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今月読んだ本の感想(5月編)

5月も終わり、もう1年の半分に差しかかろうとしている。
時の流れが早すぎて、毎日ぽやんと過ごしていたらすぐにおばあちゃんになっちゃいそう。

最近インプットが足りなくて、アウトプットがなかなかうまくいかないので、もっと読書量を増やしていきたいね。

というわけで、今月読んだ本、5月編です。



射精責任/ガブリエル・ブレア

望まない妊娠って男女どちらにも責任があるはずなのに、現状として女だけが責任を負っているよね。そんな社会に異議を唱えたのが本作『射精責任』。

すごい名前だ!と思ったけれど、読めば納得。たしかに男性には「射精責任」があるな、と思った。

この本が書かれたアメリカでは、中絶が合法か違法かの論争がさかんで、その中身は「胎児の生命VS女性の自己決定権」の対立だとされる。
でも、ちょっと待って!そもそも望まない妊娠は女性1人じゃできないよね?男性の存在が透明になってないか??

中絶を減らしたいなら望まない妊娠を減らすべきで、望まない妊娠を減らすためには、男性が自らの射精に責任を持つことが必要ではないか、というのが著者の主張だ。

その主張の根拠が、科学的なデータをもとにわかりやすく述べられている良書だ。

女性はすんなり納得できる人が多いだろうが、男性には耳が痛い話だろうし、正直男性がこれを読むメリットは少ないと思う。そのため、今後「射精責任」という概念をどのように男性に浸透させるか、またどのような方法によって責任を取らせるかは、今後の課題といえる。

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花の鎖/湊かなえ

小説でナンプレを作りたい」という著者の思いからできた小説がこちら、『花の鎖』。

勤め先が倒産し、経済的に困窮する梨花
夫を献身的に支える、専業主婦の美雪
水彩画講師でもあり、和菓子屋の看板娘でもある紗月
3人の女性の人生に関係する謎の人物、「K」の正体はなんなのか?

……というのが本作のあらすじだ。
イニシャルが「K」の登場人物がたくさん登場し、いったい誰が「K」なのか、推測しながら読むのが楽しかった。

人と人とのつながりが理解できた時は、まさしくナンプレが解けた時のような爽快感を得られること間違いなしだ。

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屍人荘の殺人/今村昌弘

面白いストーリーに没頭したいな〜という時にはまさにうってつけなのがこちら、『屍人荘の殺人』。

ミステリ愛好会の会長・明智と、その助手・葉村は、探偵少女(?)の剣崎比留子とともに、映画研究部の夏合宿に参加する。
山奥のペンション、紫湛荘に到着した彼らだが、突如として紫湛荘に立てこもることとなる。
そこで起こる殺人事件。果たして3人は生き残り、犯人を見つけることができるのか?

というストーリーだ。
大学生・夏合宿・山奥のペンション」という、あまりにもミステリにありがちな展開をなぞりすぎてて、「はいはい、そこでクローズドサークルになるのね……」と思う序盤、突如としてはちゃめちゃな要素がぶちこまれる

え!?ミステリにそれありなの!?と驚愕しつつも、その「要素」がクローズドサークル形成の原因にもなりつつ、殺人事件の謎ともうまく絡みあっている
ミステリとは無関係に見える要素が、ストーリーと見事に調和していく様は圧巻だ。

それからはもう面白くて読む手がとまらない。

久しぶりに、純粋に面白いストーリーに没頭するという経験ができた。人を救うのはやっぱり面白いストーリーですね……。

最高だった、ぜひ一読あれ。

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おわり

今月読んだ本は3冊

少なめではあるが、ひとつひとつをじっくりと楽しむことができたのでよかった。

『射精責任』はガツンときて、『花の鎖』は爽快感があり、『屍人荘の殺人』は没頭できた。

どれもそれぞれ違う読後感で、いい本だ。
今月のベストは『屍人荘の殺人』かな。面白すぎた。

来月も最高の本に出会っていきたい所存。
ここまで読んでくれてありがとう。

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