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変化に適応する能力

みなさん、こんにちは。香理経営企画室の末次香理です。お盆明けで、今日からお仕事という人も多いかもしれません!今週は、最古にして最強のビジネス書と言われる「孫子の兵法」に戻りまして、毎日1章づつ、今の仕事につい変えるお話で、みなさんのビジネスライフが少しでも実りがあるものになるように、ブログを書いていこうと思います。


第8章九変篇の概要

九変篇を象徴する言葉として、

「九変の利」に詳しい将軍は軍の扱いをわきまえていると言うべきだが、詳しくない将は、戦場の地形がわかったとしても、その地形を利益のために活かすことができない。軍を率いながら「九変の利」に明るくない将は、「五利」を分かっていても兵たちを十分に活用することができない。

超訳「孫子の兵法」より

九変とは、多様な変化を表しており、「変化に応じて軍の扱いを変えることができる」ことの重要性を説いています。「変化への対応」は、まさしくビジネスの命題、戦略とか計画と言うのは過去の結果を元にして立てられる事が多いので、それが通用しない場合が必ず出てくるのが環境が大きく変化するときです。

表しておりそれぞれの環境でどのように戦うのかを記した章です。戦略や計画を立てて進んでいても、環境の変化により対応を変えなくてはいけない場合があります。今日はこの内容をわかりやすい物語にしてみました。

和菓子屋「橙月堂」2代目社長きこの挑戦

江戸時代から続く老舗和菓子屋「橙月堂」。3代目社長の佐藤きこ(35歳)は、先代から店を引き継いで5年目を迎えていました。

橙月堂は、長年変わらぬ味で地元の人々に愛されてきました。しかし最近、若い世代の和菓子離れが進み、売上が徐々に落ちていました。

ある日、ヨーロッパで修行し、有名ホテルで名を上げたパティシエ「風見賢吾」がプロデュースする「パティスリー風見」が橙月堂と目と鼻の先にオープンすると言う情報を耳にしました。風見本人がサーブするカフェも併設しテイクアウトだけではなくイートインもできるらしいと言う話で、きこは売り上げへの影響を考えると頭を抱えました。

そして、橙月堂の未来について深く考えるようになりました。ある日、同級生で経営コンサル会社に就職した斎藤佑に相談を持ちかけたところ、「伝統を守ることも大切だけれど、変化に対応した戦略を立てるべきだよ」と一緒に「橙月堂」の戦略を考えてくれました。二人で考えた戦略は以下のようなものでした。

  1. 顧客の分析:現在の顧客と潜在的な顧客のニーズを徹底的に調査。

  2. 新商品開発:伝統的な味を基礎としつつ、現代風にアレンジした新商品の開発。

  3. 販売チャネルの拡大:オンラインショップの開設と、SNSを活用した情報発信。

  4. 職人の育成:伝統技術の継承と同時に、新しい技術も積極的に学ぶ機会を設ける。若手の採用を行う

しかし、この戦略に対して店の職人たちから反発の声が上がりました。「伝統を壊すのか」と批判の声もありました。

きこは冷静に従業品に語りかけました。

「私たちの目的は伝統を守ることです。しかし、そのためには変化も必要なのです。オープンするライバル店では、有名パティシエと言う強力なブランド力で売り上げを伸ばそうとしています。私たちにできることは、今までお客様として来てくださった方ともう一度コミュニケーションをとって、新しいニーズを調査し、それを商品に反映させることです。それから、今はもうこの地域には住んでいないけれど、昔食べていたお菓子を通販で食べたいと言う人は多いはずです。そういったニーズに応えていかなければ、この店に未来はありません。私も学びますが、みなさんもぜひ新しい技術や今のニーズにあったお菓子の開発に協力をしてもらえないでしょうか。」

きこは職人たちと対話を重ね、少しずつ理解を得ていきました。そして、次のような具体的な施策を決めて実行しました。

  1. 季節限定の「和洋折衷スイーツ」の開発:抹茶クリーム大福など

  2. パティシエとのコラボレーション商品の発売

  3. 和菓子作り体験教室の開催:伝統技術を体験できる場を提供する

  4. SNSを活用したキャンペーンの実施。

きこはライバル店のパティスリー風見に出向き、風見賢吾とコラボ企画の商品開発を提案。お互いの良さや伝統と新しさのマッチした他では真似できない商品を開発することに成功した。さらに、この取り組みは地域活性化にもつながる良い事例として、メディアにも取り上げられ、橙月堂は徐々に若い世代にも支持されるようになりました。また、伝統的なファンも、自分たちのニーズを丁寧に調査してくれた後にできた商品ということで、好意的に受け止められました。反対していた、職人たちも若手の育成に取り組むことで、人手不足や後継者不足が解消されたと喜ぶようになりました。

1年後、松月堂の売上は150%増加。店頭には若いカップルの姿も増え、にぎわいを取り戻しました。

このストーリー、いかがだったでしょうか?伝統産業では多かれ少なかれ直面している問題ではないかと思います。また私たちの毎日の仕事の面でも、
「常に変化」を自分なりに取り入れて、いく事が必要不可欠です。

明日は、9章の行軍篇です!

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