観た話〜東京ゴッドファーザーズ

実は私は自分が赤ちゃんを産むまで、赤ちゃんがかわいいと思ったことがなかった。身近に赤ちゃんや小さな子どもがいなかったのもあり、『未知の生き物』感がすごかった。だから電車で懸命に泣いてる赤ちゃんの声もうるさいと思ってた。結局赤ちゃんがどんな声で泣くかとか、なんで泣くかとか、知らないからうるさく感じてたんだなって気付いた。でも知らなくても赤ちゃんかわいい~って思える人もいるから、それは生まれつきの聖人なんだと思う。

東京ゴッドファーザーズ」は90分のアニメ映画だ。自己紹介に書いたように映画が苦手な私に夫が勧めてくれた作品。(短いから)

メインの登場人物は3人いて、『オッサン(ホームレス)』『心は女性のオッサン(半ホームレス)』『家出少女』で、クリスマスの日に捨てられていた赤ちゃんを見つけて母親のところに連れて行こうとする、というのが大まかなストーリー。

ちなみに夫にこの映画の好きなところを聞いたら「テンポの良さ」とのこと。赤ちゃんの母親の手掛かりのありそうな店に向かう、途中でハプニングに巻き込まれるも偶然助けた人がその店の人で……みたいに、確かにとんとん拍子に話が進む。ご都合主義と言われれば確かにそう。でも小さなハプニングはたくさん起こるけど、多分悪い結末にはならないんだろうな、みたいな安心感を持ちながら見続けられる。アニメ「呪術廻戦」の渋谷事変はどんな風にストーリーが進むのか、怖すぎてネタバレを読んでしまったけど、そんなおどろおどろしさはないし、胸糞悪い展開もない。

家出少女が言葉の通じない女性とやり取りをするシーンもいい。きっと相手がちゃんと聞き取れないとわかってるからこそ、本当の思いを話せたのかもしれない。

子持ち親として一番気になったのは「三人の新生児への抵抗のなさ」。冒頭述べたように、赤ちゃん見つけてすぐかわいい〜ってなるのは身近に子どもがいるか聖人だけだと思う。家出少女はそういう経験なさそうだったし聖人って感じのキャラクターでもなかったけど、育児書まで読み込んでちゃんと適応してるのが不思議だった。
あと「新生児を雪の中連れ回し過ぎでは?」というのも気になったけど、逆にもう少し大きくなったら体力的に無理か……と謎の解釈で納得した。

最後に家出少女はこの話の後家に帰るのか?とか、オッサンはどうやって生活していくのかとか、ちょっとその後を観たくなる終わり方だったのも良かった。総じて映画が苦手な私にも観やすくて面白かった。アニメだからハードルも低いし、私みたいに「映画苦手だけど手っ取り早く面白い作品が観たい」方にオススメ。



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