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『レジェンド&バタフライ』

新暦と旧暦の違いはあれど、6月2日は本能寺の変。

ということで、AmazonPrimeで観賞。

ツカミはOKとはいかない感じで、イマイチ没頭しきれないまま進んでいく『レジェンド&バタフライ』

軽いタッチで信長と帰蝶の祝言から始まるのだけど、キムタクはアラフィフ、綾瀬はるかさんはアラフォーで貫禄が勝ってしまって軽々な雰囲気を感じさせない。

帰蝶に組み敷かれて痛めつけられる信長。

はい、ここ笑う所ですよ。

と無理矢理つくられても、クスリともしないし。

別にこちとら、織田信長で笑いが欲しいわけじゃないのよ。

もう、何なら、どうせキムタク使うんならチカラ一杯カッコいい信長にしてくれても良いんだよ、なんて消化不良気味。

伊達に大河ドラマの歴代信長見てきた訳じゃないんだから、もうどんだけ手垢がついてるかは知ってるし、目新しい信長像を作ろうと思っても、よっぽどブッ飛んだことしないと無理だとは思っている。

(白兎追いかける第六天魔王の今年の信長様とかね)

だから、それだったら、スタンダードな信長をスタイリッシュに見せてくれよ、って思ったりして。

帰蝶の前では情けない素の姿を見せる信長。

それって新しくないし。

それをコメディタッチで描いているけど、ごめん、個人的になかなかハマってこない。

ここまでで30分経過。

中谷美紀さんと伊藤英明さんはやっぱり芸達者。

つい、目が行ってしまう。

そして、和田正人君が美味しい役だし、上手だし。

「お主の役目は、俺の妻じゃあ!」

なんて言われても、今までドタバタと反発しあってただけなので、二人の心の機微がわからない。

えっ、私、ひょっとして、主演ふたりに厳しいですか?

あんまり好きじゃないの、バレてますか?

まあ、そんなこんなで、ストーリーは桶狭間へ。

この辺りから、シリアスモードに入り、木村拓哉&綾瀬はるかの面目躍如!

こうなると迫力が違うと思わせてくれる。

個人的に思うのだけど、3時間近いストーリーにする必要はあったんだろうか?

桶狭間終了で、残り2時間程だったから、祝言部分は無くても良かったんじゃね?

なんて思ってしまうのだけど。

いや、あくまで個人的意見だけど。

大体、何処を睨んでの作品だったのだろ?

昔から大河ドラマや司馬遼太郎で、織田信長に慣れ親しんできたシニアには、このタイトルは如何なものかと思うし、かと言って、若い人には余計にわかりにくいよね。

絶対にタイトル、ダサすぎだわ〜。

確かに織田信長は、日本歴史上のレジェンドだし、濃姫の名前は帰蝶というのが通説だからバタフライなんだろうけど、何か勿体ない気がする。

タイトル如何では、もう少し取っ付きやすかったんじゃ無かろうか?

あと、3時間の長尺。

私は香港映画で育ったので、映画は『映画大好きポンポさん』のポンポさんが言うように、90分程で集中力が切れる。

2時間なら観に行くけど、2時間半ならちょっと悩む。

それを3時間近くって。

集中力は無くなるは、腰は痛くなるわ、トイレだって持つか不安、なんて思うとよほどの事が無いと行かないなぁ。

で、話を戻すと、気持ちを素直に言葉にすることが出来なくて右往左往する大人達の中で、森蘭丸が一番しっかりしてる。

「天下布武のためでござりまする!」

言い切っちゃう潔さ。

さすが森家の男子!

って、森家への贔屓目だけだけど。

にしても、この信長さんとお蘭は『戦国鍋TV』みたく「天守閣は吹き抜け構造〜♪」なんて歌いそうもない。

と言いながら、『戦国鍋TV』での推しは『天正遣欧少年使節』と『兵衛'z』だったりする♡

あと、宮川氷魚君はとても好きな俳優さんの1人だけど、流石に金柑頭じゃないし、どう見ても信長様より年上じゃないし。

何故、氷魚君だったんだろ?

これがジャニなら、ゴリ押し?とかって思うけど、気持ちとしては伊藤英明さんのほうが、もしくは家康役の斎藤工さんのほうが、なんて思ってしまう。

キャスティングって絶対に大切だと思うんですよ。

例えば『燃えよ剣』

岡田准一君はとても上手だし、実際に武闘家だし、新選組副長土方歳三にはうってつけだけど、何故周りを皆、高身長で固めたんだよ?

いや、どの役者さんもニンに合ってて素晴らしかったんだけど、それにしても…

実際の土方さんは、近藤さんより髷ひとつ分高かった、って証言もあるのに、近藤さんと並ぶたび、他の隊士と並ぶたび「土方さんちっちゃ!」って現実に引き戻されてしまった。

今回も、氷魚君が頑張るたびに、「明智、毛量多いな」なんて、要らん事を考えてしまって…

個人的には、ちょっと斬新で幸せなラストかなと思わせたままだと嬉しかったかな。

歴史を変えない、ラストのラストは必要だったのかもしれないけど、ちょうど冗長化な終わり方だと思ってしまった。

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