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トイレットペーパーの文化

トイレットペーパーを見ると、いつも思い出すことがあります。

英語はU先生が受け持ちだったので、高校2年生の時です。何の話の時だったでしょうか、U先生が「トイレで、L(ALTの名前)が入った後はすぐ分かる」と話し出したのです。
そのALTの出身国は覚えていません。背の高い、青い目の人だったと記憶しています。
U先生によると、Lは、日本でトイレットペーパーが三角に折ってあることを嫌うんだそうです。そして彼女自身は、トイレを出る時にはトイレットペーパーを30センチほど引き出しているのだそうです。

日本では気配りとされる三角折りは、前の人の洗っていない手が触れているので汚い、トイレットペーパーを引き出すのは自分が触れた部分に次の人が触れずに済むように、という配慮なんだとか。

もし何も知らずにLの出身国へ行って、トイレに入った時にトイレットペーパーが長く引き出してあったら私は不快に感じるだろうなぁ。そう思った記憶があります。
けれど、長く引き出してあるトイレットペーパーが配慮だと知っていたらどうでしょうか。きっと、前に入った人は気遣いのある人なのだな、と考えると思います。

気遣いを表す形は国によって、文化によって異なります。だから「知る」ことは大事なことなのだ、とその時学びました。己の理解の及ばないことに対しては、つい苛立ってしまうのが人間です。少なくとも私はそうです。
とすると、相手について「知る」ことは無理解や誤解による苛立ちをなくし相手や文化をより身近に感じられる、ということになります。それはもしかして、結局のところ世界を平和にすることに繋がっていくのではないでしょうか。

……そう言えば、その話をした後、U先生はどうやって話を締めたのでしょうか。
「文化は国によって違いますね」だったでしょうか、「日本国内では良いとされる気配りも、他の国では通じないことがあるのです」だったでしょうか。いや、どちらも違うかも。
全くもって思い出せないんですよね。


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