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砂漠を横切るラクダのように【4-(2)】




 仕事内容は送られてくるデータを処理するだけの簡単なものなのに、最初の一ヵ月で私の精神はガリガリと磨り減った。
 短期のアルバイトを選んだのは正解だったが、今回の仕事は「三ヵ月で解散」というものではなく、問題がない限りは「三ヵ月ごとに契約更新される」というもので、ほとんどの人が辞めることなく働き続けているようだった。
 しかし、すでにその“三ヵ月”すら牢獄のように長く感じていた私には、せっかく手にした魔法の言葉「とにかく毎日『7200円』を無事に稼ぎ出してくること!」も数日しか作用せず、一週間後にはきっぱりと「12月で辞める決意」を固めていたのだった。

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“はじめまして”のnoteに綴っていたのは「消えない灯火と初夏の風が、私の持ち味、使える魔法のはずだから」という言葉だった。なんだ……私、ちゃんとわかっていたんじゃないか。ここからは完成した『本』を手に、約束の仲間たちに出会いに行きます♪ この地球で、素敵なこと。そして《循環》☆