01「売れる企画の立て方」基礎編VOL.01
文頭でお断りしておきます。10,000文字ぐらいの読み物です。売れる企画の技術習得は武道の黒帯取得のような話。本気で「売れる企画を立てたい」「売れる商品を作りたい」と思っていない人が、軽い気持ちで読んで、冗談半分でやって、事故をしたり、怪我をしたりしないように有料マガジンにしてあります。内容も本気でやらないと身につかない「売れる企画の技術習得内容」なので、軽くありません。
● はじめに
「風が吹けば桶屋が儲かる」という言葉があります。風が吹けば砂が舞い上がり、砂が目に入り、目が悪くなる人が増え、そのため三味線弾きで生計を立てる人が増え、三味線が売れる。
三味線には猫の皮が必要だから猫が捕られ、それによってネズミが増え、桶がかじられて、桶屋が儲かる。一見,関係のないところに因果関係があることを示す「ことわざ」です。
【 円安 】という言葉を聞いたことがあると思います。ドルやユーロに対して、円の価値が下がると「インフレ」が起こる。インフレが起こると「物価(モノの値段)が上がりだす」・・・
こうなると「銀行」の貸し渋りが起こり、結果的に「リストラ」が あちらこちらで起こり始め「就職氷河期時代」がやって来る。働く場所がドンドン減って、世の中がタイヘンなことになる。
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その目安が「円安」です。「1ドル=125円」がボーダーライン。「1ドル=126円」を越えてしまったら、日本中の企業でリストラの嵐が始まり、就職氷河期時代が始まるサイン。
「円安」の代表的な時期は、2002年ごろ、1992年ごろ、1983年ごろ。日本中がタイヘンなことになりました。そして 今、間もなく そういう「大不況のスタートスイッチ」が入ろうとしている。
まず、この「円安=125円」という言葉だけ 記憶に留めておいてください。「1ドル=126円」になったら、大不景気、大リストラ、就職氷河期時代が来る。そのことだけ覚えておいてください。
それがわかれば、なぜ、私が 慌てて このシリーズを書こうとしているのか?も 見えてくると思います。このマガジンは2週間ほどで 一気に書き上げました。今、それほどの緊急事態が迫っているからです。
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--- こんな時期だろうが 売れまくっているところは 売れまくっている ---
(1)この時代・時期に売れまくっているところの発見
1)こんな状況でも売れまくっているところがある。この重要ポイントに気づいていない人は、どんな「アイデア」を出しても上手く行かない。
2)売れるもの・売れる店舗ばかり用意して成功をおさめている開発ディレクターが、何十人もいる企業やアライアンスグループも存在している。
3)こういう企業やアライアンスグループでは「営業をしている人」を「情報収集担当者」「企画のブラッシュアップ担当者」として扱っている。
4)売れない人たちは「企画」というものに対して、どこか根本的な錯覚をして「企画=宝くじのように当たりハズレがある」と思い込んでいる。
(2)売れているところだけが、売れている理由
5)百貨店に勤務していたバブル崩壊の時代にも「売れまくっているところだけ」が売れまくっていて、少し違うことをやっているところは、まるで売れていなかった。
6)百貨店の各フロアに、それぞれ同じように「そこだけ売れまくっている」といった「ところ」や「もの」が存在していた。そして売れていないところは売れていなかった。
7)各フロアの売れている売場や商品ばかりを、毎日、店内リサーチの度に見て回っているうちに「成功する企画のパターンのようなもの」があることに気づいた。
8)どうやら「売れまくっているところ」は、どこも共通して「売れていないところとは違っている、売れてまくっているところに共通したパターン」が存在していた。
9)「売れまくっているところ」は、ひとつの例外もなく「中期的な流行(トレンド)の研究」を、恐ろしいほどしているという1つめの共通パターンが存在していた。
10)「売れまくっているところ」は、ひとつの例外もなく「店頭で試験販売のような調査」を行い「お客さんの好み」に徹底して微調整する2つめのパターンが存在していた。
11)「売れまくっているところ」は、ひとつの例外もなく「自分の得意なことにこだわる」というより「お客さんの好み」に徹底して合わせていく3つめのパターンが存在していた。
(3)売れているところが共通して行っていること
12)当時、私は「マーケティング部門=販売促進企画部門」に所属していたので「このパターンを自分の企画パターンに持ち込めないか?」という研究を始めた。
13)売れる企画を立て続けられる「マーケティング部門の人間」は、給料もボーナスも上がる。私は、少しでも良い給与が欲しくて必死になって研究を続けていった。
