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アンガーマネジメントとの13年 : 私の工夫

 も少し具体的に砕くならば、怒りを観られた瞬間、怒りは消えるという。次に怒りが生まれたら、「あっ、怒りだ、怒りだ。これは怒りの感情だ」とすぐに自分を観察してみろと提案する。「今この瞬間、私は気持ちが悪い、これは怒りの感情だ」と外に向いている自分の目を、すぐに内に向けて"観る"ことで、怒りを勉強してみせよという。

「怒らないこと」はスゴ本: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる

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アンガーマネジメントに関する、個人的な取り組みを書きます。怒りを客観視で消す視点を理解し、反復練習で習慣化し、セミオートで(考えずに)行えるようにしました。これが、私の工夫です。

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引用した、2010年4月7日のDainさんの記事を読み、彼のページからAmazonへ飛び、即座に本を買いました。良い記事を書いてくれたことへの、ささやかな返礼です。

私は喜怒哀楽が強めなので、怒りの感情をどうにかしたいと、課題を意識していました。だから、引用した箇所を読んで、探していたものはコレだと勘が働きました。

結論を言えば、本を読んで練習し13年経ちますが、アンガーマネジメントは、Windowsやインターネットの仕組み(TCP/IPやHTMLとリンクなど)の理解や、ドストエフスキー作品を味わったことに匹敵するほど、私の人生に影響を与えました。当時1000円しない本一冊で、これほど恩恵があるとは予想外でした。

知っていることと、実践することは異なります。実践を継続することはさらに困難です。だから、どうしたら継続出来るかを工夫しました。

アンガーマネジメントのテクニックは、自分に合うように工夫する必要があります。なぜかと言うと、我々の感情的な反応は、遺伝・環境・生活習慣・パーソナリティなど、多くの要素が関係するからです。

例えば、私にとって、認知行動療法は「事実は変わらなくても解釈を変えられる」ことを教えてくれるし、練習の仕方も「7つのコラム法(思考記録法)」など充実しており、修得しやすかったです。対してマインドフルネスは、哲学も手法も敬愛しますが、瞑想導入CDが生理的に無理なのと、瞑想するより認知行動療法を反復練習して習慣化する方が、私には向いていました。

認知行動療法とマインドフルネスの優劣を論じたいのではなく、どちらもエビデンスのある技術なのに、相性がありますよね。

アンガーマネジメントを学ぶと、いかに怒るかを選択出来るようになります。激昂するのではなく、指摘や回避を選択出来るようになります。感情を否定するのではなく、感情と向き合う方法を学べます。

アンガーマネジメントは、客観視による外在化に分類出来るでしょう。悲しみと比較してスピードがあり、理性を吹き飛ばすこともある怒りを、理性で客観視するのだから、考えてみれば面白いスキルです。感情と理性の関係を練習出来るから、例えば嫉妬や羨む心も、応用で対処出来ます。

さらに進めると、「それは、あなたの貴重な時間を割く必要が有りますか?」という問いに至ります。世の中には、その方にとって、語る価値のない物事は存在するから、不必要な刺激で心を揺らさずに済むことも、学べます。つまり、頭の中から外に出すことを、学べます。

目にしても心に通さない。
存在に対して反応しない。
精神的に関わらないようにすること。
自分の心を何で満たすか、選ぶこと。
つまり、アンガーマネジメントは、メタ認知の初歩だと思います。

私達は言葉と思考で出来ています。思考で判断して・選択・行動し、行動の積み重ねが実績や人生になります。過去は今の蓄積で、未来はやがて今になるものです。だから、今の言葉と思考が、私達の人生の軌跡になるから、何もその人にとって、嫌なもの・不快なもの・憎いもの・憤怒で彩らなくても、べつの選択肢を選ぶ自由があることを、アンガーマネジメントは教えてくれます。


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