06「売れる企画の立て方」基礎編VOL.06
文頭でお断りしておきます。10,000文字ぐらいの読み物です。売れる企画の技術習得は武道の黒帯取得のような話。本気で「売れる企画を立てたい」「売れる商品を作りたい」と思っていない人が、軽い気持ちで読んで、冗談半分でやって、事故をしたり、怪我をしたりしないように有料マガジンにしてあります。内容も本気でやらないと身につかない「売れる企画の技術習得内容」なので、軽くありません。
---------------------------------------------------------------
「Section48までのシリーズをフルで読みたい放題 お得読み」のお申し込み
-------------------------------------------------------
前回 05話 「売れる企画の立て方」基礎編VOL.05
○ Section-10〜Section-13 より
-------------------------------------------------------
● Chapter-01「企画の真理」と「企画の技術」
Section-14 企画と「人の思い」
色々な角度から「企画観」=「潜在意識的な8,500/9,000/1日の判断」=「無意識の惰性判断」=「潜在意識での判断」について、ご案内をしてきましたが、あまりにも多用な姿があるので驚いたという人も少なくないだろうと思います。
当然のことながら、これだけ色々なものがあると、もう、わけがわからないといった風に感じる人もいることでしょう。そこで「企画観」というものの全体を、いったんここで整理しておきたいと思います。大きく分類すると3つになります。
1)タテマエ的企画観・・・「理論的。理屈としての企画」こそが【企画である】と思い込んでいる人の企画に対する感覚
2)顕在意識的企画観・・・「社会風潮の流れを主軸にした企画」こそが【企画である】と思い込んでいる人の企画に対する感覚
3)潜在意識的企画観・・・「無意識な個人の歪んだ思い込みから生まれた企画」こそが【企画である】と思い込んでいる人の企画に対する感覚
「企画」というものを「無意識」で、どのように思っているのか?については、このようにまるで性格の違う3種類の形があるのですが、ここで最も問題になるのが3つめの「潜在意識的企画観」です。誰もが1人ひとり年齢も性格も違います。
たとえば会社の経営者や経営幹部は、どうしても支配欲が強くなりやすく、自分の権力を誇示したがる人が多くなります。また、若い人ほど「妄想」によって動きやすくなり、歳を重ねた人ほど「マンネリ」になってしまいやすいものです。
技術畑の人と、営業畑の人では「モノの見方」が違っているため、どうしても会話が成立しずらいことも多いものです。さらに、この人が右なら、自分は左と言いたがる「天の邪鬼」な一面が人の心の中に住み着いていたりもします。
こういった「無意識」が、ある種の先入観として限りなく「企画というものを、どのように考えているのか?」という、いわゆる「企画観」に、凄まじいほどの圧力をかけてしまっているわけです。ここを見逃すと、話が空中分解してしまいます。
------------------
モノづくりをしている人は「ウソをつかない材料」を相手にしています。コンピュータ・プログラムにしても同じで、もし「止まったり、動かなくなったりした」場合は、それを組み立てた人間の方が間違っているのがモノづくりの基本論です。
つまり、モノづくりをしている人が相手にしているものは「ホンネもタテマエもない材料」です。しかし、人間には「ホンネとタテマエ」があります。乱暴な言い方をすると「ウソつき」を相手にするのが「営業」や「企画」という仕事ということになります。
「企画という仕事」は、実に「人間臭い仕事」なのです。企画の仕事をしていると、人間の本性を丸裸にしていかなければ上手く組み立てられないことに気づくことになります。「ホンネ」を見抜くことができなければ、その企画は失敗します。
ホンネを出さない人は、賛成したフリをしながら、心の中で不満を抱えていたりします。そういう人ほど、企画に賛成しておきながら、その企画に乗り気になりませんし、企画が失敗すると「ほれ見たことか」と後になって批判しまくったりするわけです。
-------------------
企画には、色々なものがありますが、企業としての活動において、もっとも重要な企画といえば「商品開発企画」と「販売促進企画」という話になってしまいます。つまり「どんなものを作るのか?」「どんな風に効率よく売っていくのか?」。
ここで問題になってくるのが「効率よく」「効率を上げる」という【概念】です。企画に「企画観」というものがあるように、効率についても【効率観】というものが存在します。この「効率観」についても歪んだ思い込みをしている人も多いのです。
たとえば1万円の商品なら、買う側は「きっちり1万円の商品分の努力がしてあって当然」と考えます。10万円の物を売りたいのなら「10万円分の努力」をしなければ売れない。これが買う側からしてみると「当然の感覚」なのです。
効率を上げるというのは「1万円分の努力をするのに8時間かかっている。それを、どうにか6時間、いや5時間で1万円分、キッチリとできる方法がないか?を探す」といったもの。これが「効率を上げる」「効率よくする」という話になります。
-------------------
ところが、間違った「効率観」を持っている人ほど「1万円分の努力ではなく、なんとか8,000円分の努力でOKがもらえないか?」と【不良品】を作り出すことを考えようとします。買う側からしてみると「そんな不良品は要らない」すなわち売れない。
効率を上げようとして不良品を生み出し、誰も買わない、さっぱり売れない。これでは「効率を上げている」のではなく「トコトン効率を下げていること」になります。何を企画するにしても「品質を落としてはいけない」というのは常識論です。
さらに「効率」というものを突き詰めていくと「売れる」という状態を作ることが最も「経営効率が良い状態」だと言えます。「売れる=相場価格<価格以上の品質」です。これが最も経営効率が良い、経営コスパの良い状態ということは間違いありません。
ところが、このポイントでも歪んだ感覚を持ってしまう人たちがいて「性能が他に勝っていれば売れる」と思い込んでいる技術畑の人も少なくありません。つまり「相場価格から逸脱している<最高品質=売れない」という状態を作ろうとしてしまう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?