14)「その企画で売れるのか?」が わかる人間でなければ「売れる企画」はできないということが、売れまくっているところの人達と話すことで少しずつ見えてきた。
15)企画というものは「芸術」でも「技術自慢」でもない。ましてや「権威や権力」を、どれだけもっていてもできない。「売れる=本当の企画」ということが解った。
16)「店舗」「スタッフ教育」「広告・広報・SNS情報」といったものは「コンセプト主導」で作り上げていかないと、売れる状態が作れない。
17)逆に「商品」に関しては「トレンド」×「お客さんの好み」に徹底して微調整しているうちに「自然発生的にあぶり出されてくる核心=コンセプト」ができる。
18)「売れる主力商品」のコンセプトを「店舗」「スタッフ教育」「広告・広報・SNS情報」に反映しているところは、非常に強い。この一貫性が強さを生み出す。
19)企画は迷路のように解りにくい。一度、迷っただけで、すぐに迷宮に入り込む。しかし、絶対パターンに沿っているところは、成功パターンを崩さずに売れ続けている。
(4)「売れているのか?」に徹底的に、こだわる。
20)私もまた、長い間、売れるかどうか? がサッパリ解らなかった。だからこそ「マーケティングの専門書」を読みまくった「頭でっかちの小理屈野郎」だった。
21)難しい専門用語や、マーケティングの難しそうな理屈をベースに組み立ててプレゼンができても、私の企画はサッパリ売れなかった。売れない=まったく評価されなかった。
22)私は、どうしても「売れるかどうか?」がわかるようになりたかった。だからこそ、毎日、毎日、自分が勤める百貨店の売場を巡回して、売場という売場を見まくった。
23)そうし続けているうちに「私が好き」とか「私がキライ」といった「個人的な自分だけの好み」といった感覚を「捨ててしまうこと」ができるようになっていった。
24)「売れるかどうかがわからない最大の理由」は「自分の判断・自分の好み」で「売れるかどうかを決めよう」とするワガママともいえる「自我」「自己満足」の感覚だった。
25)「売れるかどうか?」は、自分や、自分の上司といった提供する側が決めるのではなく「ユーザーにしか決める権利がない」ということがハッキリしてきた。
26)ユーザーは「どういう【感じ方】をするのか?」のみを調査することに徹したら、いろいろな成功企画を立てるノウハウが生まれてきた。そして「売れるかどうか?」もわかってきた。
(5)自分に必要で好きになったモノしか買わない。
27)「売れるかどうか?」は、しっかり努力しさえすれば、誰にでもわかるようになる「技術」のようなもの。しかし、努力なし・ケチ臭い努力でパッと何とかしようとするから難しい。
28)「売れるかどうかは、やってみないとわからない」という感覚が定番化しているが、それは大間違い。自分の好き嫌いの感覚を混ぜるから行方不明になってしまうだけ。
29)プランニングやブランディングにおいて、自分の好み・好き嫌いほど「邪魔」になるものはない。自分の好き嫌いの感覚を消し去ってしまったうえで「調査」しないと何も見えない。
30)ユーザーの「好み」=「買う気持ち」は、直接、聞きさえすれば誰にでも、いくらでも解る。ユーザーは「自分に必要×自分が好き」なモノやコトに、お金を払っているだけ。
(6)プランニング・ブランディングの再定義
31)仕事で何を最重要に考えるか? の問には「売れる状態に持ち込むこと」と答えるべし。基本的にプランニング・ブランディングの基本中の基本はこれだけと考えた方が良い。
32)プランニング・ブランディングとは「今まであった いくつもの方法を、その目的のために再度、仕立て直して使い直す」ということ。新しい手法を思いつくことではない。
33)そのプランニング・ブランディングを受けて「お金を払う側(ユーザー)」に「ワクワク感」「安定感・安心感」「お値段以上」の3つを揃えておく必要がある。
34)プランニングとは「確実に成果を出す(成功する)ことを証明するための、試行錯誤の手順と作業の総称のこと」で「思いつき」や「アイデア」のことではない。
35)プランニングとは「状況判断の結果」に対する「対策」のことでしかない。つまり「状況判断能力」を突き抜けるまで磨くことこそが「企画立案の根幹」になってくる。
36)ここに書かれたことが【無意識】に思考に反映され【惰性】で、これらの行動ができるようになって、始めて「企画能力」が身についたと言える状態になる。
37)中身がどれだけ素晴らしくとも、見た目に ステキと感じない状態のプランをしたら、中身まで たいした内容ではないという評価になる。企画書の見た目(デザイン)は、かなり重要。
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企画業務をされている方への「ハイクラス企画理論」
企画上級者向け【 本当に売れる企画の作り方 】
ここに ご案内する内容は、正直、一般の方向けに書いたものではありません。1989年よりスタートした、6ヶ月コース(合計受講料 330,000円/1名)の「超実践・売れる企画セミナー」は、今年で開催33年めとなります。数年間、2クラス同時開催をしていた時期もあり、現在、98期の受講生を迎え開催を続けています。
