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肩書きのないパーソナルトレーナー【自己紹介とやりたいことと】後編

はじめまして。神宅謙一郎と申します。WaGaGoToプランニングという屋号で採用・人事・離職防止のパーソナルトレーナーを営んでいる個人事業主です。自分のプロフィールとやりたいことをつづったnoteが長すぎて。前編後編にわけたお話の後編です。今までのプロフィールにご興味がわいていただいた方は、以下のリンクをご覧いただけますと嬉しいです。

肩書きがないから感じられたこと、できること

「リクルート時代になんの肩書きもなかった人の言う事を(受講者が)信用するとでも思っているのですか?」
将来の独立を考えて研修講師になろうかと、研修会社の委託トレーナーに応募したとき、面接官にはっきりと言われた言葉。鮮明に覚えています。辛らつな言葉ですが、冷静になって的を得ているなと思いました。

たしかにMVPをとったこともない、役職もマネージャーどまり(それもたかが1年半)。在籍23年をほとんどプレイヤーで過ごし「フィールドマーケティング」「五感マーケティング(※)」を徹底的に続けてきました。現場で感じ見聞きしたことを形にして周りに伝播する「琵琶法師」として、営業現場と商品開発をつないできました。

現場で得た事実、顧客の声、実行した解決策、周囲の人が成功させた解決策もたくさん取材しました。幸いにも異様に記憶力がよく、人が結果オーライでとらえがちな出来事の構造を因子分解し、体系的に整理して資料におこすことは得意で。事実とその整理した内容を自分でのみこんで、いったん租借したことを第三者が再現できるように展開する能力は負けない自負はあります。18年間の「琵琶法師」活動が自分の肩書きみたいなもんです。

「机上の設計より現場で感じた五感を信じて大切にする」
「マーケティングとは仮説に対しての検証、答え合わせ」

これは関西企画時代に、生まれて初めてマーケティングとは何か?を教えていただいた阪本啓一さん(株式会社JOYWOW代表)に言われた言葉です。30年以上前ですが、今でも自分の中のよりどころです。

15年たって、余計ひどくなる地方企業の現状を何とかしたい

独立してからもとにかく地方を駆け回りました。ご紹介いただくお仕事はすべてフルスイングで取り組み、正直自分には荷が重い案件も勉強と思ってお受けし、逆にご迷惑をおかけしてしまったこともありました。この場を借りてお詫びします。

日本中を駆けずり回って感じたことは、状況は15年前よりひどくなっているということ。働き方改革、少子化、未曽有の採用難、若手不足、コロナのおかげで頼っていた外国からの援軍が来ないことも相まって危機感は増し、テクノロジー化に出遅れまいと見切り発車をしたことが失敗を招いている企業も散見されました。場合によっては騙されたとは言わないまでも、多額のお金を支払ってしくじっている企業にも遭遇しました。

企業の採用支援を23社、採用支援セミナーはオンラインも含めると40本以上、その都度企業さんの課題を伺いアドバイスを送りました。一例をご紹介します。

300万円の採用サイトがただの張りぼての箱に

地元でも有名な製造メーカーは、時代は採用サイトだと聞いて知り合いの紹介で東京のセミナーに参加。そこで採用サイトが無いと採用できずお先真っ暗だと吹き込まれ、費やしたお金は300万円。立派なサイトはできたもののこまかなメンテナンスに都度お金がかかるため全く更新もできず、求人票も出しっぱなしでIndeedへの有料配信もやめてしまったと。

セミナーで求人オウンドメディアを無料でも立ち上げられる話をお伝えしたら目からうろこで、まずはアカウントをとって自分で初めて見ることにすると。東京ではあれだけCMをやっているが、ローカル局しかない地方はチャンネル自体も少なくそのCMを見たこともないという。

教育研修システム導入も利用率は10%

従業員の満足度を上げるために、いつでもどこでもスマートフォンから受講できる教育研修システムを入れたはいいが、ふたを開けてみれば受講率は10%程度。そもそもお勉強が嫌いな日本人に機会提供しただけでは自主学習全く進まない。「いまなら助成金で回収ができる」と言われるがままに、どう使うかの設計も無きままの見切り導入。

今更遅いが、ゲーム要素や教えあい要素のあるツールを使えば社長がやりたい事も叶ったのではと思うと残念でならなかった。

離職防止アプリもギガの壁で使われず

離職をとめるためには社員のコミュニケーション!と社内SNSタイプのコミュニケーションツールを入れた物流会社。アプリをダウンロードすればスマホからも入力できるのだが、スマホの会社支給制度がないため利用はマイスマホから限定。パケホーダイではない人が多いドライバーはギガの消費を嫌って使わず。本来やりたかったドライバーと内勤スタッフのコミュニケーションが全くかなわず何のために入れたのかがわからなくなる。

逆にこんなアプリを使わなくても、壁新聞と紙の社内報で情報流通をさせて、月一度の昼食会で親睦を図って離職防止をしている物流会社もある。何でもかんでも流行りものに手を出すことが正しいとは限らない。こういったことも課題解決のボタンが掛け違うと発生する。

受付スタッフが辞めたいと漏らすクリニック

新しく入った受付スタッフが辞めたいと漏らすが理由がわからないという知り合いの歯科医。インタビューと称してこっそり話を聞くと、予約制なのだがいまだに電話で受け付けて紙の台帳に書く仕組みになっており、電話が苦手なのと字が汚いのでつらいと。以前勤めていたクリニックみたいにシステムを入れて欲しいがいくらお金がかかるかわからないので言い出せないのだという。

