見出し画像

漢方薬ではなく生薬を学ぶ

『漢方を学びたいです』といって実習に来たり、面接にくる人がいます。
おそらくほとんどの人は“葛根湯”や“小青竜湯”などという『処方』を学んでしまい、"風邪=葛根湯”というような病名で漢方薬の処方を選んでしまっていると思います。
実際は処方ではなく、漢方薬を構成している『生薬(しょうやく)』ひとつひとつの効能を覚え、さらにそれらを組み立てることを覚え、その結果『処方』を覚えることにつながるのです。

■生薬ってなんぞや!!!■

『生薬』とは漢方薬を構成している植物たちのことで主に種やら根っこやら葉っぱやらのことです。ほかにも虫やら、鉱物やら動物の〇〇やら・・・自然界にある様々のものを使用します。
入職して初日は漢字テストから始まるのが現在の職場での恒例行事なのですが、私は開局以来の最低点数をとった人間だそうです(笑

■どうやって覚えるの~~~■

では、その生薬たちの効能をどう覚えるのか。
生薬の数、いくつあるのか。
とにかくいっぱいあります。現勤務先だけでも数百は常時使用しています。
私は現在の勤務先で無知な状態から実戦で学び始めたので他の薬局を知りませんし、基本的に今扱っている生薬しか知らないといってもいいような程度です。

生薬ボトル

↑の写真は今の勤務先で扱っている生薬の一部です。
よーく見ると生薬名の下に緑や青、赤で四字熟語のような漢字が書いてあるのですが、これが生薬の効能効果です。

例えば...

画像2

陳皮(ちんぴ)ですが、生薬辞典によると
ミカン科オオベニミカンその他同族植物の成熟果皮
帰経:脾・肺(五臓のどこに作用するか)
効能:理気健脾・燥湿化痰
と記載されています。要は、
『消化器呼吸器系に作用しておなか元気にして湿気を軽減したりするよー』
という役割をする生薬という意味です。
帰経と効能を覚えて、その人に必要なものを選んでいくといった具合です。
しかーし、常用するものは良しとしても、全部なんて到底覚えられるはずもないわけです。なので、こうしてボトルに記載されていたりするし、常に生薬辞典を見て確認したりするわけです。
私は登録販売者なので、生薬の組み合わせを実際に確定することはできないので薬剤師の許可をもらいますが、市販の第二類医薬品でも内容生薬を確認して、ある程度効果効能を理解することは必須なので覚えて損はないと思います。

■私の相棒■

実際に職場でも自宅でも愛用しているの生薬辞典がこちらです↓↓↓

中薬学

新書でも中古でも、だいたい同じで8500円ほどします。
たっか!!!!
基本、漢方薬の専門書はお高いです。まぁ漢方に限らず専門書は本当にお高いです。困ります。誰か値下げしてください。
漢方薬を本格的に勉強したいならば、この本は必須といっても過言ではありません。

■最後に■

今回は簡単に生薬とは~という感じでしたが今後、ひとつひとつの生薬について本に書いてある説明から、実際に現場でどのように使っているかなどをご紹介できればと思います。
マニアックな内容なので、気になる方は楽しみにしていてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?