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自分の身体に起きていたこと


さて、サックスの先生から、カイロプラクティックの先生を紹介された後のお話です。

前回の記事はこちらです↓

https://note.com/kana_saxophone/n/n200e4a394295


年が明けてすぐ、私はそのカイロプラクターの先生のお宅へ訪問しました。

日本人の女性の先生。小柄で、でもふんわりお花のようなオーラがあって。話し口調はとっても心に寄り添ってくれて。まだ施術されていないのに、この人は、私を助けてくれる、そう思いました。

決して広くない、普通のパリのアパルトマンの一室。落ち着いた明るさの照明の中、少しのカウンセリング、会話をしてから、施術開始。

私の身体を本当に労わるような、優しい手でした。触れられたところがじんわりあったかくなるようで、緊張が溶けていき、体勢を変えるときに痛みはありましたが、ウトウトしながら、あっという間に第一回目の施術を終えました。

ゆっくり身体を起こし、立ち上がると


(あれ?身体が軽くなってる。。。)


施述後、カイロの先生からの聞いた私の身体の状態。

脱力するんだよ、自然にね、と言われても素直に出来ないこの身体に何が起こっているのか。

身体を支えるための最低限の筋肉が無い
私は幼い頃から運動を特にやっていなかったため、身体を支える筋肉が無い。なので重心が定まらず正しい位置で支えられない。

基本的に身体が柔らかい。
筋肉は無いが、基本的に身体は柔らかいとのことで、骨がすべりやすい、ズレやすい。なのでそれ以上ズレないように身体のあらゆるところに【凝り】が出来て、これ以上骨がズレて故障しないように凝りたちが身体を保ってくれていた。なのでギックリ腰などの重症にはギリギリのところでならなかったらしい。


筋肉がない→運動して筋肉をつけたら良いのでは!と、なりますが、身体がズレまくっている状態で運動すれば痛みが増し、さらによくない。


身体が柔らかいため、身体に鞭打って、今までは無理が可能であったらしい。(これは予想だけど多分高校、大学3回生くらいまでのことかなぁ。めちゃくちゃ忙しかったし、休みたくても休めない日々が続いた。神経質になることも多かった。)


休みがない日々は当たり前だと思ってたし、あまり苦とは感じていなかった。
自分はあまり風邪などの病気にかからないから元気だし、体力もあるし気力もあると思い込み信じて、色々と自分の感覚を麻痺させたのもこの時期かなと。
(実際は慢性蕁麻疹発症したり、金縛りになりまくったり、身体のだるさはあった。)


流石に身体が痛いな、姿勢が悪いなと感じたので大学生の途中から整体へ通っていました。
けれど、いくらバキバキして骨の位置を戻しても、凝りがまた身体を以前の位置へ引っ張って戻してしまうのだそうです。確かにすぐにまた身体は痛くなってたなぁ。強力なバネとかゴムとかが、身体の中に沢山ある感じ。何年も蓄積されているので骨だけ戻しても、そんな簡単に身体は正しい位置に戻ってはくれない。


そしてその【凝り】たちは、身体のいろんなところをひっぱったままで一日中休まることをしないので、身体は常にエネルギーを使いっぱなし。結果すぐに疲れやすく、夜寝ている間も身体は緊張しっぱなし。そして夢ばっか見て脳は信号を出したままなので寝れない。


そして朝起きて、身体が毎日激痛からはじまるというわけです。実際寝起きは悪く、行動するのに最低30分くらいは毎朝時間が欲しい気分でした。


この身体の状態が何年も続き、限界がきたのが、パリへ来たこのタイミングだった、ということです。


もちろん楽器を演奏する上で良いわけありません。
リラックス(脱力)できない、呼吸が出来ない、指が動かない。これらは全て身体の不調のせいでした。

深く呼吸しようとしても身体が固まっているのでやろう思っても自然にできない。ひどい時は楽器を演奏する時だけでなく、日常生活で呼吸が浅くなり、息苦しい日もありました。横になっても呼吸出来ないし、そういえばむせることもあった。


呼吸をすることは生き物にとって自然なことですが、身体がブロックをかけていたので、自然にできない。もちろん息を吐き切ることも自然にできないので、身体に何か嫌なものがたまったままの感じ。呼吸が自然に出来ないと言うことは、脳に充分な酸素がいかないので、頭は回りません。

首、肩、腕も凝りまくり、引っ張られまくりで常に緊張状態。そりゃリラックスなんか出来る訳ないし、指なんて回りません。練習不足だから指が回らないのではなく、身体が歪みまくっていたので出来なかったのです。

ちなみに私が感じていた「肩凝ってるわー」は、普通の人よりはるか上の痛み。(もはや肩こりぶっ通り越して身体が全身怪我してる状態だと思ってねと言われたw)


そしてもう一つ、メンタルへの影響。

留学初期の環境の変化、そしてフランスは冬は太陽が顔を出さないのもあり、何もしてなくても鬱っぽくなる。そしてプラス楽器が思うように吹けないのと、身体の不調。正直、本当に楽器辞めた方がいいんじゃないかと、思っていました。この異常な気分の落ち込みも、私の場合は身体が影響していました。


「カナさん。まず、自分を褒めてあげて下さいね。甘やかしてあげて下さい。初めての外国で、一人で生活して、生きているって、すごいことなんです。それにプラスで楽器をやってらっしゃる。ずっと夢を持って頑張っている、素晴らしいんです。」


かけられたことのない言葉でした。自信のなさ、劣等感、出来ないことの多さ、言葉の壁、1円も稼いでいない、一つも成果を出せていない。こんなポンコツな私に、初対面でこんなに暖かい言葉をたくさんかけてくれて、私のやっていることをそんなに詳しく知っているはずのない人が、私以上に私の生きてきた道を一瞬で認めてくれた

それから

人に教えたり、何かを与えたりは、自分が幸せじゃないと出来ないんです。だからまず、自分を大切にしてあげて下さい。


「身体の声を一番に聞いてあげて下さいね。」


この言葉で私は、今まで何をやるにしろ自分を後回しにして行ってきたことを自覚しました。

やりたいと願ってやってきた、変えたいと思って変えてきた、そうやって生きてきた。自分の気持ちは貫いてきた。熱意と根性と諦めの悪さだけで生きてきたようなもん。

頭がいいわけでもない、要領がいいわけでもない。でも、人を率いる立場に立つことが多くて。中学も高校も大学も、そんな場面がたくさんあった。

自分が少し調子悪くても、私がいなくちゃ変わらない。物事が動かない。毎日人間関係のストレスとの戦い。その中で耐えて、生きてきた。


でも、これからそういう生き方は心身ともにボロボロになっていく。

(あー、、、なんでもっと早く気づかなかったんだろう、、)


と思っていると

「頑張って支えてきてくれた凝りたちに、カナさんの身体に、ありがとう、もう頑張らなくて大丈夫だよ、ありがとね〜っと言ってあげて下さいね」


優しく掛けられた、今まで聞いたことのない自分に優しくする言葉に涙がまた出て、身体のストレスと心のストレスを完全に取りきってから、日本へ完全帰国しようと心に決めるのでした。


戦いはまだ、続くよ!