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【小説】 紅(アカ) 別の世界とその続き 第16話

第16話

リリーは、海からの帰り道に僕にこう言った。
「良いよね〜。海の中の生活。価値の証明が要らないんだって。アンナたちの世界」
「……君はずっとその、価値の証明の話をしているけれど、そんなに重要な事なの?」
「重要だよ! だって自分に価値がなきゃ、何の為に存在しているの?」
「それは……生きるために」
「だから、何で生きているのか、だよ」
僕はリリーの言っている事の意味がよく分からなかった。
何となくは分かるけれど、多分本当の意味では理解していなかった。
僕は曖昧に濁した返事をした。
「う〜ん。何で、なのかな」
僕には正直どうでも良かった。人からの評価とか、あまり興味無い。
リリーにご飯でも食べに行くかと誘ったが、アンナと話せて満足だから今日は帰る。
と言われてしまった。
 
家の前に着くとリリーは手を振ってサッと帰って行った。

 僕は夕飯の買い物に一人で行く事にした。
まだ正直一人でお店に行くのは不安だったが、リリーにあっさり断られてしまったので一人で行くと決めた。
 
 

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