秋のリフレイン
もっと森の東の奥に行ったところで私は空に円い湖の輝きを見たわ
そして私は地上に澄んだ汚れの無い濁りを見つける。
なんと清らかな濁りでしょう
そうして美しい流れの淀みを目(ま)の当たりにする。
樹々の呼吸は今までより一層 鮮明に目に見えてくるようだわ
そのため息までもが私の耳を優しく打つの…
秋の美しさを見て!
ささやかな生命の輝きが果実めいた匂いやかな風と純金の黄昏の光までをも伴って独りで泣いている私の部屋の窓硝子に優しくリフレインするの
私の耳に谺(こだま)し瞳を閉じても私の中にその澄んだ残像は豊かな波紋を 拡げ続ける…
今や飛び立とうとしているあの力強い翼を見て!
独りぽっちの夜、私はあの鳥の翼を夢見るの。
この世で最も尊い命達
愛しい人達の幻想を小さな胸に抱くように…
私は悲しみに震える睫毛の下でその水晶の夢を見る…
ああ 秋の高鳴りを聴け!
波のじょじょに上がってくるのを…
クレッシェンドで私の『X』が月と共に艶めきを増す
美しい魂の群れ達よ
羽ばたく時の気高い音
そして森に集う黄金色(きんいろ)の瞳の妖精達よ
貴方達のしなやかで鞭(ムチ)のような尻尾と優美でコケットな鉤爪に月の光が濡れて零(こぼ)れて流れ落ちるわ
夜の讚歌と共に…
この足音
この音の無い音
色の無い色
それなのに秋のクレッシェンド…
冬に向かい森閑(しんかん)と降り積もるデクレッシェンド…
香り高いリフレイン
聴こえるのは天使の震えるような幽(かす)かなため息だけ…
私の秋…
私今夜きっと月を抱き…
月に抱かれるわ
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