山伏のいる神社に行く旅 #2|眠れない本当の理由
大雨予報の中、フォロワーさんと山伏の方がいる神社に行く旅をした私。そのきっかけは、彼女とリアルでお茶会をしたことだった。
この方が適応障害になって4年。会社でのある出来事がきっかけだ。
医者やカウンセラーの方に休職を勧められてきたこと。薬を飲んでも眠れず、朝には気が狂いそうになること。それでも休む気持ちにならないこと。
打開するため、物事の捉え方・考え方を変えようとしても、堂々巡りをするだけで何も変わらない。そんな苦しい日々の話をたくさん伺っていたのだ。
だが、お茶会で実際にお会いして、「この方は適応障害ではない」と即座に感じた。さらに、お話を伺う中で、八海山尊神社への参拝を思わず勧めた。
それには、私なりの理由があったのである。
眠れない本当の理由
私は、心の不調に見舞われた方と仕事をした経験が多い。突然会社に来られなくなった同僚の穴埋めをしたことも、一度や二度ではない。
そのため、心の調子を崩されている方は、一目で分かるところがある。
だが、このフォロワーさんは様子が全く違った。
確かに、眠れないのは適応障害の症状ではある。それでも、本当の理由は恐らく別のところにあると、直感したのだ。
「今まで私も休職を勧めてきましたが、実際にお会いして、的外れだったと反省しました」
「心の疲れというよりは、今の状況に納得がいかない気持ちの方が強いのではないですか」
私がそう切り出すと、彼女は身を乗り出した。
「今の状況に納得がいかないって、正にその通りです!」
と仰ったのである。
どうして自分がこんな目に遭うのかという気持ち。
気分が落ち込んでいるというよりは、強い不満や憤りの感情を持て余し、苦しんでいる。私にはそう見えた。
参拝のすすめ
神道には「荒魂」という言葉がある。
同じ神でも、常に穏やかな働きをする訳ではない。荒ぶるような猛々しい働きを示すこともあると考える。
神の御魂の穏やかな状態を「和魂」と呼ぶのに対して、荒魂は、戦争や災害を引き起こすような荒々しい状態を指すのだ。
神の御魂が荒ぶっていると、人々の平穏な生活を脅かす。そこで、古来より、荒魂から和魂の状態に変えていただけるよう、祭祀が行われてきた。
(例えば、伊勢神宮の荒祭宮のように、神の荒魂をお祀りする神社も多い)
一方、人間自身も、心が波立った状態では穏やかな暮らしは得られない。
不満や憤りで荒ぶった心を鎮めることが、彼女の状況を打開するきっかけになる。私は真剣にそう思った。
さらに、思い出したくない出来事がたくさんあったという、プライベートのお話を伺っているうちに、
「ご自分だけの問題ではないかもしれない」
とも思った。親戚や先祖の方々にも浄化すべきことがあるように感じたのだ。
「八海山尊神社に参拝されてみるのは、いかがでしょう」
気づいたら、私はそう言っていた。
護摩祈祷を受ける旅
後日。フォロワーさんからメールが届いた。
「こんな私が八海山尊神社を参拝したら、気持ちが安らいだりするのでしょうか」と書いてある。
行ってみなければ正直わからないと断った上で、
「ただ、ご自分を変えていかれることだけでなく、古来から続く信仰に触れ、神の存在を身近に感じる時間を持つことも、時には心の安らぎになるように思います」
と私は答えた。
結局、1ヶ月あまり経った頃、6月に参拝したいという連絡をいただく。
目的は、特に浄化力が強いと言われる、お護摩(護摩祈祷)を受けること。この旅で、私たちは思いがけず、得がたい体験をすることになる。
つづく
★お護摩の様子など、八海山尊神社については、こちらの記事をぜひご覧ください
★私のお護摩の体験談は、こちらをご覧ください
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