赤羽かなえ

2022年は“背中を押す人”やっています。人とモノと場所をつなぐストーリーテラーとして…

赤羽かなえ

2022年は“背中を押す人”やっています。人とモノと場所をつなぐストーリーテラーとして、自分らしい経済の在り方を追究している。腹の底から湧き上がる黒い想いと泣き方と美味しいご飯の描写にこだわっている。人生のガーターにハマった人がふっと緩むようなエッセイと小説を目指しています。

最近の記事

【赤羽かなえについて】

赤羽かなえのnoteを訪問下さり、ありがとうございます。Webメディアにエッセイやフィクションを載せています。お気に入りの一部を載せますのでよかったら読んでください! 【インスタ小説連載・毎朝更新中】 インスタ小説『こじらせヨメに花束を』連載 【新着】 卒業式のプレゼント《週刊READING LIFE Vol.212 》 2022年は“背中を押す人”やっています。人とモノと場所をつなぐストーリーテラーとして、自分らしい経済の在り方を追究している。腹の底から湧き上がる黒い

    • [短編小説]魚鱗(後編)

      前編はコチラ まだ、人と話すことに慣れていない私は今回もしどろもどろだった。 「あるには、あるけど、早く夕飯作らないと遅くなるし……」 「少しだけ、うちに寄っていかない? 見せたいものがあるんだ」 断る理由がなかった。初めて人と放課後にどこかに出かけるという経験。喉から手が出るほどやりたかったこと。こんな私でも体験できるんだとドキドキした。しかも同級生の男の子の家。別に彼氏でもなんでもないけど、岩田君だからソワソワするのだろうか。 岩田君の家に行くと、お母さんが出迎

      • [短編小説]魚鱗(前編)

        いっそ、人魚だったらいいのに。 昔、読んだ人魚姫の本に憧れた。私の肌は、はげかけたウロコのようだった。 きっと、私は、間違えて海から人間の世界に来てしまって、元に戻れなくなっちゃったんだ。地上に合わない身体だからこんなに痒いの。そう思ったら、辛いのも仕方がない、って思える。 海の中で生きることができたら、この熱が収まるんじゃないかな。海だったら、人目のないところに泳いで逃げて、岩場の陰でひっそりと生きることができるのに。 私の体にはいつも逃げない熱がある。その熱は、一日

        • 人生最後の日にガッツポーズして死ぬために、今、何をする?

          ある本の命が消えかかろうとしていた。 そんな瞬間に直面した。 どうしよう、このタイミングで絶版だなんて。メールの文面を見て焦る。目の前の文字が揺れて崩れていくような錯覚に陥った。3月だというのにひどく寒かった。 私達は4月に、とある作家の講演会を企画していた。メールはその会場で書籍販売の委託をお願いしている書店の担当者からだ。確保をお願いしている本の在庫が版元になく、各書店においてある分で終わりになるらしい。 問い合わせをもらった時点で、既に参加のお客様から3冊の予約が

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          メンタル崩壊寸前の私を救ってくれたふるさと納税

          ふるさと納税しないと損。 でも、気づくと年末なんだよ。あーやっておけばよかった! って思うのに、すっかり忘れてるんだよ~~~。 年末ってただでさえストックが増えるのに、そこにふるさと納税の品物が増えたら、パンクですよ、パンク。 というわけで、毎年頼むレギュラー品以外は開拓できてなかった私。 レギュラーは、無投薬のうなぎ(本当は天然ものがほしい)、グラスフェッドの牛肉のハンバーグなどを出している鹿児島県志布志市。あとは岐阜県の中津川市の栗きんとんくらい。 先月半ばから体

          メンタル崩壊寸前の私を救ってくれたふるさと納税

          「好きを仕事に」のホンネ

          「好きなことを仕事にしたい? 好きなことは趣味でいい?」 という問いにはいつまでも戸惑いがつきまとった。 例えば、こんな人たちは幸せだと思う。 「小さい頃に病気がちで入院していた時に病院の先生が助けてくれたから、お医者さんになりたい」とか、「野球教室に来てくれたプロ野球選手がカッコよくて、憧れて、野球選手になりたい」とか。 そういう派手な思い出があれば、目的も明確だろう。 直接知っている人ではないけど、「お父さんが海外赴任しているときに戦争に巻き込まれて、現地の日本人

          「好きを仕事に」のホンネ

          どうやって辞めればいいかわからなかった

          コロナが明けたら、新年度が始まってた! 3月って激動の月なんだなあと実感。 3月半ばから体調を崩して、極めつけに一家でコロナにかかって、解放されたら年度がすっかり明けていた件。 3月の2,3週間外に出られなかっただけで、最上級学年の子は学校を卒業し、桜は咲き、次のステップに進んでいる。 今さら卒業するところも入学するところもないけど、季節の移ろいの早さに置いて行かれた気分。 学生さんも、新社会人の皆様もおめでとうございます。この時期にだけ出回る新しい雰囲気の人達が春だ

          どうやって辞めればいいかわからなかった

          プロ野球の開幕に年の流れのはやさを実感してしまう

          プロ野球が好きだ。 でも、残念ながら、ここ数年は見ていない。 もともと夫と付き合うきっかけになったのもプロ野球の話題から。だから、変な話だけど、プロ野球に対しては恩義すら感じている(笑) 私の中でプロ野球にハマっていた時期は大きく分けて2回。第一次のブームは中学~高校にかけての頃、父の影響でヤクルトスワローズが好きだった私は、友達と一緒に横浜スタジアムの外野席によく行っていた。 その当時に活躍していたのは、広沢選手や池山選手などいわゆる「イケトラ」時代。まさか、ヤクルト

          プロ野球の開幕に年の流れのはやさを実感してしまう

          子どもは毎回お子様ランチを食べなきゃいけないの?

