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新型コロナ時代こそ漢方(6)コロナ対策漢方の「説明」の「トリセツ」

葛藤、トリセツ、そして見切り発車

続きです。

前回の記事では、どの漢方が使えるのか、という情報をできるだけ早く出そうとしても、うまく納得いく文章にならず、伝え方を決めるのに苦労したというお話をしました。

実は一種類ならこれでがコロナ対策になります!という漢方処方があるにはあるのです。

ただその処方は日本では手に入りにくいため、掘り下げてお伝えする必要があります。またこの記事を読んでくださっている方には、東洋医学や漢方になじみがある方もいれば全く初めての方もいるため、どうしても説明が短くはなりません。

東洋医学のアプローチは、原因がまったく同じでも、体質・症状別に、少なくとも数種類、時には数十種類にもわたって治療が木の枝のように分かれていきます。その木の枝の先々に、同じかそれ以上の数の漢方処方があるイメージです。

そのように西洋医学とは異なったフレキシブルさと的確さで、副作用を極力なくし、仮にあっても穏やかながら一定の効果を出すことが漢方治療の売りです。

体質に合わせた処方をすることで、本来の目的の症状以外の不調が思いがけず改善することもよくあります。複数の症状の大本である原因の治療を重視するからです。

そんなわけで、個人情報なしに、「このウイルス、この症状を抑えるにはこれだ」といった西洋医学的な処方は、漢方の投薬においても副作用と引きかえになることが多く、東洋医学士としては避けたいのが本音です。

また平常時の対面で診察して行う漢方処方は、個々や日々の違いを見極めて処方を「毎回」カスタマイズします。がらっと内容や方向を変えることもあれば、ちょっとずつ調整したり、または全く同じものを続けたり。

処方の種類と服用パターンが無数に近くなり、注意事項も微妙に異なる。そんなオーダーメイド的な治療こそが、そもそもの漢方治療の真髄です。

おそらく、そのコンセプトの違いが、新型コロナ対策になる漢方が西洋医療の普及になかなかつながらない理由なのでしょう。悩ましいところです。

以上を予備知識として知っていただいた上で、次回から 中国で実際に投薬されて効果が認められているとして、公的機関から公式に発表・拡散されている処方の紹介と、日本における服用案を、出所付きでまとめていきます。

そして詳細は原典を、実際の服用に際しては医師や漢方薬剤師のアドバイス、および漢方薬に添付されている服用上の注意を読まれることを強調し、了承いただくことで、書き手側の私も、読み手側の皆さんも、腹おちする形にできるかなと思っています。

簡潔と詳細のバランスが難しいところですが、とにかくまず簡潔版をだして、随時追加説明の記事を別に加えていく形にします。やや見切り発車的ですが、そうでもしないと私が長編を書き終わるころには感染が広がり切って収束しかねない。。。(笑えない話です)

本当に、漢方薬の服用希望の方一人一人に診療ができたら一番いいと心から思いますが、残念ながらそれは不可能です。まずはそういった漢方の存在を選択肢として知ることで、家庭でできる感染対策を決定する一助にしていただき、必要に応じて日本の漢方薬局窓口などで詳細を相談されるのがよいと思います。

なお、フロリダ州在住の方であれば、州の医療規定に従い、遠隔医療アドバイスおよび処方が可能です(オンラインアプリによるビデオ会話などを使います)。興味がある方はご一報いただければ、折り返し手順などをご連絡いたします。

サポートはとても励みになります! 有料記事などからの資金は、新型コロナ時代の生活に役立つような、東洋医療の啓蒙活動に充てさせていただきます(詳細は近々発表予定です)。その際はどうぞよろしくお願いいたします! なお調査・翻訳依頼などお問い合わせなどありましたらご連絡ください。