面にも影響があります。個人的には、スーツでネクタイをしめるより、詰襟の制服は息が詰まる思いがしました。
考えることが私たちを豊かにしてくれるのであれば、その考える力を養ってくれるのは、抽象概念を用いた哲学的な思考かもしれません。ですので私は、時々、娯楽として知的な関心として、抽象概念や形而上学的な考え方に親しんでいます。スクワットの効果、あるといいなぁ。
BGM
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