見出し画像

旅が終われば

約3ヶ月に及ぶ旅が終わろうとしています。
またどうせ旅には度々出るわけですが。
そして旅が終われば少しは成長してるのかと思ったら全然そうでもなく(笑))

海外に出れば、自分が日本人だということは、忘れられるつもりでいました。
ですが、日本人であることを意識せずには過ごせませんでした。
言葉も分からず、文化も異なり、日に何度も国籍を聞かれる状況では、日本人であることを意識せずには外にも出られませんでした。

好きでもない場所に所属していることを突きつけられながら歩いてきました。
でも、大して嫌いでもない場所なのだと実感しました。
私は自分で思っている以上に、好いていました。移り変わりを気にせずにはいられない季節や、それを教えてくれる花に風に空にファッション。寒さと、それを和らげる我が家の薪ストーブや温かいお湯で満たされた湯船。言葉と文化と習慣を同じくする者同士でしか通じない、冗談や暗黙の了解。

私は未だ、旅の途中で好きでないことがたくさんあります。
無愛想で面倒臭そうで積極的に働こうとしない店員の態度。通り過ぎる度に声を掛けてくるタクシーやバスのドライバー。
けれど私は、色とりどりの市場や水で洗うトイレ、人々が気軽に買うジュースやお菓子、暇そうに座っているおじさんたちやトドンを被った女性たち、そして異なる文化を持った人たちが行き交う道が想像していたより好きです。
何より、海外では浮いている自分を当然と受け止められることが一番好きなのもしれません。

……さて、日本は寒いですね。これからあと一度ずつ飛行機とバスに乗らなければいけません。
憂鬱ではありますが、薪ストーブが私を待っています。