          食事をする店でいいところを判断するポイントって人それぞれだと思うけど、私は、「子どもに出す食事に手を抜いていないか」で判断すると結構外れない、と思っている。 店にしろ、ホテルにしろ、外食をする店で、子どもの料理に手を抜いている店は多い。そういうところは、大人の料理が一見豪華そうに見えても実は、見えないところで手を抜いているので、トータルすると「豪華そうに見えるだけ」ということが多い。 例えば、長期の休みに旅行に行くときにホテルをハシゴするときがある。そうすると、子ども向け

          子どもは毎回お子様ランチを食べなきゃいけないの?

          ちょっとしたことなのに、雲泥の差

          先日の0と0.1の話にも通じる部分があるかもしれないのだけど、年末年始に実際にあった話。 年末年始に2か所の宿に泊まった。両方ともホスピタリティは最高で満足が行くところだった。でも、前者はまた行こうと思ったけど、後者はもう行かないなと思った。 値段の差ではない、ちょっとしたこと、だ。 本当に偶然なんだけど、両方ともに忘れ物をした。前者の方には息子が上着を、後者の方には末っ子がアクセサリーを忘れた。上着は、着払いで送ってください、と頼んでわかりました、と言われた。後者の方

          ちょっとしたことなのに、雲泥の差

          0と0.1は違うよね。

          書くのをお休みしてました。 気持ちがすごく楽だよね。何もしない方が楽。でも、何もしないとソワソワするんだよね。この連休が明けたら、ボチボチ正常運転かな。いや、正常運転だとやりたいことができないから、新しい習慣作りに向かっていこうかな。 書かない中で、少しだけでも何かしら残しておくと続きを始めるだけでいいからグッと楽になる。 この記事は、タイトルを書いたまま、2日ほど寝ていた。けど、タイトルを書いておくのと置かないのでは大きな違いだよね。 だから、できなかったところより

          0と0.1は違うよね。

          違和感を切り取っていく

          書くことを強制にしない日々を送っている。 いや、そもそも、書くことは強制ではないんだけど、書き続けるためには、それなりに仕掛けをして書くようにしていないとついクサイものに蓋をしちゃうから、それは自分のために必要と思っているから締め切りを作るようにしているんだけど。今はお休み。 書かなきゃいけない、家事をしなきゃいけないを外すと普段見落としていたり、普段あえて見ないふりしていたりすることが見えてきてそれについてゆっくり考えることができる。 いつもだったら、売り言葉に買い言

          違和感を切り取っていく

          神様との電話≪それでも私が書きたい理由≫

          もう、やめる! いいじゃん。別に私が書き続けなくたって、誰も困らないし。 私がやらなくたって、文章は誰かが書いてるし。 っていうか、誰もが書いてるし。 私が書かなくたって、地球は回るじゃん。 書かない方がいい理由なんて掃いて捨てるほどある。 子供に邪魔されてイライラと自分がメンタルを邪魔されることもなく、子供も怒られて泣くこともなくなるし、めっちゃご機嫌なスパイラルに入るじゃない。 書くための時間がそのまま自由な時間になる。 ご飯を早く作ることもできるし、読書だ

          神様との電話≪それでも私が書きたい理由≫

          誰かは誰かの神様だ

          一年が過ぎ去るのが早くて、大掃除に普通の掃除くらいが精一杯。あっと言う間に新しい年が来て、何なら次の年、その次の年も渋滞してるんじゃないかというらいあっという間に来るので、一年の区切りって必要? って思うくらいだ。 でも、やっぱり区切りって必要なんだな。 区切りがあって、終わりと始まりがあると、人って何となく次に向けてって考えるんだなと。 淡路島に大好きな宿があって、大好きすぎて片道4時間かけて時々泊まりに行くのだけど、今年はなかなか長い休みが確保できなくて、年越しの日

          誰かは誰かの神様だ

          さとりの書が見つからない

          「悟る」という言葉を覚えたのは、間違いなくドラクエⅢの影響だ。 とにかく小さい頃から魔法を使いたかった私は、ドラクエでも必ず魔法使いか僧侶を選んだ。 レベルが上がって天職ができるようになると、賢者になるために「さとりの書」がいるというのは、私達世代には有名な話だが、幼心に「さとり」ってなんだろう? って思っていた。 聞きかじりの宗教的な知識によると、どうやら、悟った人は少ないらしい。やれ、お釈迦様やら、イエス・キリストやらと錚々たるメンバーが並ぶ。 そもそも、悟るって

          さとりの書が見つからない

          子供の「お腹すいた」は「暇だ」ということ。

          冬休み本番。朝からそこかしこで戦いが勃発している。 家は戦場だ。 母が宿題の戦いを子供達に仕掛け、女子たちが席取りの乱を繰り広げる。ご飯やオヤツのたびに、どれを食べるか、何個食べるか争いのネタは大掃除を待つホコリ以上に掃いて捨てるほどあるのだ。 我が家で問題なのが、子供が集中する系メディアを厳しく制限しているところだ。スイッチは原則、週末のどちらか30分。小学生以下はテレビの時間は1日30分、動画は必要に応じて母の監視下で。 うるさいかな? 厳しいかな? と思うけど、同

          子供の「お腹すいた」は「暇だ」ということ。