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【はがきサイズの短編】カヨロコビ町のルイルイ テーマ:休校

こんにちは!高木梢です。

今回のテーマは、みなさんご存知の「休校」です!


こんなにシンプルなコトバンクの説明ははじめてです。

休校っていうと、どんなイメージがありますか?私は学校休みだ!と大喜びでした。笑
よかったらコメント欄で教えてくださいね。(YouTuberみたいなことを言ってみたかっただけ笑)



      カヨロコビ町は、町の人が蚊を見ても大喜びすることからつけられた名前です。

  歩くときはスキップ、話すときは楽しい歌を口ずさむように、誰も彼も楽しいことを見つけるのが得意でした。

  そんなカヨロコビ小学校3年2組に、隣町のゾロメナキ町からルイルイという男の子が転校してきました。

  ゾロメナキ町は、ゾロ目を見ただけで恐ろしくて泣いてしまうほど怖がりな人が多い町です。もちろん、ルイルイも大変な怖がりでした。

  カヨロコビ小の子どもたちは、ルイルイを笑顔で大歓迎しました。毎日折り紙の手裏剣やきれいな石をプレゼントしたり、魚がたくさんいる里山の小川や全校生徒でやるドロケイに誘いました。でも、全部「怖いから」と断られてしまいました。

  それでも、カヨロコビ小の子は悲しんだりしませんでした。なぜなら、この町を訪れて笑顔にならない人はいませんでしたからね。

  さて、今日は大雨です。クラスに来ているのは、学校と家が近いルイルイと、隣の席のおさげがかわいいコンちゃんでした。

  9時を過ぎると、ようやく担任のナンデモウレシ先生がサンバを踊りながら入ってきました。

  「今日は大雨のため休校です!オレ!」

  と叫ぶと、くるんと一回転しました。

  コンちゃんはルイルイに言いました。

  「ルイルイ、一緒に帰ろうよ!今日はね、ママがあったかいりんごジュースを作ってくれるんだ。楽しみだなあ。あっ、水たまりを踏みながら歩いてみない?」

  ルイルイはぶるぶる震えながら頭を抱えました。

  「なんて恐ろしい!寒さで死んだらどうする?川に流されたらどうする?こんなときに、楽しいことなんて!考えてもごらんよ、パパもママも、全部なくなってひとりぼっちになった世界を!大雨ならそれができるんだ。ゾロメナキ町では、毎日だれかしら水に溺れていたんだから!」

  コンちゃんは文字通り全部がなくなった世界を想像してみました。すると、背筋がひゅっとし、世界がいきなり真っ黒になった気がしました。生まれてはじめて恐怖を感じ、おびえたコンちゃんはしくしくと泣き出してしまいました。

  いつも笑顔のコンちゃんの悲し涙を初めてみたルイルイは、そりゃあもう大慌てでした。

  「いや、でも、今はそんなこと何も起こっていないじゃないか。あってから考えればいいんだよ、うん。ほら、楽しいことでも考えて元気出そうよ、コンちゃん。そうだ、今日はママがりんごジュースを作ってくれるんじゃないの?」

  りんごジュース!コンちゃんはぴたっと泣きやみました。

  「それもそうね。元気出たわ、ありがとうルイルイ。」

  ルイルイは、ほっと安心して微笑みました。

  すっかり弱くなった雨の中、2人は水たまりを踏みながら歩きました。ルイルイは、なんでぼくがコンちゃんを励ましたんだっけと思いましたが、そんなことはよいのです。今が楽しいのですから。

  一方、コンちゃんは明日の学校が楽しみで仕方ありませんでした。ルイルイの笑顔を見たら、みんなはどれほど驚くことでしょう!


Fin


ここまで読んでくださり、ありがとうございます。素敵な画像をお借りしました。




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