「商品開発プロジェクトリーダー」「店舗開発プロジェクトリーダー」「営業支援責任者」「販売スペシャリスト」「販売促進企画担当者」「営業促進企画担当者」「広告制作デザイナー」「商品パッケージデザイナー」といった方々を育て続け、受講生は1,500名を超えています。
開催当初から、絶対王者の君臨するビール業界で、革命的な開発とうたわれた「アサヒ・スーパードライ」が誕生した実績を始め、バームクーヘンの「クラブ・ハリエ」1号店(店舗開発指導)の立ち上げほか、保険業界でMDRT獲得者を数多く排出するなど、多くの企業から派遣されてきた受講生を育て続けてきました。
ここ数年、オンラインでのセミナー開催となっていますが、卒業生の方々の生み出す業績は例外なく向上しています。世界中が「流行病」で世界中の経済が失速。日本も例外ではありませんが、このセミナーを受講した方々は、この流行り病の中でも「卒業生全員の業績はアップしている」のです。
1900年代、このセミナーに参加されたのは基本的に、企業から派遣されてきた方々ばかり。開発や企画の部署の先輩方全員が、このセミナーの受講者であり、新しく入ってきた方々に「共通語・共通感覚」が通じるようにして欲しい、といった要請を受けて開催を続けてきました。
当然ながら、企画や開発、プロジェクトのリーダーを「今後任されていくだろう方々」も少なくなかったわけです。そして、こういう方々と、いまだに「OB会」でつながっています。2000年代に入り、少しずつ「それまでのスパルタ式スタイル」を進化させ「マネジメント化」してきました。
そして、2020年。完全に「オンライン×リアルのハイブリット化」を行い「オンライン上」であっても「業績を上げるパターンを身につけていただくノウハウ」を確立しています。こういうセミナーの卒塾生たちから「次のステップを学びたい」とリクエストをいただくことになりました。
受講当時「主任クラス」だった、みなさんが必ずご存知の大手食品メーカーの営業マン。この方は現在「インターネット販売部門の部長」になっていらっしゃいます。また、ヘッドハンティングされ「アジアを代表する流通販売企業」のプライベートブランドの開発を任されている商品開発マンもいらっしゃいます。
世界を代表する「便器メーカー」の本社で、全国の営業マン支援のプランを任されている方もいらっしゃいます。受講当時、トップセールスマンだった方が独立起業して「ホームページ制作会社」の経営者となった。といった方もいらっしゃいます。いってみれば、全員が「企画のプロ」という立場。
他にも「企画セミナーの講師」をつとめ、企画の立て方を教え「受講生の業績を数倍に伸ばしている」といった方もいらっしゃいます。そういう方々からの要請を受け「本当に売れる企画の立て方」というものをご案内することになってしまいました。なので内容はかなり難しいものです。
今現在、何らかのプロジェクトを任される立場になっているが、なかなか業績が上がらない・・・ といった方々にとっては、かなりお役に立てる内容だと思います。しかし、企画の初心者向きではありません。「企画の立て方入門」ではなく上級者対象の「企画の精度の上げ方」のみ記載してあります。
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さらに、この内容に関しては「有料のノウハウ」として公開することになります。繰り返しますが「当方が主任講師を勤めるセミナーの卒塾生、数名のために公開する企画精度向上のための有料ノウハウ」ということをご案内して、このシリーズ(46のSectionのシリーズ)をスタートしたいと思います。
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次回予告
● Chapter-01「企画の真理」と「企画の技術」
Section-01「底の抜けたバケツで水は汲めない」
最近、やたらと「プランニング」だの「企画」だのという言葉を経営者が使い始めています。これは、言ってみれば、時代サイクルの「恒例行事」のようなもの。景気が後退する度に、またもや同じことが起こっているといったところでしょう。
そして、景気後退の度に・・・・・・
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02話 「売れる企画の立て方」基礎編VOL.02
○ Section-01〜Section-03 へ
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ここから先は
ここにご案内する内容は、正直、一般の方向けに書いたものではありません。1989年よりスタートした、6ヶ月コースの「超実践・売れる企画セミナ…
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