サブスクの簡単な予約受付のクラウドシステムを入れてみたら解決するのではとアドバイスしたところ、スタッフの不安が解消されて離職はストップ。年代の近い院長先生はシステムに疎く、そこまで考えが及ばなかったらしいです。月額費用は飲み代1回くらい。ちょっとしたことで課題解決してほっとされていました。解決できてよかったと思っています。

解消したいのはデジタルツールの「食わず嫌い」

上記の相談事例の発生理由は微妙に違えど、情報が少ないことや、教えてもらう環境がないこと、そもそも経営者や担当者自身がデジタルツールの「食わず嫌い」をしていることに起因しているのではないかと思います。

でもあらためて考えると、日常生活の中で知らず知らずに、デジタルツールを使って便利に生活しているはずです。

たとえば知らない街で飲食店を探すとき、Googleでお店を検索し評価点数を気にしながら、予約可能な時間をカレンダーから選んでボタンを押す
出張先のホテルも複数のホテルとプランを比較してボタン一つで予約する。タクシーも流しを待たずに配車アプリで呼んで乗り込む。

家族との会話は電話よりLINEを使い、自分の写真にうさぎの耳をつけてみたりしながらお孫さんとの動画通話が楽しみになっていたりする。
趣味のゴルフでも打ちっぱなしやシミュレーターでスイングスピードや球筋角度を測定しフォームを修正したり、スマートウォッチでジョギングやトレーニングのデータを測定している人もいるのではないでしょうか?

実は日常生活ではデジタルツールを自然に受け入れ、データやテクノロジーで日常生活は非常に便利になっているのに、仕事となるとデジタルツールの導入に躊躇し、職場が一向に便利にならないのはなぜでしょうか?

職場テクノロジーが最も急角度で進化している領域

実は、採用や職場の情報伝達システム、経理・労務・人事管理に至るまでのいわゆる職場DXは世の中の仕組みの中でデジタル化が最も遅れてやってきて、それだけに進化の変化角度も急になっています。
家電話が携帯からスマホになりLINE電話になり、飲食店が予約サイトへの電話予約から緩やかにネット上での予約、事前決裁など段階的に進化したのに対して、タイムカードがいきなりクラウドの時間管理ツールになればそれはだれでも驚くのはアタリマエです。

そのうえ、クラウドやSaaSやコンバージョンやKPIやとやたらとイキった横文字や3文字略語が多く、わからないうえに、セルフサービスが多く、かつ教えてくれる人がはるか年下で、しかも訪問してこない。そう言った要素が絡み合ってアレルギー反応を強くしているのではないかと思うのです。

でも導入することで格段に生産性が上がり、わからないことが解明し、できないことができるようになる素晴らしいつツールでもあります。そして日常に照らし合わせて少し勇気をもってやってみれば、意外と簡単にできたり。まさに「食わず嫌い」が解消されるものだったりします。

肩書きはないけど、ど文系のおっさんだから伝えられること

私はまったくの文系出身、どちらか言うとネット音痴です。40代半ばで「現場に明るいから」という理由でデジタル商品開発部(メディアプロデュース部)に配属され、営業企画担当として商品の営業戦略、いかに全国各地のj元企業に「はたらいく」というネット求人サービスを使ってもらうかの戦略を考える立場になりました。

はじめてのSaaS、はじめてのクラウド、職場の横に座る20代の開発メンバーが笑うほど必死のパッチで本を読んで、開発の彼らに時間をもらって単語の意味や原理について質問もして。その結果、やっている事の本質は実は30年間全く変わって無く、届け方や進め方がデジタルというラッピングをされているだけ、ということに気づきました。翻訳さえしっかりできれば、このラッピングをきれいに開くことができるということに気づいた次第です。

私も独立前の5年間、採用代行とコンサルタントの最大手企業ツナググループHDに在籍し、その間に日本で勃興したさまざまなHRテクノロジーの研究を行いました。社内のコンサルタントが担当するエンタープライズ企業へ最適なテックサービスを提供するため、多数のHRテック企業にコンタクトをとり、説明を聞き、サービスの効能分析と、優劣ではなく導入企業傾向の向き不向きという意味合いで比較検討も行いました。

私の活動の本丸である採用の世界も、オウンドメディアリクルーティングやダイレクトスカウトと言った新たなサービスが覇権をとろうとしており、2月にはIndeed PLUSという未知のサービスの展開が始まります。
セルフサービス化はさらに進み、逆に言うと今が「食わず嫌い」をなくす絶好のチャンスではないかと思います。

私には肩書きはありません。肩書きがないからどこかの肩を持つといった偏りもありません。HR企業の営業企画歴が長いのでHR企業が持っている癖や課題も知っています(※)。そして全国行脚での顧客接点、パーソナルトレーナーとしての実務経験、HRテクノロジーツールの知識はあります。それが肩書きがわりの強みです。

頑張る企業をサポートする採用・人事・離職防止のパーソナルトレーナーとして、HRテクノロジーの便利さを伝える「琵琶法師」として、このnoteやそのほかの発信機会を通じて、同年代経営者・人事担当者のデジタルツール「食わず嫌い」をなくす活動を進めていきたいと思っています。


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