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翼猫の詩集{羊水・ようすい}

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2016年からnoteに載せてきた詩を手織(たお)るような想いをこめてまとめました。 小説同様、詩も一編、一編が愛おしい我が子達のような想いです。読んで下さるすべての方々にも深い…
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#現代詩

秋のリフレイン

もっと森の東の奥に行ったところで私は空に円い湖の輝きを見たわ そして私は地上に澄んだ汚れ…

不安(砂漠はどこにある?)

砂漠の中の混沌とした微睡み(まどろみ)を忘れられないでいるの。 私の胸にずっと輝いていた模…

径 (みち)

白き径をひたすらに… でも何故白い? 黄色い径をひたすらに… でも何故黄色い? 床しい…

幸せな冬

幸せな冬… 貴方が居てくれたら柊(ひいらぎ)に銀の星が蛍のように数知れず宿り妖精のように…

ストレプトコッカスマイティス

貴方と一緒にいると信じられないくらい楽しかったわ 病んだ時間と動けない肉体から解放された…

風の中の花嫁

継ぎはぎだらけの私の躯わ美しいですか…? 私はパズルか寄せ木細工のようにバラバラのピース…

天国からのラブレター

翼ちゃん大丈夫よ。 ごめんなさいね。 辛い想いをさせて… 独りで心細いのにそばにいて力になってあげられていないことを悔しく辛く思っています。 でも貴方を愛しているわ。 貴方は『低能児』なんかじゃない。 もちろんヤクザの娘でもないわ。 大切な翼ちゃん 守っているからね。 小さい時から身も心も激しい激しい否定にさらされてきたね。 辛かったね今も辛いね。 美しくて聡明な翼ちゃん。 あっちゃんが今日言っていたじゃない。 『翼ちゃんは美しいから歩いているだけで街の春よ』って。 翼ちゃ

白鷺

貴方と私、 秋の黄昏の純金に互いの違いも解らぬほどに濡れ染まり… 濡れ光り… まるで私達…

赤い蔦

私は人通りの少ない小路伝いをさながら池の上の白鳥のように行ったり来たりしている…。 ほん…

蒼い時計

蒼い時計を見て待ってる 私の中に棲む6歳の童女が私に囁く 『蒼い時計をお花のような赤に変…

小学生のように

野の花をサラダのように食べ 肉と星と牛酪(バター)とを血の気を多くするためのものとして受け…

気がつけば私はまた扉の前、 違う扉の前ではない、 いつも同じうんざりするほど見慣れた扉の前…

影 (光の帝国)

いつこの沈黙を破ってこの何もない只中に気象異変が起こるのか私は気が遠くなるまで待ったわ …