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世界写真紀行 vol.2(インド/ ムンバイ)

インド西の都、イギリス植民地時代の影響が色濃く残るムンバイ。かつてボンベイという名で知られたこの町は、ボリウッドと呼ばれるインド映画産業中心の地。その地を訪れたのは7年前。

インドでは至るところでチャイワラと呼ばれる、インド式ミルクティー "チャイ"を売っている人等を見かける。価格は数円から数十円ほどだが、チャイワラによって全く味が異なる。その味の違いを楽しむのもインド旅行の醍醐味と言っていいくらいだと個人的に思う。

余談ではあるが、大ヒット映画スラムドッグミリオネアの主人公の男性もチャイワラであった。この町も例外ではなく、屋台のチャイワラを見つけ立ち飲みをしながら撮った一枚である。

その時、同じく横でチャイを嗜むスーツを着たサラリーマンの中年インド人から話しかけられたのを今でも鮮明に覚えている。

"どこから来たんだ?インドにはホームレスや物乞いが多いだろ?そこにも、あそこにも。よそ者のお前はこの現実をどう感じるか?"

私はとっさに、こう答えた。

"日本とはまるで違うし大変でしょうね。"

すると、彼はこう返した。

"それは違う。こいつらは、ただの怠け者なんだよ。働けるのに、働かず物乞いしながら楽にお金を稼いでるだけなんだ。"

当時、大学生活残り数日の私にとっては、予想外の答え過ぎて言葉に詰まった。そして今でも、この意味を考える時がある。

彼の言う事が100%正しいとは言えない。しかし、100%間違っているとも言えない。と。


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